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ソニー新ウォークマン「NW-ZX707」。ストリーミング長時間再生、ハイエンドパーツ多数

ウォークマン「NW-ZX707」

ソニーは、ウォークマンZX500シリーズの後継機種として、ハイエンドモデルの技術を多数投入した「NW-ZX707」を1月27日に発売する。ストレージメモリは約64GB、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は105,000円前後。カラーはブラックのみ。

“ハイエンドストリーミング・ウォークマン”と位置づけられたモデルの最新機種。開発に当たり、ZX500シリーズユーザーから要望が多かったという、ストリーミング再生時のバッテリーの持ち時間を大幅に改善すると共に、フラッグシップWM1AM2の技術も多数投入し、さらなる高音質化も果たした。筐体も刷新されている。

音質面の進化

ウォークマン「NW-ZX707」

筐体は従来よりも横に大きく、角張ったデザインに変更。ディスプレイも3.6型から5型へと大型化している。OSはAndroid 12。上部の角に金色の装飾を施し、高級感を高めている。外形寸法は約132.3×72.5×16.9mm(縦×横×厚さ)で、重量は約227g。

上部の角に金色の装飾を施し、高級感を高めている

ハイエンドモデルと同様に、アルミ切削シャーシを採用。低インピーダンス化と高剛性を実現。また、アルミ切削シャーシは高い精度が出せるため、基板を高精度に保持でき、これも音質に良い影響があるという。アルマイト処理で仕上げており、グランドを落とすために一部はレーザーで削っている。

アルミ切削シャーシを採用

伸びのある透明感を実現するというアルミリアカバーも採用。ステンレスよりも、癖のない音になるという。さらに、無酸素銅の切削ブロックも投入。CPUなどの部分に配置し、ノイズを抑えているほか、重量増加に伴い、低域の質感もアップするという。

アルミリアカバー
無酸素銅の切削ブロック

電源部分も強化。大容量固体高分子コンデンサーを投入。ZX500よりも電源インピーダンスを従来比約1/10まで低減。バッテリーアシストにより瞬間的に大電流を供給でき、急激な電圧降下を防ぎ、正確な信号を出力可能。クリアで力強い低域表現や、低ノイズに寄与したという。

コンデンサーには、表現力向上や音場の拡大などを見込んで、独自開発したFTCAP3を使用。コンデンサ内部構造にさらなるチューニングを加えており、ホーム用据え置きオーディオ機器で培ったノウハウも投入、耐振動性を向上させた。バッテリー部分には、電源保護回路基板を低抵抗化した専用開発のパックを使用。保護回路FETをハイサイドに配置することでGNDを安定化させている。

中央より少し上の青くて四角いチップがフルデジタルアンプのS-Master HX。その上にある4つのシルバーの丸いパーツがFTCAP3

オーディオラインも最適化。WM1シリーズと同じサイズの大型コイルを、ヘッドフォンのバランス出力のLCフィルターに採用。全周波数帯域に渡って、音の解像感を向上させた。Au(金)を含有させる事で、電気特性を向上させたリフローはんだを、接合部分に採用。微細音の再現力を高めている。

基板のレイアウトも、アナログブロックへデジタルブロックの影響が及ばないように最適化。クロック部分には、小型低位相ノイズ水晶発振器を採用。WM1シリーズで使っているものよりも一回り小さいものとなっている。

このように、ZX707にはWM1AM2のパーツが多く使われており、スペック表の数値では大きな差がなくなっているが、WM1AM2は筐体がより大きく、特に基板の表裏両面に音質に起因するサイズが大きいコンデンサーを搭載し、解像度の高さや低域の力強さの面でアドバンテージがあるという。対してZX707は、スタイリッシュなサイズを維持するために基板上のパーツは片面に集中している。

継続してフルデジタルアンプのS-Master HXを搭載。新たに、入力されたすべてのPCM信号を、11.2MHz相当のDSD信号に変換する「DSDリマスタリングエンジン」を搭載。アナログに近い音でPCMデータも楽しめる。

「DSEE Ultimate」も進化。ロスレス音源にも対応し、44.1kHz/16bitの音楽を、最大192kHz/32bit相当まで拡張。表現力を向上させた。

さらに、有線イヤフォン/ヘッドフォン接続時だけでなく、LDACのワイヤレス接続時でもDSEE Ultimateが利用可能。また、どのストリーミングサービスを使って音楽を聴いている時でも、DSEE Ultimateを使えるようになった。

バッテリーの持続時間がアップ

側面音操作ボタン

バッテリー持続時間は、W.ミュージックアプリ利用時で、ZX500の20時間から、ZX707では25時間にアップ。課題とされていたW.ミュージック以外のアプリ使用時の持続時間も大幅に改善したという。

大画面化とあわせ、UIも刷新。W.ミュージックアプリでは、音楽再生画面を中心に上下左右にスライドすることで、各メニューに素早くアクセス可能。さらに、音楽再生ウィジェットがホーム画面に表示できるようになり、ジャケット写真の色味に合わせ、背景の色が自動的に変化する機能も搭載した。

再生画面/操作時に、画面下部にミニプレーヤーが表示され、その部分を左へフリックすると前の曲へ、右へフリックすると次の曲へという操作ができる。

その他のスペック

ストレージメモリは約64GBで、microSDカードスロットも装備。イヤフォン出力はステレオミニと、4.4mmのバランス出力を備える。USBポートはUSB-C(USB 3.2 Gen1対応)。360 RealityAudioにも対応する。

別売アクセサリーとして、装着したままウォークマンを操作できる本革ケース「CKL-NWZX700」を1月27日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は10,000円前後。

画面をしっかり保護できる横開き手帳型で、蓋を閉じた状態でヘッドフォン接続、サイドキー操作、充電が可能。ケースを外すことなくmicroSDカードの挿抜もできる。ストラップも付属する。

音を聴いてみる

最も気になるのが、上位モデル「WM1AM2」にどこまで近づいているか? だろう。短時間ではあるが、比較試聴してみた。

結論から言うと、NW-ZX707はZX500よりもさらにSN比が向上、本当に静かな音場から、スッと音が立ち上る様子や、その空気感が、最上位モデルに近い印象になっている。

ワイドレンジでSNが良いため、一聴しただけでは全体として「ちょっと大人しい音になったのかな?」と思うが、じっくり聴くと、細かな音の表情が見やすく、音場の奥行きも深くなっているのがわかる。

「Ado/新時代」冒頭のような、大太鼓や打ち込み音など、様々な音が乱れ飛ぶような曲も、広大な空間に1つ1つの音が細かく描写されるため、ゴチャゴチャせずに、スッキリと全体が見通せる。

こうした上位機譲りの情報量、クリアさ、高精細なサウンドを持っている一方で、低域の量感・馬力感は、少しハイエンドモデルにかなわない。ただ、かなりサウンドとしては肉薄していると言えるだろう。

音楽クーポンプレゼントキャンペーンも

ウォークマン1台の購入に対して、5,000円分の“選べる”音楽クーポンコードのプレゼントも実施する。購入対象期間は1月11日~3月22日、応募受付期間は1月27日AM10時~3月27日AM10時まで。

対象モデルは、ウォークマン新商品のNW-ZX707、NW-A300シリーズ。対象音楽クーポンは、「moraポイント5,000円分」、「Apple Gift Card5,000円分」、「GooglePlay ギフトコード5,000円分」、「HMV Gift Card5,000円分」から選べる。詳細はソニーのサイトを参照のこと。