レビュー

待望のAndroidウォークマン「ZX500」を買って良かった&気になったこと

11月に発売されたウォークマンの上位モデル「NW-ZX500」。大きく変わったのは「Android OS搭載」と、「専用端子WM-PORTからUSB Type-Cへ変更」だ。これによりストリーミング音楽がWi-Fi経由で聴けるようになり“オーディオ専用機が、スマホにかなり近づいた”ともいえる。

NW-ZX500

しばらく使ってみると、利便性だけではなく音質/機能向上の様々なノウハウが小さな筐体に詰まっていることも分かってきた。土台部分を大きく変更したことに伴い、気になってくる点もあるとはいえ、結局は使い続けたいと思わせるプレーヤーだということは実感できたので、個人的な今後の要望も含めて使用感をお伝えしたい。

ZX300からの進化に期待して購入

2017年に発売されたウォークマン「NW-ZX300」は、当時のポータブルプレーヤーとしても全体的にバランスの取れたモデルだった。有線イヤフォンは4.4mmバランス接続に対応し、ワイヤレスはLDACに加えaptX HDもサポート。重さは上位機「WM1Z」の半分以下で、ポケットに入れて持ち運びやすいスリムさがちょうど良く、愛用してきた。このZX300に続く新世代モデルとして登場したのが、今回紹介するAndroid搭載のNW-ZX500(NW-ZX507/64GBモデル)だ。価格はオープンプライスで、直販価格は8万円。カラーはブラックとシルバーがある。

本体のサイズや筐体の基本的な部分は従来機と似ているが、ZX500はAndroid搭載により内部は一新。内蔵メモリ(64GB)やmicroSDの楽曲以外に、Wi-Fi経由でストリーミングサービスの音楽も再生できるようになったのが大きな特徴だ。Androidスマホと同様に、Google Playからアプリをダウンロードできる。

Androidアプリが利用可能
様々な音楽アプリを入れて使ってみた

筆者はかつてのAndroid搭載モデルであるNW-F880シリーズ(2017年発売)やNW-F800シリーズ(2012年モデル)も愛用していた。当時Android搭載のメリットと言えば、スマホ向けのアプリが使えて、moraからの直接ダウンロードや、DLNA再生などWi-Fiを活かしたマルチメディアプレーヤー的な使い方もできた点などがあるが、あくまでメインは本体内の音楽ファイル再生。アプリで遊べるガジェット的な面白さもあったと思う。

音楽は今やCD/ダウンロードではなくストリーミングが主流となり、スマホだけで楽しむというスタイルも珍しくない。日本レコード協会による統計で、直近2019年第3四半期(7月~9月)の音楽配信売上では、ダウンロードが31%に対し、ストリーミングが67%と既に2倍以上の割合を占めている。ちなみに前年同期はストリーミングが54%でダウンロードは39%、その前の2017年はストリーミング46%に対しダウンロードが47%でわずかに上回っていた。

SpotifyやApple Musicなど、月額1,000円を切る料金でも聴き放題サービスが楽しめて、さらに9月から始まったAmazon Music HDで高音質を求める人からの注目も一気にアップ。12月提供を目指して開発中という、ソニー・ミュージックエンタテインメントの高音質配信mora qualitasのAndroidアプリ登場も待たれるところ。

Amazon Musicアプリ画面
Spotify再生画面

海外を含む他のポータブルオーディオ機器メーカーからも、アプリをインストールしてストリーミング音楽を聴けるハイレゾプレーヤーが続々と登場している中、ウォークマンも満を持してAndroid搭載&ストリーミング対応となったのは自然な流れだろう。スマホではなく専用プレーヤーを使う意味は、これらのストリーミング音楽を、より高音質で楽しめることにある。

高音質なストリーミングも始まったとはいえ、まだ楽曲/アルバムによってはCD音質や、それ以下のクオリティのものも多い。それをなるべく良い音で聴かせる技術が、長年ウォークマンを作り続けているソニーの腕の見せ所といえる。Android機だからこその楽しみ方や、音質などの特徴などについてチェックした。

本体サイズ感をキープしながら画面は拡大

本体を手に取ってみると、サイズ感はZX300を踏襲しながら、ディスプレイは3.6型/1,280×720ドットに強化(ZX300は3.1型/800×480ドット)したのが分かる。筐体底面に丸みを持ったデザインも特徴的だ。ZX300のように平らではないので立てて置くことはできないが、手にフィットしやすい形だと感じる。

新しいZX500(左)と、従来機ZX300(右)

一方、ZX300で気に入っていたサラサラの非光沢「マットガラス」の手触りは、新しいZX500では普通のスマホと同じツルツルの光沢タイプに変更された。これはGoogleのAndroid仕様に合わせたためだという。手触りはZX300の方が好きだったが、光沢タイプの方が、映像再生時に黒が締まって見えるのは良い所だ。

底面(左がZX500)。Dockコネクタはなくなったがストラップホールは引き続き備える
ディスプレイ表面の仕上げは変更されて光沢タイプに(左がZX500)

側面の再生/一時停止や音量などハードウェアのボタンは引き続き備えているので、ポケットに入れたままでも手探りで操作できる点は変わらず安心。画面を見なくても使いやすいのはスマホよりも良い。また、細かな変更としてはmicroSDカードスロットがプッシュ式ではなくトレイ収納に変更された。microSDはそれほど頻繁に交換するものではないが、不意に飛び出て落としてしまうリスクは以前より減るだろう。

側面。microSDはトレイ式に

ネット接続はWi-Fi(IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応、2.4GHz/5GHz)で、SIMカードでの通信はできない。Amazon Music HDなどの楽曲ダウンロードを含め、アプリやダウンロードしたい楽曲は使っていくとどんどん増えていくため、microSDカードはあらかじめ大容量の製品を選んでおきたい。

上記以外に、スマホとの違いはカメラやスピーカーを内蔵しない点。音楽やradikoなどを部屋でBGMのように流しっぱなしで聴きたい場合は、別売のBluetoothスピーカーなどと組み合わせてもよさそうだ。

ローカルもストリーミングもバランス接続でいい音に

ソニーは、同じくAndroid搭載ウォークマンとして手ごろな価格の「NW-A100シリーズ」(オープンプライス/直販32,000円~)も発売している。このA100と比べたZX500の大きな優位点が、ヘッドフォンの「4.4mmバランス接続」への対応だ。

ステレオミニ(右)と4.4mmバランス(左)の両方を備える

また、より良い音で聴きたい人にとって、Android搭載で懸念される点の一つは、同OSやアプリの仕組み(サンプリングレート変換など)により音質が悪い方に制限されること。様々なオーディオメーカーがAndroid採用に伴い取り組んでいるが、ソニーの大きな武器は音質補正技術の「DSEE HX」だ。この機能はA100にも搭載されている。

DSEE HXという機能名はZX300や、ヘッドフォンを含む多くのソニー製品に搭載されているので知っている人もいると思うが、実は中身が進化している。AI技術を搭載し、ディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)により、再生中の曲のタイプをリアルタイムで解析して自動的に最適なアップスケーリングを行なうとのことだ。

DNNの構築には大量の音源を用いた学習と、その評価が重要となるが、それを実現したのも、音楽レーベルを擁するソニーグループならでは。この機能がストリーミング音楽にも適用できることが新しいウォークマンの大きな差別化ポイントでもある。

さらに、通常のAndroidスマホとは異なるボリュームの仕組みを採用。設定画面の「メディアの音量」だけではなく、再生アプリの「Master Volume」との掛け合わせで音量を決定。Master Volumeは120段階の細かな音量調整ができる。

今回は4.4mmバランス接続に、ソニーの新スタジオモニターヘッドフォン「MDR-M1ST」と、KIMBER KABLEコラボの4.4mm 5極バランスケーブル「MUC-M12SB1」を組み合わせて使用した。MDR-M1STは“バランス対応”と明示していないが、藤本健氏の記事で開発者が明かしているように、実はケーブルを替えるとバランス接続もできるのが特徴だ。

ヘッドフォン「MDR-M1ST」と4.4mm 5極バランスケーブル「MUC-M12SB1」で接続

ステレオミニのアンバランス出力も備えているので、ダウンロード済みのハイレゾ曲をバランスとアンバランスで比べながら聴いた。まずはDSEE HXを使わない「ソースダイレクト」の状態。スティングのセルフカバーアルバム「My Songs」から「Englishman in New York」を再生。イントロの部分から全く印象が違い、広大な音場の中でも個々の音がぼやけず力強い輪郭で表現されており、確実に4.4mmバランスの方が満足度が高い。バランスからアンバランスに戻すと、音がやや平坦に感じられるほどだ。

アニメ「ゾンビランドサガ」のフランシュシュが歌うオープニング曲「徒花ネクロマンシー」は、特撮ソング風の熱いメロディを、バランス接続時は特に立体的な音で楽しめる。メンバーの歌声が重なるサビ部分の厚みもしっかり再現されていて、高揚感が一段と増す。バランス接続ヘッドフォンも用意すれば、ZX500の能力をフル活用して良い音で聴けるのが分かる。

次は、ZX500から利用可能になったストリーミング曲もチェック。ハイレゾ相当の「Ultra HD」やCD相当「HD」曲が楽しめるAmazon Music HDを中心に聴いた。

アプリ画面を見ると、元の音源が96kHzや192kHzであっても、「端末の性能」という画面では48kHz/24bitと表示されている。ストリーミングではなく、本体ストレージやmicroSDなどに転送済みのファイルをW.ミュージックで再生した時はFLACで384kHzまでサポートしているのに対し、Amazon Musicアプリの場合は変換再生になるようだ。

192kHz音源も、48kHzにダウンコンバートされた

それでも、ZX500が多くのスマホに比べて優位なのは、新たに採用された音質調整アプリを使える点。このアプリは、ZX300などの音質調整の部分を独立してアプリ化したようなもので、項目はほぼ踏襲。前述のDSEE HXによる音質補間ができる。DSEE HXのON/OFFで比べてみると、Ultra HDの曲であっても、DSEE HXをONにした方が、音場が広がりながら、全体の情報量がグッとアップして厚みが増した印象に変わる。ジャンルを問わず、ONにした方が音の満足度は高い。

その他にも、このアプリではアナログレコード特有の音を再現するという「バイナルプロセッサー」や、アナログアンプの位相特性をDSP演算によって再現するという「DCフェーズリニアライザー」などの機能が利用できる。

音質設定アプリ
ステレオミニ/4.4mm端子それぞれでハイゲインの設定も可能

一つ気になったのは、Amazon MusicでHDやUltra HDなど音質に関係なく、ストリーミングが一瞬途切れる場面が数曲に1回のペースで発生したこと。キャッシュのクリアなども試したが、完全には解消できなかった。同じWi-Fiネットワーク下でもパソコンでは途切れなかったため、アプリの問題かもしれない。現状としては、外出先での通信量を抑えるためにも、お気に入りの曲はあらかじめダウンロードしてしまうのが無難なようだ。

Ultra HD楽曲も続々と追加されているとはいえ、CD相当のHDや、SDの楽曲もかなり多いのが現状のため、DSEE HXが使える意義は大きい。また、ハイレゾ音質を常にストリーミングで聴き続けるとパケットの消費も多くなる。元の音質に関わらず、バランス接続やDSEE HXなどを活用してなるべく高音質で聴けるのはウォークマンのメリットだ。

ワイヤレスの利便性と、音質設定の制限

Bluetoothヘッドフォン接続時のコーデックは、LDACやaptX HD、AACなどもサポートしているため、ワイヤレスでも高品質で伝送できるのは従来と変わらない。設定画面に「ワイヤレス再生品質」という項目があり、「LDAC音質優先」や、「aptX HD」、「SBC接続優先」などが用意され、周囲の環境に合わせて選べる。

ワイヤレス品質設定

なお、細かい点ではあるが、Bluetooth接続した際のコーデックが、従来のZX300などでは「LDACで接続しました」などと明示されていたが、ZX500では多くのAndroidスマホと同様に、どのコーデックでつないでいるかは表示されなくなったという違いはある。

もし、使うヘッドフォン/イヤフォンがワイヤレスのみであれば、前述したボリュームの細かい調整機能やDSEE HXなどの、音質設定アプリが使えないことは注意しておきたい。

Bluetooth接続中に、ソニーの音質設定アプリを開いても「Bluetoothオーディオ出力中は、音質設定が無効になります」と表示される。また、ボリュームの増減もAndroid上での調整なので、音量ボタンで1回上下したときの変化の幅は大きく、曲によってはちょうどいいボリュームに合わせづらかった。この辺りは多くのAndroidスマホを使う時の感覚に近い。

Androidアプリが利用可能

ついにUSB-C採用。使い方に変化も

従来機からの、もう一つの大きな変更点はUSB Type-C(USB-C)の採用。これまでのWM-PORTは充電や楽曲転送に専用ケーブルが必要なため、外出時にケーブルを忘れて困ったこともあったが、USB-Cであれば他の機器とも共用できて安心だ。

USB Type-C端子を側面に装備

「独自端子ではなくUSB-Cに変更して欲しい」という要望は周囲からもよく聞こえてきた話であり、変更自体は歓迎したい。ただ、既にWM-PORT接続の外部機器を持っている人はそれが使えなくなるという側面も当然ある。

筆者が愛用しているハイレゾ出力対応クレードル「BCR-NWH10」もその一つ。ウォークマンの充電や、パソコンからの楽曲転送、USB DACなどへのデジタル出力というシンプルな機能の製品で、ウォークマンの家での定位置として気に入っていたのでレビューも書いたが、これがZX500だと使えなくなる。ZX500のUSB-C端子は底面ではなく側面にあるので、横置きで装着するようなクレードルが果たして製品化されるのか……と考えると望み薄な気もするが、もし製品化されたらすぐに買いたい。

ZX300で使っていたハイレゾ出力対応クレードル「BCR-NWH10」は端子変更により使えなくなった

一方で、USB OTGケーブルを用意すれば、USB DACなどへのオーディオ出力もできた。ZX500本体やストリーミングの楽曲をUSB DAC経由で手持ちのスピーカーから聴く、つまりウォークマンを据え置きのネットワークオーディオプレーヤーのように使うスタイルだ。

今回はティアックのUSB DAC「UD-301」に接続。このモデルはDSD 5.6MHzや32bit/192kHz PCMに対応しているが、最初にウォークマン公式のW.ミュージックで再生した際は、元の音源のままでは入力されていなかった。例えば48kHz/24bitや、44.1kHz/16bitの音源も、UD-301側のLED表示では96kHz/24bitが入力されている表示になった。また、DSDの場合は「再生できません」と表示。

USB-OTGケーブル経由でUD-301に接続した際。標準のW.ミュージックでDSDは再生できなかった
FLACなどは一律で96kHzに変換されているようだ

初期設定で、DSDのUSB出力が「オート」になっていたためかと思って、再生アプリのDSD設定で「DoP」に切り替えてみたが、結果は変わらず。Androidの仕様か、USB DACとの相性など原因は明確ではないが、せっかくデジタル出力できるなら、変換せず元の品質のままで聴ける方がいい。

もちろん、ソニー製USB DACとの組み合わせではないのでサポート外の使い方ではあるが、全モデルZX300の時は、UD-301でもDSD含め元の品質でデジタル接続できていただけに、筆者にはちょっと残念な部分だった。

W.ミュージックの設定でUSB出力をDoPに変えてもDSD再生はできなかった

そこで、プリインストールのW.ミュージックではなく、USB DACのメーカーに合わせてアプリも「TEAC HR PLAYER」(1,000円でフル機能をアンロック済み)を使ってDSDを出力。するとDSD 2.8MHzのファイルなどもUD-301側で同スペックで再生できたほか、FLACなども元のサンプリングレート/量子化ビット数で入力できた。外部機器との接続時は、必要に応じて他社アプリを使うのも一つの手だ。

TEAC HR PLAYERを使うと元の品質のままでデジタル出力/再生できた

そのほか、ZX300との細かい違いを挙げると、ウォークマンをパソコンなどの外付けUSB DACとして使う機能や、他のプレーヤー/スマホからワイヤレスで受信するBluetoothレシーバー機能は省かれた。個人的にはZX300でほとんど使っていなかった機能だが、これまで使っていたという人は注意してほしい。

もう一つ、バッテリーの持ち時間についてもZX300に比べると短い点は気を付けたい。MP3 128kbps再生の場合、ZX300はステレオミニ接続で約30時間に対し、ZX500は約20時間。FLAC 192kHz/24bitのバランス接続は、ZX300が約20時間、ZX500が約15時間。はDSD 2.8MHzのバランス接続はZX300が約13時間、ZX500は約9時間。

ZX300と違って、複数のアプリを立ち上げたままにすることも多いZX500は、体感では上記の時間よりも短く感じる。通勤だけなら1日でバッテリー切れになることはないと思うが、基本的には、スマホのようにほぼ毎日充電しているのが現状だ。

バッテリー切れをなるべく防ぐためにも、Androidの設定でバッテリーセーバー機能を活用するのが安心。以前の橋爪徹氏のA100レビューでも紹介した通り、ソニーのサポートページで「ストリーミングWALKMANの電池を長持ちさせるコツ」という解説もあり、位置情報や音質設定のオフなどについて方法が書かれているので参考にするといいだろう。

Androidの設定でバッテリーセーバーを利用可能

PCアプリMusic Center for PCの使い勝手は……

これまで説明してきた通り、新ウォークマンの最大の魅力は、ストリーミングへの対応であり、パソコンに縛られない利便性と、高音質の両立だ。ただ、今もCDだけでリリースされる作品を買うことが多かったり、過去の楽曲を大量に持っていて、どうしてもパソコンを使う必要がある人も多いはず。そんなユーザー向けのPCアプリが「Music Center for PC」だ。

Music Center for PC。画面のベース色を変更できるようになった

現在はサポート外となったMedia Goなど他のソフトと比べて、操作のレスポンスは重めではあるが、これまで地道にアップデートを重ねて現在はVer.2.2.0まで進化した。なお、新ウォークマンのNW-ZX500やNW-A100を認識するには2.2.0が必須のため、使う前にアップデートしておきたい。

2.2.0では、画面の色を従来のホワイトだけでなく、ブラック、レッド、ブルー、グリーンから選んで指定できるようになったほか、ATRAC楽曲をAACまたはFLACに一括変換する機能、マイライブラリー内の曲をFLAC形式で保存する機能、マウスホイールで音量調整する機能が加わっている。ただ、メニューなどをクリックした際の反応や、ライブラリーに楽曲を追加したときの反映などは、今もあまり早いとは言えない。豊富な機能と軽快さの両方を求めるのは欲張りかもしれないが、今後も改善は続けて欲しい。

気になる点はあるが、使い続けたい

Amazon Music HDを使うようになってからは、学生だった頃にCDやMDで聴きまくっていた曲などを、急に聴きたくなって再生する機会がとても増えた。一度聴き始めると、関連するアーティストやジャンルなどが色々気になって、あっという間に時間が過ぎることも多い。音質や使い勝手など改善への期待も含めて、今後も使い続けたいと思えるサービスだ。

そんな中、ついにストリーミング対応ウォークマンが登場したのはとてもいいタイミングだと思える。ワイヤレスで聴く時の制限など気になるポイントもいくつかあったが、バランス接続の音質面含めてZX300の良さを全体的に引き継ぎつつ、利用の幅が広がったことは、価格から見ても満足度は高く、ZX300から移行して良かったと実感している。なお、ソニーストアでは、月額3,600円~の分割払いや、25カ月後に返却または買取(15,000円支払い)から選べる残価設定クレジット(月額3,000円)も用意されている

一般的に言えば、サブスク音楽を聴く時の手段はスマホだと思うが、そこから一歩進んで、好きなアーティストの曲をできるだけいい音で楽しむ手段として「Android搭載オーディオプレーヤー」が他メーカーを含め充実してきた。

ワイヤレスで聴くのが中心の人なら、コンパクトさも考慮して、同じくAndroidウォークマンのNW-A100シリーズを選ぶのもいいかもしれない。

一方で、バランス接続の高音質も味わいながら、ワイヤレスの利便性も両方楽しみたいなら、ZX500は有力なモデル。Amazon Musicアプリの改善や、登場が待たれるmora qualitasアプリなどとの連携にも期待しながら、使い続けたいと思っている。

中林暁