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Brise Audio次世代ポタアン「WATATSUMI」、新ブランドで19800円のケーブル。B&W「Px7 S3」も

Brise Audio次世代リファレンスポータブルアンプ「WATATSUMI」

フジヤエービック主催「春のヘッドフォン祭 2025」が26日に「ステーションコンファレンス東京」で開催されている。入場者登録不要・入場は無料。多数の企業などが新製品や開発中製品の参考出品を行なっている。ここでは、Brise Audioやデノン、Bowers&Wilkinsのブースをレポートする。

Brise Audio

Brise Audioブースの注目は、次世代リファレンスポータブルアンプ「WATATSUMI」だ。価格はオープンで、実売は税込68万円。既に受注を開始しており。出荷は6月中旬頃の予定。

2024年に“究極のポータブルオーディオシステム”として発表された、アンプとイヤフォンがセットになった250万円の「FUGAKU」。そのアンプ部分の開発で培った技術を多数投入し、次世代に進化したポータブルアンプが「WATATSUMI」となる。

純粋なアナログ・バランス入出力のポータブルアンプで、アンバランスの入力信号に対してもバランスで出力する。

「WATATSUMI」の内部基板も見えるようになっている

最大導体量の純銀線を内部にふんだんに使っているほか、FUGAKUで得られた回路技術(BIS2.0、BOS1.5、BPS1.5)も投入。既存の「TSURANAGI-V2」比で16Ω時の最大出力を約3倍の2000mW + 2000mWに向上、THD+Nは1/3に低減、残留ノイズを1/2に低減と、スペック的に大きく進化している。

そのこだわりや、サウンドについての詳細は以下の記事にまとめている。

さらにブースでは、Brise Audioの新たなブランド「BriseWorks」も発表。その第一弾ケーブル「MIKAGE」も初展示された。このケーブルは19,800円と、Brise Audioブランドのケーブルと比べると、手に届きやすい価格になっているのが特徴。

BriseWorksのロゴマーク

Brise Audioでは、豊富な対応機器の実現と、複雑な高音質化加工を行なうために受注生産方式を採用しているため、受注から納品までには時間がかかっている。

そこで、新たな取り組として、受注生産ではなく、人気の高い端子の組み合わせに絞って事前に生産した即納ケーブル「MIKAGE」を開発。これを販売店でストックしてもらうことで、お店ですぐに購入して持ち帰れると共に、手に届きやすい価格も実現している。

BriseWorksの即納ケーブル「MIKAGE」

「音の輪郭がはっきりとして聴きやすく、ジャンルや接続機器を選ばない音質傾向」が特徴というケーブルで、種類としては、イヤフォン側が2ピンと、MMCX。MMCXは、ゼンハイザーIE900などにも対応できるもの。入力プラグはどちらも4.4mm L字型プラグとなる。

イヤフォン側が2ピンと、MMCXの2モデルを用意。入力プラグはどちらも4.4mm L字型プラグ

低価格なモデルだが、素材にはこだわっており、導体はBrise Audioのケーブルでも使用しており、音質に定評のある高機能高純度銅導体を採用。導体構造はSTR7シリーズで実績のある独自構造「Spiral77」を採用。ケーブル被覆:柔軟性が高く、AKAGANEやSHIROGANE などでも定評のある特殊高機能樹脂を採用。

高音質化加工として、CNTを用いた音質調整をプラグ内部に適用。外観パーツには、質感の高いブロンズカラーの新規設計アルミニウムパーツを使っている。

「OROCHI-MINI Ultimate」

さらに、Brise Audioの新製品として「OROCHI-MINI Ultimate」を参考展示。新開発の素材を使ったミニミニケーブルで、従来から特に低域の量感、質ともに大幅に向上した線材を使用。端子も新開発のものにバージョンアップし、根本に段差があるものとなり、DAPやポータブルアンプとよりしっかりと接続しやすくなっている。

高音質化加工では、新規に開発した素材を採用し、大幅なブレイクスルーを果たしたという。音質傾向は「低域から高域までレンジが広く、音の強弱の表現も向上。静寂感も増している」そうだ。

また、昨今はBluetoothヘッドフォンにおいて、USB-CケーブルでPCやスマートフォンとデジタル接続し、ロスレスの高音質が楽しめる製品が登場しているが、そうしたヘッドフォン向けに、USB-Cのケーブルも開発中だ

ワイヤレスヘッドフォン向けのUSB-Cケーブル

Bowers & Wilkins、デノン

Px7 S3

Bowers & Wilkinsのブースでは、発表・発売されたばかりの新Bluetoothヘッドフォン「Px7 S3」(68,200円)を体験できる。

前モデル「Px7 S2e」から、ハウジング部分が薄くなり、スタイリッシュなデザインに進化しつつ、音質も進化しているのが特徴。振動板にバイオセルロースを使っているところは従来モデルと同じだが、それ以外は全て刷新。

また、一般的なBluetoothヘッドフォンでは、Bluetoothチップに内蔵されたDSPやアンプを使うが、Px7 S3はそれとは別にハイパフォーマンスなDSP、DAC、アンプを搭載し、音質を追求。

Bluetoothのコーデックは、aptX Losslessに対応するほか、最大96kHz/24bitの再生に対応するaptX Adaptiveにも対応する。

デノンブースでは、完全ワイヤレスイヤフォンの新モデル「AH-C840NCW」(実売19,000円前後)と「AH-C500W」(同15,000円前後)が注目を集めている。

オープンイヤー型のAH-C500W

搭載しているドライバーユニットは同じだが、形状が異なり、AH-C840NCWはカナル型、AH-C500Wはオープンイヤー型。カナル型にはアクティブノイズキャンセリング機能を備えているが、オープンのAH-C500Wには非搭載となっている。

搭載するドライバーは、12mmのバイオセルロース・ドライバー。デノンの有線接続・最上位ヘッドフォン「AH-D9200」に使われている技術を、そのまま小さなイヤフォンに落とし込んだ。さらに、デノンの全製品のサウンドを監修する、“音の門番”的な存在のサウンドマスター・山内慎一氏がチューニングしているのも、2イヤフォンに共通する特徴。