ミニレビュー
いまさら聞けない?“Clubhouse”の魅力。誰でもコミュニティラジオ気分
2021年2月16日 08:00
ようこそClubhouseへ!
「Clubhouse」は、米Alpha Explorationという極々小さなベンチャーが始めた音声SNSだ。AppStoreの説明によれば“Drop-in audio chat”、つまり「ふらりと立ち寄れる音声チャット」。しかし、現状はそんなものではなく、米国を始め各国、そして日本でも「しゃべり好き」「コミュニケーション好き」たちを熱狂させる音声SNSとなっている。
現状ではiPhone(iOS 13以上)専用で、かつ、入会するには「既に入会している人からの招待」が必要という、利用には少しだけ高い壁がある。が、2021年2月10日現在、既に入会者で招待状が余っている人が多いようなので、既会員さえ見つかれば入れる可能性は高いのではないかと思う。
会話という体験を共有するメディア
Clubhouseは、簡単に言うと、“人との会話や音を共有するSNS”だ。
フォロー・フォロワーといった「つながり」のある人同士で会話を楽しめる。また、その会話はラジオ放送のようにインターネット上で流すことができるので、興味ある人はその会話を聞くことができる。さらには「会話の主」(moderatorと言われる)が許せば会話に入ってもらうことも可能だ。
さながら、インターネットのコミュニティラジオが誰でも気軽に作れるように、しかも高音質で世界中に流せるようになったようなものなのだ。
なお、会話はリアルタイム配信だが、スケジュールでいつどんなテーマで行なうか予告しておくことも可能。リスナーからは「番組表」のように見えるというわけだ。
外部サイトだが、「人気ルーム」のランキングサイトなども最近ではできている。
ここを一通り見れば、自分の聴きたいテーマのルームが何日の何時ごろ行われるか把握できるだろう。
アプリのバックグラウンド再生(ながら再生)できる
Clubhouseアプリは、他のアプリが動いている裏で、バックグラウンド再生ができる点も特徴。つまり、ラジオのように、他のことをiPhoneで作業しながら音だけ聞くということが可能なわけだ。
画面を見ていなくても、通勤通学やなにか単純作業中など、BGM的に流しておくこともできる。(ただ、聞いているだけのときに突然スピーカーに上げられたりすると困るので、何らかの形で意思表明しておいた方がいいかもしれない)
著名人の対話や配信を聴ける
Clubhouseでの会話に「聴衆」、つまり聞く側の人として参加するのは基本的に自由。だから、著名人が会話しているところも生で聞けてしまう! そんな貴重な体験ができてしまうのもClubhouseの醍醐味だ。
ちなみに、現在、2021年2月7日現在で、一部のマニアだけではなく、結構、いわゆる情報リテラシー的には「一般」と思われる人もよく見かける。
たとえばいわゆる「芸能人」と呼ばれる人達もよく見かけて、小島瑠璃子さんがAIについて人工知能の第一人者に聞いてみたり、メンタリストDaigoさんが配信をしていて満員の5千人の聴衆を集めて入れなかったり、あの特長的な声で面白い話を安田大サーカスクロちゃんがしていたりとかもしている。
(ただし、ここで「話されたことは、参加者全員が同意していない限り「他言無用」「録音なども禁止」というルールになっているのでご注意を)
筆者が面白いと思ったのは、少し前に行われていた「ランナー全員大合唱やる! @clubhouse」だ。これは、爆風スランプの「サンプラザ中野くん」が主導して行なっていたもので、Clubhouse内で非常に多人数(確か300人超)がスピーカーとなり、一斉に爆風スランプjの代表曲「Runner」を歌うというものだ。
当然のように回線の遅延等もありキレイな大合唱にはならず、ギター音が鳴ってから最後にその音の声が聞こえるまで1秒近く遅れて聞こえたりしたのだが、それはそれで趣があって楽しいモノだ。
なお、2月10日現在は「サンプラザ中野くん」たちが行なっているのは、「clubhouseの歌 100人合唱」で、これは、twitter等で公開している作詞サンプラザ中野くんの「clubhouseの歌」を聞きながら自分の声のみを送り、向こうで一人分ずつミキシングを行ない、100人分の合唱曲を作ろうという試みだ。
筆者はいの一番に音声を送ったので、「一番に送ってくれた人」ということで名前を読み上げていただいたのだが、こういった有名人がまだ、手に届く範囲にいるというのもClubhouseの魅力なのかもしれない。
運営を行なっているAlpha Explorationによれば、今後Android版の開発や、いずれは招待なしでの入会も可能にしていきたいという。現在でもこれだけ楽しいClubhouse、さらに会員が増えることになれば……これからの盛り上がりはさらに楽しみだ。