ミニレビュー
さようならLightning。USB-CになったAirPods Pro充電ケースを買った
2023年12月21日 08:30
アップルストアで販売がスタートした、充電端子にUSB-Cを採用したAirPods Pro(第2世代)用の充電ケース。早速購入し、製品が届いたので、実物の写真を交えつつ、iPhoneとのペアリング方法などをレポートする。
購入した「AirPods Pro(第2世代)MagSafe充電ケース(USB-C)」は、その名のとおり、ケースの充電ポートに従来のLightningではなく、より一般的なUSB-Cを採用したモデル。イヤフォンは付属していないので、すでにAirPods Pro(第2世代)を所有している人に向けた製品となる。価格は15,800円。
USB-C充電ケース自体は、2023年9月に発売された「MagSafe充電ケース(USB-C)付きAirPods Pro(第2世代)」で採用されているが、これまでケース単体では販売されておらず、すでにLightning充電ケース付きモデルを持っている人がUSB-C充電ケースに乗り換えたい場合、イヤフォンごと買い替えるしかなく、不満に感じていた人もいるだろう。
また2023年モデルからは、iPhoneでもUSB-Cが採用されたため、「AirPods Pro(第2世代)のせいでLightningケーブルを持ち歩かなくてはいけない、処分できない」と悩まされていた人にとっては、今回のケース単体販売は嬉しい知らせだったはずだ。
筆者の場合、iPhone 15シリーズには乗り換えておらず、今もLightning端子のiPhone 13 Proを使っているので、AirPodsだけUSB-Cになっても、そこまで恩恵はないのだが、iPhone買い替えで“脱Lightning”ができれば、AirPodsケースもいずれ買い替える必要が出てくるはず……と12月14日にオンラインで注文した。その際、出荷日は2~3週間と案内されていたが、翌15日には出荷完了の知らせが届き、16日には配送された。
製品には充電ケースのほか、説明書とUSB-C to USB-Cの充電ケーブルが同梱されている。ケーブルは布巻きで、長さは手元で測ってみたところ約1mだった。
充電ケースの外観はLightningモデルとほぼ変わっておらず、本体側面にストラップホール、底部にスピーカーを備えている。外観上の違いは充電端子部のみで、中央に接点があるのがUSB-Cモデル、接点のないものがLightningモデルとなる。またUSB-C充電ケースのほうはIP54の防塵・耐汗耐水仕様となっている。
AirPods Pro(第2世代)/iPhoneとのペアリング方法は、まずはAirPods Pro(第2世代)を従来のケースに入れ、ふたを開けたままケース背面のボタンを約15秒押してリセット。その後、新しいケースにAirPods Pro(第2世代)を入れて、iPhone/iPadとペアリングするだけと、かなりシンプルだった。
ただ筆者の環境では、従来のLightningケースとのペアリング情報が残っているのか、ケースの充電が残り少ないことを知らせるポップアップが、iPhoneやiPadに時おり表示されるという事象が起きたが、実際の運用には特に影響はなかった。もともと充電ケースのバッテリー残量が少なかったため、バッテリーが切れたのか、ポップアップ自体も1~2日経ったら表示されなくなった。
充電端子がLightningからUSB-Cに変わっただけで15,800円はかなり割高感が強いが、iPad Proやデジタルカメラ、アップル製ではない完全ワイヤレスイヤフォンなどの充電用としてデスクに複数本常備しているUSB-Cケーブルで充電できるのは、物理的にも精神的にも楽。「これでiPhoneもUSB-Cになれば完璧か……」と要らぬ物欲さえも湧き出てしまう。
ちなみに、USB-C充電ケースは従来モデルと同じく、MagSafeやApple Watch充電器、Qi規格充電器を使ったワイヤレス充電も可能だ。
なお、9月に発売されたUSB-C充電ケース同梱のAirPods Pro(第2世代)では、“空間コンピュータ”「Apple Vision Pro」との接続時に、低レイテンシのロスレスオーディオが使えるようになっているが、「AirPods Pro(第2世代)の製品機能は、出荷時にイヤーバッドと同梱されていた充電ケースによって決定され、充電ケースの変更による影響を受けない」と案内されているように、充電ケースを買い替えただけで手持ちのAirPods Pro(第2世代)の性能がアップするわけではないので、その点はご注意を。
ひとつ気になったのは、これまで使ってきたLightningケースの使い道。あまり現実的ではないが、例えば外出時にUSB-CケースとLightningケースの両方を持ち歩いて、USB-Cケースの充電がなくなってしまった場合にLightningケースに切り替えてイヤフォンを充電する、といった使い方ができないかと考えたのだが、AirPodsをリセットせずにUSB-CケースからLightningケースに移すと「AirPods Proの不一致 この充電ケースはほかの人のものです」という警告が出てしまい、使えなかった。
ケースを切り替えるたびにペアリングし直せば警告は出ないが、さすがに現実的ではない。せっかく端子がUSB-Cになったのだし、やはりモバイルバッテリーを持ち歩いて充電するほうがシンプルかつスマートなので、Lightning充電ケースは保管、または処分するしかなさそうだ。
処分方法としては、充電ケースにはリチウムイオンバッテリーが使われているため、家庭ごみとして廃棄することはできない。アップルでは、アップルストアやオンラインでリサイクルを受け付けているほか、JBRCに加盟しているので、協力店・協力自治体に持ち込めば回収・リサイクルができるので、そちらを活用すればいい。