レビュー

まさに“これからのDAP”、超弩級パワーが手のひらに「KANN MAX」

Astell&Kernの「KANN MAX」

最近“ポータブルオーディオプレーヤーに求めること”が変わってきた。以前は“とにかく高音質な事”や“使ってるイヤフォン/ヘッドフォンに対応するバランス出力端子がある事”なんかを重視していたのだが、最近は「駆動力がもの凄く高いDAP」にばかり注目するようになった。私と同じような人、多いのではないだろうか。

「DAPが進化して、どの機種も一定以上の高音質になり、出力端子も充実したから」というのもある。だが、最も大きな理由は“完全ワイヤレスイヤフォン(TWS)と“定額制音楽配信サービスが出現したから”だ。TWSは、有線イヤフォンより音質は落ちるが、とにかく便利で使いやすい。音楽配信もスマホで便利に聴けるので、TWS+スマホの組み合わせが快適で、DAP+有線イヤフォン&ヘッドフォンの出番が減りがちなのだ。

だが、TWSに慣れた後でDAP+有線イヤフォンを聴くと、音の良さを改めて痛感する。特に低音のクオリティは、有線に大きなアドバンテージがある。TWSもかなり高音質化しているが、強力な電源部とアンプを搭載したDAPで、音の良いイヤフォン/ヘッドフォンをパワフルに駆動すると、「このまま永遠に聴いていたい」と思うほど魅力的な音がするのだ。

“スマホとDAPの2台持ち”をするのであれば、スマホじゃ逆立ちしてもかなわない特徴をDAPが備えていなければならない。私の中でその特徴こそが、「もの凄い駆動力」というわけだ。

前置きが長くなったが、そんな私の想いを完璧に受け止めてくれるようなDAPが登場した。Astell&Kernの「KANN MAX」(実売199,980円前後)だ。

KANN MAX最大の特徴は“小さくて軽い”こと

ポータブルオーディオファン歴が長い読者は、「ああ、KANNね」とすぐにわかるだろう。それだけこのシリーズは特徴的であり、印象に残る。

初代のKANN

初代「KANN」が登場したのは2017年。通常のDAPとはまったく別のシリーズとして、「ONE PLAYER TO RULE THEM ALL(1台のプレーヤーで全てを支配する)」をコンセプトに誕生した。つまり、外部アンプを接続したり、あれこれとやらなくても「1台でなんとかしてやる、全部俺にまかせとけ」的なプレーヤーとして誕生したのだ。ちなみに、日本のポータブルオーディオファンの意見を多く取り入れ、日本市場向けに作られたもので、それを他国でも売る事になり、結果的に世界的に人気のシリーズになったという経緯もある。

シリーズの各モデルで特徴は異なるのだが、ザックリ言えば「DAPとは思えないほど巨大」、「そんな端子まで搭載するのかというほど充実した出力端子」、「ポータブルとは思えない駆動力のアンプ」、「ライブラリを全部持って歩けるほどの大容量内蔵ストレージとメモリーカードスロット」などがKANNシリーズの特徴だ。

中でも印象深いのは、2019年「KANN CUBE」だろう。いちおう“ポータブル”とカテゴライズされているが、実物を目にすると「え? 小さな弁当箱!?」くらいのサイズ感で、ミニXLR出力まで搭載。重量も493gとヘビー級で、圧倒的な存在感を放っていた。

KANN CUBE

こうしたKANNシリーズ、実際にメインプレーヤーとして使った事もあるのだが、“持ち運びの大変さ”を除けば、圧倒的な駆動力や豊富な端子、安心感のある大容量ストレージと、まさに“頼りがいのある相棒”という感じだった。

しかし、流石に大きくて重いと「今日は持っていなくていいかな」という日が増え、「喫茶店で少し仕事をする時に持っていくDAP」とか「音がなる機械が無い寝室に持ち込んで、寝る前にヘッドフォンで音楽を聴いてリラックスする」みたいな使い方がメインになっていった……。

そこに登場したのが、シリーズ第4弾の「KANN MAX」。実物を目にすると、細かいスペック以前に、「え! これがKANN!?」と衝撃を受ける。外形寸法は117×68.3×23.6mm(縦×横×厚さ)、重量は約305gと、KANNシリーズなのに大きくも、重くもないのだ。「KANNが普通のDAPみたいなサイズになってる!!」まずここが、KANN MAX最大の特徴だ。

超スペックを手のひらサイズに

KANN MAX開発のスローガンは、「Engineered to Powerful Perfection」。これまでのシリーズの長所を活かしつつ、小型・軽量化も実現し「ポータビリティーも追求した」とのこと。

確かに、実物を手にすると、従来シリーズは「巨大なカタマリをつかむ」感覚だったが、KANN MAXは普通のDAPのように“手のひらに乗せる”感覚で、圧倒的に持ちやすい。筐体の大きさもそうだが、厚みが減った事が大きい。右手で持ったまま、親指でディスプレイにタッチする時も、操作に無理がなく、使いやすい。

とはいえ、重量は約305gなので、一般的なDAPと比べるとズシッと重さがある。ただ、従来シリーズのように「KANNのためにバッグを持っていかなくちゃ」とまではならず、KANN MAX程度のサイズ感と重さであれば「ズボンのポケットに入れて出かけよう」という気持ちになる。これは大きな進化であり、KANN MAX最大の利点と言っていいだろう。

KANN MAXの背面

Astell&Kernによれば、“コンパクトに見えるデザイン”にもこだわったそうで、「従来のKANNシリーズのイメージはオフロードカーのような重厚で力強いもの」としつつ、「KANNのアイデンティティを継承しつつ、高性能スポーツカーのように薄型でハイパワーな性能を誇りたいという思いからデザインした」とのこと。

一方で、「コンパクトになった反面、中身も普通のDAPみたいなスペックになったのでは?」と心配する人もいるだろう。その心配は無用だ。それどころか、さらに“尖った”プレーヤーに進化している。

最もわかりやすいのは出力だ。パワフルなDAPには、接続するヘッドフォンの能率に合わせてゲインを「Low/High」で切り替えできる機種が存在するが、KANN MAXはなんとLow/Mid/High/Superの4段階で切り替えできる。AK製品としては、据え置き型ヘッドフォンアンプの「ACRO CA1000」にしか搭載していない4段階ゲイン調整を実現しており、まさに“持ち歩ける据え置きヘッドフォンアンプ”というパワフルさだ。

ゲインはLow/Mid/High/Superの4段階で切り替えできる

出力端子は、3.5mm 3極アンバランス(光デジタル出力兼用)、2.5mm 4極バランス、4.4mm 5極バランス(GND接続あり)を搭載。各出力のアウトプットレベルは以下の通りだが、バランス接続時に最大で15Vrmsと、本当にポータブルとは思えない超高出力を、ポータブルで実現している。これならば、低能率な大型ヘッドフォン相手でも問題無さそうだ。

出力端子部
  • Low:アンバランス 2Vrms / バランス 4Vrms (無負荷)
  • Mid:アンバランス 4Vrms / バランス 8Vrms (無負荷)
  • High:アンバランス 6Vrms / バランス 12Vrms (無負荷)
  • Super:アンバランス 8Vrms / バランス 15Vrms (無負荷)

心配になるのは、「高出力だとバッテリーの持ちが悪いのではないか?」という点だが、KANN MAXの開発では電源関連部品をすべて解析し、電源回路を何度も設計し直す事で、約13時間の連続再生が可能になったという(FLAC、44.1KHz/16bit、アンバランス、Vol.40、LCD Off、LED On、Low Gain時)。

出力が上がるとノイズレベルも上がってしまうジレンマがあるが、それを抑えるために、アナログボリュームコントローラーを採用したほか、DAC部、ボリューム部、アンプ部に分かれたオーディオブロックそれぞれに電源ICを構成し、各オーディオICに必要な電力を安定的に供給するよう設計。これにより、電源供給時に発生する、DC-DC電源の干渉リップルノイズを除去した。

さらに、前モデル「KANN ALPHA」と同じサイズの限定基板を作成し、これを12層に分割。アンプ回路に適用するデバイスの物理サイズを見直した。他にも、出力端子からの接触ノイズを抑えるために、ヘッドフォン端子には普通のリングではなく、ゴールドPVDコーティングを施したリングを配するなど、細かな部分にもこだわっている。

DAC部分もスゴい。DACチップはESSの「ES9038Q2M」を採用しているが、スゴいのは個数。KANNシリーズで初めて、DACを左右2基ずつ、合計4基搭載した“クアッドDAC構成”になっている。

2つのDACを1つのチャンネルに割り当てたリッチな仕様で、「音源の深みや臨場感を最大限に表現できる」という。このあたりは、あとで実際に聴いてみよう。再生対応ファイルはPCM 768KHz/32bit、DSD512(22.4MHz/1bit)ステレオまで。再生中の音量レベルやビットレートなどを、ボリュームホイールLEDの色味で表現する機能も備えている。

再生中の音量レベルやビットレートなどを、ボリュームホイールLEDの色味で表現する機能も

有線出力ばかりに注目してしまうが、Bluetooth 5.0にも準拠し、ワイヤレスイヤフォンとも連携できる。コーデックはLDACとaptX HDの両方をサポートする。PCとUSB接続して、USB DACとして使うことも可能だ。

Bluetooth 5.0にも準拠し、ワイヤレスイヤフォンとも連携できる

内蔵メモリは64GBで、microSDカードスロットを1基搭載。最大1TBまでのカードが使用できる。ぶっちゃけこれだけで十分ではあるが、KANNシリーズであればもう一声“突き抜け感”がほしいという気持ちも少しある。

接続端子はUSB-C。microSDカードスロットを1基搭載

音を聴いてみる

イヤフォンの「AK ZERO1」

音を聴いてみよう。まずはイヤフォンの「AK ZERO1」を用意。平面駆動型ドライバー×1、BAドライバー×2、5.6mmダイナミックドライバー×1という構成で、感度は96dB@1KHz(1mW)、インピーダンスは16Ω@1KHzだ。スペック的に、鳴らしにくくはない、普通のイヤフォンと言えるだろう。接続は4.4mmのバランスを使っている。

接続は4.4mmのバランス

KANN MAXのアンプ出力ゲインは、設定メニューで切り替えるが、画面上部から下へスワイプすると出てくるクイックメニューからも、ショートカットアイコンで気軽に切り替えられる。

Low/Mid/High/Super 4段階のゲイン切り替えができるのがKANN MAXの特徴だが、ぶっちゃけ相手がAK ZERO1の場合は、Lowで十分過ぎるほどKANN MAXの駆動力が高い。ボリューム数値は0~150の幅だが、半分にも満たない60程度で十分な音量が得られる。

音質は非常に良い。「藤田恵美/camomile Best Audio」から「Best of My Love」(96kHz/24bit)を再生すると、冒頭のギターソロが鳴った瞬間に、SN比が非常に良いのがわかる。音が無い空間がキチンと静かであり、その静かな空間にスッと音像が出現する。その音像が奏でる音楽の余韻が広がり、やがて小さくなっていくが、SN比が良いので、その小さくなった音もキチンと聴き取れる。これにより、音場が広大である事が、音で説得力豊かに描写される。

DAC、ボリューム、アンプと、各部で個別の電源ICを用意したり、基板を多層化するといったノイズ対策が効いていると感じる。能率が高く、ホワイトノイズが目立つカスタムイヤフォンを使っているユーザーにも恩恵があるだろう。

1分過ぎから入ってくるアコースティック・ベースも圧巻だ。「ゴーン」と低く沈む低音が、重く、鋭く、キチンと沈み込む。膨らませて迫力を出しただけの“ニセモノの低音”ではない。これだけドッシリとした重い低音は、なかなかポータブルオーディオでは味わえない。完全に“据置用ヘッドフォンアンプ”と比較するレベルだ。

これだけでも“こんな小さいのに、とんでもないプレーヤーだな”と驚くが、さらに強調したいのは“中低域の厚み”と“音圧の豊かさ”だ。先程のアコースティックベースも、深く沈むだけでなく、前へと張り出す中低域のパワフルさが凄まじく、耳で聴いているだけなのに、肺を圧迫されたように錯覚してしまうほど張り出しが強い。

この肉厚なサウンドの秘密は、おそらく、ESS「ES9038Q2M」を計4基搭載したクアッドDAC構成だろう。DACチップをシングルからデュアル、クアッドへと強化していくと、特に中低域の厚みや、低音の深みに効果があるが、それを体現するようなサウンド。聴いていると、非常にリッチな気分になる。

フォステクスの「T40RP mk3n」

では、鳴らしにくいヘッドフォンと組み合わせたらどうだろうか。手持ちのヘッドフォンでも“強敵”な、フォステクスの「T40RP mk3n」(インピーダンス50Ω/感度91dB/mW)を用意し、KANN MAXとステレオミニのアンバランスで接続した。

全面駆動型“RP振動板”を使ったT40RP mk3nは、繊細なサウンドが特徴だが、生半可なDAPでは鳴らない。音量がとれないというのもあるが、それ以上に低音が出ず、腰高なバランスの音になってしまうのだ。

KANN MAXではドライブできるのか? ゲインをHighに切り替えてボリュームを上げていくと「うおおお!!」と、思わず声が出てしまう。「藤井風/まつり」には、うねるような重い低音が入っているのだが、それがT40RP mk3nからシッカリと重く、深い低音となって確かに出力されている。

鳴らしにくい反面、強力なアンプでドライブすると、低域の迫力と奥底まで見渡せるような分解能が両立した、魔力的な低音が楽しめるヘッドフォンなのだが、KANN MAXではその魅力をしっかり表現できている。ボリューム値も、100程度で十分だ。

逆にゲインをSuperにしてしまうと、“そこまで上げなくて大丈夫”状態。まるでKANN MAXに「このくらい余裕っすよ」と言われているかのようだ。

ソニーの最上位ヘッドフォン「MDR-Z1R」

それではと、ソニーの最上位ヘッドフォン「MDR-Z1R」(インピーダンス64Ω/感度100dB/mW)を、4.4mmバランス接続してみたが、こちらも余裕で鳴らしてしまう。ゲインはMid/Highで十分、Superだと行き過ぎだ。

MDR-Z1Rは、70mm径の大口径ダイナミック型ドライバーを採用したヘッドフォンだが、これも駆動力の高いアンプでドライブすると、平面波に近い波面を再生し、ヘッドフォンというよりも、部屋でゆったりスピーカーを聴いているようなサウンドを聴かせてくれる。KANN MAXでドライブすると、その“美味しいところ”がしっかり再生できている。「展覧会の絵」(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)の「バーバ・ヤーガの小屋」など、広大な音場に、オーケストラの多数の音像が、トランジェント良く切り込んでくるような楽曲では、情報量の多さに圧倒される。

70mm径の大口径ダイナミック型ドライバーを採用

なお、ストレージに保存した音楽ファイルだけでなく、音楽ストリーミングサービスアプリをユーザーがインストールできる「Open APP Service」機能も備えているので、例えば、Amazon Musicのアプリをインストールし、配信楽曲をKANN MAXの高音質なサウンドで楽しむ事ができる。Amazon Musicアプリでは、端末へ楽曲をダウンロードして、オフラインで再生する事もできるので、KANN MAXの大容量ストレージを駆使して、多くの曲をダウンロードしておき、外出中に楽しむといった使い方もアリだろう。

では、例えば「A&ultima SP2000T」のような、普通のDAPシリーズと比べた時に、駆動力以外に、音にはどのような違いがあるだろうか。実際に聴き比べてみると、SP2000Tが音楽の表情や質感といった部分を色濃く、豊かに描写するのに対して、KANN MAXはあくまでニュートラルに、ストレートに描写している印象だ。ハイエンドオーディオの香りがするSP2000Tに対して、KANN MAXは悪く言うと“サッパリした音”、よく言うと“真面目な音”と感じる。

このあたりは好みにもよるだろうが、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンを沢山所有していて、ドライバーの種類などで異なるサウンドを沢山味わいたいというポータブルオーディオファンには、ストレートなサウンドで駆動力も高いKANN MAXの方がマッチするかもしれない。

右が「A&ultima SP2000T」

スピーカーのようなサウンドになる“クロスフィード機能”

クロスフィード機能の設定画面

実はKANN MAXには、面白い新機能も搭載されている。「クロスフィード」と呼ばれるもので、据え置きのヘッドフォンアンプ「ACRO CA1000」に搭載されていたものだ。

2chのスピーカーで音楽を聴く場合、右のスピーカーから出た音は右耳に届き、左スピーカーからの音は左耳に届く。しかし、当然ながら、スピーカーの場合はそんなにキレイに左右の音が別れず、左スピーカーの音が少し右耳に入り、右スピーカーの音が少し左耳にも入る。要するに“クロスフィード”が発生する。これがスピーカーで聴いた時に、音場などが自然に感じる秘密の1つだ。

しかし、ヘッドフォン/イヤフォンで聴く場合は、左右の音がキレイに分かれて左右の耳に届き、クロスフィードが発生しない。そこで、意図的に片方のチャンネルのオリジナル信号の一部をミックスし、その信号を時間差で反対側のチャンネルに送り、クロスフィードを発生させるのがクロスフィード機能だ。この機能は、192kHz/24bit以下のPCM音声で使用できる。

実際にAK ZERO1で「Ado/うっせぇわ」を聴きながら、クロスフィード機能をON/OFFしてみると、この効果が面白い。OFFの時は、ボーカルも背後伴奏も等しく耳に押し寄せてくるように聴こえるのだが、ONにすると、中央のボーカルがスッと真ん中で浮き上がったようになり、伴奏はその背後に展開。音楽が立体的に聴こえてくる。

本物のスピーカーで聴いているような、前方の遠い場所にボーカルが定位する……ほどではないのだが、頭の中央に目がけて音が殺到するような状態が、クロスフィードをONにすると解消され、おでこの前あたりに音像が定位し、その背後に伴奏が展開するように聴こえる。頭内定位が長時間続くと、聴き疲れするという人には効果的な機能だろう。

いわゆる“バーチャルサラウンド機能”のように、音を大きくいじる機能ではないため、“聴こえ方の変化量”はそれほど大きくはない。だが、逆にそれが自然であり、機能として使いやすいい。音楽が整理され、頭の中がスッキリするよな鳴り方になるため、例えば、BGM的に音楽を流しながら、勉強など他の事をしているような時も、クロスフィードONの方が作業が捗る印象だ。

効果のパターンを変えられる

クロスフィード機能は設定メニューからON/OFFでき、効果のパターンを変える事も可能。いちいち設定メニューに入るのが面倒な時は、上部から引き出すクイックメニューにクロスフィード機能のアイコンがあるので、それをタップすれば、気軽にON/OFFが切り替えられる。

クイックメニューのアイコンからも簡単にON/OFFできる

音と使い勝手の両立

KANN MAXをしばらく使っていて感じる魅力は、大きく2つある。

1つは、「外出先では諦めていた音が聴ける」事だ。特に、深さと分解能、音圧を兼ね備えた低域は、大型ヘッドフォン+据え置き型ヘッドフォンでないとなかなか味わえないものだが、KANN MAXであれば味わえる。これはスマホはもとより、他のDAPでもなかなか味わえないもので、KANN MAXならではの魅力だ。

2つ目は「そんな音を気軽に持ち運べる」事だ。この駆動力を、このサイズに収めたのは“アッパレ”と言うほかない。KANN MAXであれば、ズボンのポケットやジャケットの内ポケットに入れても、特に不満なく、普通のDAP気分で使える。

そのため、持ち出す機会が増え、活躍する時間が長くなる。実売約20万円と、安くはないプレーヤーだが、使用頻度が高ければ、それだけコストパフォーマンスは高くなる。超弩級プレーヤーなのに、「これなら毎日使えそう」と思わせてくれる。“音と使い勝手の両立”こそが、KANN MAX最大の魅力だ。

(協力:アユート)

山崎健太郎