レビュー
1万円以下でこの実力!? 強力ノイキャン、SOUNDPEATS「Air5 Pro」のハイコスパに驚く。軽やかな元気サウンド
2025年3月21日 12:05
熾烈な覇権争いが繰り広げられる「1万円切り完全ワイヤレスイヤフォン」市場に、SOUNDPEATSがまた気になるモデルを投入してきた。
新モデル「Air5 Pro」は、実売価格9,980円でありながら、ハイエンドモデルにも引けを取らない先端機能をあれもこれもと搭載しているのだ。ちなみに、4月1日23時59分までは特別セールで、割引クーポン「SPA5PNEWS01」をAmazonの販売ページに入力すると、28% OFFの7,186円で購入できる(読者限定、最大30% OFFになるクーポンも記事の最後で用意している)。
これでサウンドが良ければ言う事なしだが、その実力は果たして? 早速、実機をチェックした。
最新コーデックにも対応した申し分ない機能性
まずは機能面だが、最新コーデックからノイズキャンセリング、マルチポイントまでとにかく充実している。
詳しく見ていくと、BluetoothチップにはQualcomm「QCC3091」を搭載し、コーデックはaptX Adaptive/aptX Losslessに加えてLDACもサポート。さらにLE Audioに対応でLC3を利用できる。本体形状はカナル型/スティックタイプで、同形状の前モデル「SOUNDPEATS Air4 Pro」では13mm径ダイナミックドライバーを搭載していたが、Air5 ProではPU+PEEK振動板の10mm径ダイナミックドライバーへと変更された。
ノイズキャンセリングは最大-55dBという強力なもので、風切り音も低減してくれるのが嬉しい。モードは「室内」「屋外」「屋外交通」を備えているが、周囲の環境に合わせて適切なキャンセリング効果を発揮する「適応型」モードを選べば間違いないだろう。
実際にノイズキャンセリングをオンにするとスッと外音が静まる。
完全に静寂になるほどではないが、「ゴォォォ」というような低めのノイズは8割方カットされ、風切り音はほぼ聴こえなくなり、高域のノイズボリュームは半減するような印象だ。耳にノイズキャンセリング特有の圧迫感が少ないのが好印象。なお再生音にはそれなりに影響があり、グッと低音が強まって感じられる。
イコライザー機能も豊富だ。パーソナライズ設定が可能な「適応型EQ」では、125Hz/250Hz/500Hz/800Hz/1kHz/2kHz/4kHz/6kHzの8帯域でテスト音を再生し、その結果を受けて-6~+6のレベルでバランス調整を行なう。プリセットEQは10種類が用意されているし、より細かな調整が行えるカスタマイズEQも備えるので、十分以上に“遊べる”。
これらの機能は「PEATSAUDIO」アプリから切り替え可能。逆に言うと、アプリの使用は必須とも思える。エントリークラスでは機能を抑えることで可能な限りアプリを使わずに済むようにしているモデルもあるくらいなので、これは使いやすさの面で見ると一長一短だが、本格的なイヤフォンへのステップとしてアプリに慣れるのはアリだろう。
ちなみにLDACはデフォルトではオフになっており、アプリからオンにする必要がある。またオンにした場合、マルチポイント機能が使えなくなるので、高品質通信でじっくりと音楽を聴きたいときに切り替えるなど、使いどころを考えたい。
マイクは片側3基で、クリアな通話をサポートするcVcノイズキャンセリングに対応。オンライン会議にも問題なく対応できる。60msの低遅延接続が可能な「ゲームモード」や、イヤフォンの位置情報を検索できる機能も搭載。バッテリー持続時間もイヤフォン単体で最大7.5時間、充電ケース併用で最大37時間と長寿命、かつ約10分の充電で約2時間再生が可能な急速充電に対応する。
最先端モデルとして惜しいのはサウンドのパーソナライズ化とワイヤレス充電への非対応くらいか。とはいえ必須ではないし、実用性の面では申し分ない。
軽やかで元気の良いサウンド、イコライザーの活用もオススメ
いよいよ肝心の音質をチェックしていこう。
てっきり優等生的に大人しくまとめられているかと思ったが、意外にも元気の良いサウンドだ。
質感は全体的に軽やかで、特に中低域にアタック感がある。高域はギラつきを抑えて耳に刺さるところがなく、まろやかにも感じられる。響きはややデッド気味で解像感は値段相応というところだが、変な色付けのないストレートな音作りで聴きやすい。
ハイエンドモデルに見られるような、ニュアンス表現など細かなところを追求した再生能力を得るにはコストがかかる。その点、Air5 Proでは割り切って音楽リスニング的に楽しい要素を取捨選択し、その部分を疎かにしないように注力したような印象を受ける。結果としてエントリーモデルにありがちな無難なオールマイティ型にならず、価格以上の個性あるサウンドを獲得していると言っていいだろう。
このサウンド傾向はポップスを聴くと楽しい。米津玄師「Plazma」は散りばめられたような電子音がパワフルで、グングンとユーザーの意識を引っ張ってくれる。ボーカルは一歩前に立ったように明瞭、低域はレスポンスが良く、厚みはそこそこだがこの曲らしい唸りが感じられる。Mrs.GREEN APPLE「ライラック」もボーカルとギターが際立っていて、中低域のエネルギーが聴き応えのある力強さを生み出している。
イコライザーで適応型EQをオンにすると、筆者の場合は特に中高域が抑えられて、全体のエネルギーバランスが整ったように感じられた。tuki.「晩餐歌」など楽曲によってはちょっと元気すぎるとも思えていたので、これは長く聴くのにちょうど良い。
ただ、一度イコライザーを設定すると「オフ」にすることができずに困った。アプリを落としたりイヤフォンの電源をオフにしても前回のモードが引き継がれるので、カスタムEQでフラットなものを作り、それをオフ代わりにした。別の方法があるのかもしれないが、少なくともアプリから直感的に操作できないのは改善してほしいところだ。
とはいえ、効果がハッキリしていて楽しいので、イコライザーは積極的に使っていくのをオススメしたい。例えば米津玄師「Plazma」では「エレクトロニック」も良いし、筆者としては「クラシック」がマッチした。
また映像鑑賞にゲームモードを活用するのもオススメだ。もとから目立つほどの遅延はないのだが、ゲームモードをオンにするとリップシンクがさらに改善される。サウンド的にも迫力あるシーンと相性がよく、セリフをより集中して聴きたければプリセットEQから「読み上げ人声強化」を選んでもいい。
価格を考えれば文句なしに「ハイコスパ」
Air5 Proは多機能+多彩な楽しみ方のできるサウンドを持った完全ワイヤレスイヤフォンとして、まさに「ハイコスパ」を体現している。
1万円切りでなぜこれだけの性能を実現できるのか不思議だが、SOUNDPEATSは毎回コスパが良いのでもはや驚くべきことでもないのかもしれない。なんにせよ、Air5 Proを買っておけばしばらく陳腐化せず、グレードアップ目的か故障以外で買い替えを検討する必要はなさそうだ。
前述の通り、4月1日23時59分まで特別セールで、割引クーポン「SPA5PNEWS01」をAmazonの販売ページに入力すると、28% OFFの7,186円で購入可能だが、さらにAV Watch読者限定で最大30% OFFで購入できるクーポンコードを用意。
AV Watch読者限定クーポンコード:SPA5PAVWA01
クーポン使用期限:3月21日~2025年4月1日23時59分