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aiboついに誕生(発売)。オーナーに引き渡し、「のびのび育って」
2018年1月11日 16:19
1月11日、ソニーの犬型エンタテインメントロボット「aibo(アイボ)」が発売開始、東京 品川のソニー本社で、オーナーへaiboを引き渡す「aibo Birthday Ceremony」が開催された。
合計22軸の自由度を持ち、瞳には有機EL(OLED)を採用、多彩なセンサーにより周囲の環境を把握し、慣れ親しむことで歩く範囲を拡大する新aiboは、アプリやクラウドサービスと連携して進化。鼻のカメラで周囲を認識するだけでなく、写真撮影もできる。
aiboを担当するソニー執行役員 ビジネスエグゼクティブ AIロボティクスビジネスグループ長の川西泉氏は、「一緒にいることでなついたり、新しいしぐさを覚えたりできる。インスタ映えするaiboの写真も共有してほしい。AIを進化させることで我々もaiboを育てていくが、オーナーの皆様と一緒に成長させていきたい。aiboとともに、かけがえない物語を紡いでいってほしい」とコメントし、専用ケース「コクーン」を開くとaiboが誕生。鳴き声とともにaibo発売開始をアピールした。
5名のaiboオーナーへの引き渡しセレモニーも実施。銀婚式を迎えたご夫婦から、複数の旧AIBOをお持ちの方、ちいさなお子さんなど幅広いaiboオーナーが誕生。「この日を心待ちにしていた」、「本当に嬉しい」、「家族が増えた」など、それぞれのオーナーが喜びを語った。
aiboの価格は198,000円。販路はソニーストア限定で、予約販売となる。aibo利用のためにはLTEによる通信機能「aiboベーシックプラン」(3年)の契約が必要。一括払いは9万円(月あたり2,500円)、月払いは2,980円。
ハイタッチもできるaibo。「のびのび育ってほしい」
報道関係者向けのaibo体験会も開催し、「お手」「ハイタッチ」などのaiboとのコミュニケーションを紹介。声をかけても必ずしも、応答してくれるわけではない、ペットらしいふるまいと、愛らしい動作を見せてくれた。また、有機ELディスプレイの目の表情も印象的。歌も歌ってくれる。
会場では、aiboの「目線」も紹介。鼻の部分のカメラと口の部分の距離センサーで、aiboがどのようにユーザーを認識しているかを紹介。aiboと対象との距離だけでなく、ユーザーの顔や物体の形なども認識しており、その動きを検知しながらaiboが動いたりアクションを起こしたりすることがわかる。
報道陣の取材に答えたAIロボティクスビジネスグループ長の川西氏は、従来のAIBOとの違いについて、「ハードウェアはもちろんだが、クラウドという環境が大きく違い、継続的に成長できる。aiboの個性は成長環境に依存し、そこで個性が出る。その情報をクラウドでも集約し、分析することで、aibo全体の成長へのフィードバックもできる」と言及。海外展開については、「検討中。言語だけでなく、動きや個性なども地域性を見て考えたい」としたが、地域にあったものができれば、積極的に展開する意向という。
故障については、修理対応などのほか、「万一ハードウェアが壊れても、クラウドの情報で個性を引き継げる」とする。カラーバリエーションなどは、ユーザーの声や反応を見ながら検討していくとした。
aiboの機能強化については、「もちろんいろいろな用途が考えられ、介護や教育、また、教材などの話もいただいている。ただ、BtoB向けはまた別の商品で、ソニーのAIとロボティクスを生かして考えていきたい」とコメント。かつて販売していた、2足歩行の「QRIO(キュリオ)」のような展開も、「可動部や制御が多く、とても大変だが、個人的にはやりたい」とした。
オーナーに会って「aibo愛を想像以上に感じた」という川西氏は、「犬を参考にしているが、違う動きもあり、ロボットとしての楽しさもある。クラウドを含めて知能は高く、ある意味人間を超えたアンバランスな部分もあるし、気ままな部分もある。“感情を持たせる”ということは、単に命令に服従する、機能を実現するものではなく、個性がある。のびのび育って欲しい」とaiboの成長への期待を語った。
発売にあわせて、テレビCMも放送。また、1月11日から3月中旬まで渋谷モディ1Fのソニースクエア渋谷プロジェクトにて「aibo roon」を開催。aiboに触れ合うことができるほか、一緒に写真を撮れるフォトブースなどを設置している。