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FUNAI初の有機ELテレビ「7010」は1TB HDDで録画対応。55型は約26万円
2018年7月4日 11:07
船井電機は、FUNAIブランドの4K有機ELテレビ「7010シリーズ」を7月14日より発売する。65型の「FE-65U7010」と55型の「FE-55U7010」を用意し、価格はオープンプライス。ヤマダ電機で独占販売し、店頭予想価格は65型が399,800円前後、55型が259,800円前後。
3,840×2,160ドットの有機ELパネルを採用した4K有機EL(OLED)テレビ。独自の「クリアピクスエンジン4K HDR OLED」を搭載し、漆黒の黒から極彩色まで有機ELならではのダイナミックレンジとハイコントラストで表現するという。HDR信号はHDR10のほか、Dolby VisionとHLG(ハイブリッドログガンマ)に対応する。パネル世代は「ピーク輝度を高めた最新世代のもの(AV事業製品部 国内商品企画部長 瓜巣敬喜氏)」としている。
また、有機ELテレビでは初となる1TB HDDを内蔵。地上デジタル放送番組を最大128時間録画できる。リモコンの[録画]ボタンを押すだけで視聴中番組の録画が行なえる。チューナは、地上/BS/110度CSデジタル×3で、2番組の同時録画に対応する。
USB HDD追加による録画容量拡張も可能。おまかせ録画により好みのジャンルや出演者での自動録画も行なえ、録画番組をカテゴリ別に自動分類する「おすすめ再生」も備えている。HDDを純正で内蔵した4K有機ELテレビは初となるため、船井電機とヤマダ電機は「業界初 記憶する有機ELテレビ」として、U7010シリーズをアピールしていく。
1.3/1.6倍速の音声付き早見や、0.8倍速のゆっくり再生に対応。本体デザインは傾斜をつけたスタンドを一体化した「ミニマルデザイン」で、上方に若干傾斜して床置きでも見えやすいようデザインされている。
フロントスピーカーは2.2chで、フルレンジ×2、ウーファ×2、パッシブラジエータ×4で構成。マルチアンプ駆動で総合出力50Wの「FUNAIサウンドシステム」を搭載する。
映像配信サービスにも対応し、リモコンにはNetflixとdTV、YouTube、U-NEXTの4つの専用ボタンを装備。ワンボタンで各映像サービスを呼び出せる。NetflixやひかりTV 4KのDolby Vision HDR映像にも対応する。
HDMI入力は4系統装備。ビデオ入力は光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力などを装備する。USB端子はHDD録画用とUSB端子はメモリ用を用意し、USBメモリ内の動画や写真、音楽再生に対応する。LAN端子や無線LAN(11ac対応)も備えている。
アプリ「FUNAI Connect」による外出先からの録画予約や音声操作にも対応。日本の工場で生産した「JAPAN QUALITY」をアピールしている。消費電力は65型が480W、55型が340W、年間消費電力量は65型が199kWh/年、55型が169kWh/年。外形寸法/重量は65型が144.9×26.7×85.4cm(幅×奥行き×高さ)/43kg、55型が122.8×26.7×72.6cm(幅×奥行き×高さ)/35kg。
船井電機は、有機ELや4Kテレビなどテレビ6シリーズ14機種と、Ultra HD Blu-ray搭載のUTシリーズなど、FUNAIブルーレイディスクレコーダ3シリーズ6機種を7月14日からヤマダ電機で一斉販売する。詳細は別記事で紹介する。
FUNAI拡大へ、10月にはBS 4Kチューナ。山田会長「“いいもの”が必要」
発表会は、船井電機と昨年からFUNAIブランドテレビを独占販売しているヤマダ電機が共同で開催した。
船井電機の船越秀明社長は、「昨年の独占販売開始から1年が経過したが、目標のシェアと販売台数を上回って、目標を達成できた。お客様とヤマダ電機の販売力、製品力によるもの。今後もお客様の声に耳を傾けた製品づくりを行なっていく。10月には新4K衛星放送対応のセットトップボックス(STB)も発売する」とした。
また、北米市場などで他社ブランドでテレビ事業を行っている船井としては、「FUNAIブランド製品の浸透は経営方針の大きな一つ。先日亡くなった創業者の船井哲良の最後の希望でも意思でもある。今後もヤマダ電機の支援のもとFUNAIブランドの成長を続けていく」と語った。
ヤマダ電機の山田昇会長は、「昨年から予定以上の実績で、シェア目標5%が7%ぐらいになった。手さぐりでのマーケテイング、初めての製販一体というケースだったが、ヤマダ電機のネットワークの強みがあるからこそできた。ネット社会では、店舗を融合させた中でどう発展させていくかが課題だが、成功にいちばん重要なのは“商品力”。そこに船井電機の実績と実力がある。生前船井さん(船井哲良氏)と『100万台を目指そうよ』という話をしていた。そこを目指せる競争力ある商品ができたと思っており、これだけのラインナップを揃えていただけた。大風呂敷に見えるかもしれないが、今年はシェア15%を目指していく。価格も業界ナンバーワンだと思っている」と述べた。
昨年同様に「3年保証」を継続。ヤマダ電機 商品本部の佐野財丈 黒物商品部長は、「ヤマダ電機各店舗の“フナイマイスター”がお客様との会話を積み重ね、それを新製品にフィードバックした」として、特に多かった一体型の録画対応やデザイン、シンプルな2Kテレビなどの要望を2018年モデルに反映したという。
2020年度のシェア目標は20%。ヤマダ電機の一宮 忠男CEOは「2020年に20%を実現するためにも、今年は15%を達成したい。国内テレビの市場規模としては今年は500万台を想定。2020年度は540-550万台と予測しており、その中でシェア20%を目指す」と説明。有機ELについては、「いまは1%レベルだが、これから飛躍的に伸びる。2020年には5%が有機ELになると予想しており、その中で20%を取っていきたい」とした。
今後の施策について、ヤマダ電機 山田会長は、「これまではネットに力をいれていなかったが、これを本格的に立ち上げる。前期はFUNAIテレビはネット販売していないし、地域店でも売っていなかった。それらの販路を拡大していく。また特に2Kは、海外メーカーが伸ばしているが、これに対応する製品と戦略を持っている。このあたりが重要な拡大施策になる」とした。
また製品ラインナップを充実させた理由について、山田会長は「ボリュームゾーンを売るためにも、『いいもの』が無いと売れない。バランスよい品ぞろえが必要。格安テレビだけをやっていてはだめですし、同時に量を売る商品も必要。日本のメーカーは、低価格商品を諦めている会社もあるが、私は『それでいいのかな?』と思っている。バランスよく作ったほうがいいし、競争力が高まる。そういう商品戦略」と語った。
なお、船井電機への出資などの資本提携を含む協力関係の可能性について、山田会長は「あくまで共同作業。それぞれの独立性は保ちたい。ヤマダ電機がメーカーを持つという考えはなく、お互いを尊重しながら共同作業する、という考え。小売がメーカーを持つのは難しい。小売SPAのユニクロやニトリも、メーカーを持つという考えではないだろう。共同作業をどのようにやっていくかがが、本質」と回答した。