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超小型スタビライザーカメラ「Osmo Pocket」でさっそく動画を撮ってみた

DJIが29日に発表した、手のひらサイズのスタビライザーカメラ「Osmo Pocket」。その発表会で、テスト撮影した動画と、ファーストインプレッションをお届けする。発売日は12月15日で、44,900円(税込)。製品の詳細は別記事でレポートしている。

発表会場で「Osmo Pocket」を撮影してみた
顔認識を使いながらモデルさんの周りを動いてみたところ

手にした第一印象は「まさにポケットサイズ」。Osmoシリーズも含め、これまでもハンディスタビライザーカメラは各社から登場しているが、そうした製品のイメージを大きく覆すほど小さく、驚かされる。ボイスレコーダを手にしている感覚に近く、胸ポケットにも簡単に入れられる。

まさにポケットサイズ
ハンドバッグに入れたイメージ

ジンバルの先には、1/2.3型CMOSセンサーのデジタルカメラを搭載。動画は4K/60p、100Mbpsまで撮影できる。フルHDでの撮影も可能だ。4,000×3,000ドットの静止画撮影も可能で、フォーマットはJPEG、DNG撮影をサポートする。

本体にタッチスクリーンタイプのディスプレイと、ボタンを搭載しているため、ポケットから取り出し、電源を入れたらすぐに撮影できる。スマホを上部に取り付けるタイプの製品や、スマホをモニターとして使わないと撮影できない製品と比べ、非常に手軽に撮影がスタートできると感じる。

ディスプレイを上下左右にフリックすると、各種メニューにアクセスできる。また、ディスプレイ右端に表示されるバーを操作すると、チルト(カメラの上下向き)の操作が可能だ。カメラ単体で、チルトの操作、撮影モードの切り替え、被写体をタップし、認識させての追尾といった基本的な撮影は可能だ。しかし、カメラのパン(横方向)操作や、より細かな設定を行なう際は、スマホのアプリと連携させる形となる。

スマホとの接続もユニーク。カメラ側にスライド式のユニバーサルポートを備えており、そこに付属のアタッチメントコネクタを装着。USB-C、もしくはLightning端子のアタッチメントが付属し、ユーザーが持っているスマホに合わせて選択できる。

スライドさせながらアタッチメントのコネクタを固定する

アタッチメントのコネクタは、溝に沿ってスライドさせながら装着。スマホを左手、Osmo Pocketを右手に持って撮影する形となる。なお、コネクタの強度や、取り付けたスマホがグラつかないか心配したが、Osmo Pocket自体が軽量であるため、装着した状態では「Osmo Pocketにスマホを接続した」というよりも、「スマホの端にOsmo Pocketが固定される」感覚に近く、Osmo Pocketを支える右手を離しても、Osmo Pocketが落下する事はなかった。ただ、歩いたり走ったりする撮影では落下する可能性もあるので、基本的には右手も添えて撮影したほうが良いだろう。

スマホを装着したところ。Osmo Pocketの方がオマケという感じの軽さだ
並んだ椅子を避けるようにジグザグに進みながら撮影した

発表会場で短時間テスト撮影しただけだが、コンパクトな製品ながら、歩行や横移動のブレを強力に補正。安定した動画が撮影できるのが確認できた。なお、4K/60pまでの撮影が可能だが、処理の負荷が高いためか、4K/60pモード利用時は被写体を認識・追尾するアクティブトラックは利用できず、4K/30pでは利用できた。

アクティブトラック機能でモデルさんを補足しながら撮影

SNSでOsmo Pocketの魅力をシェア

Osmo Pocketを「毎日動画を撮りたくなるツール。財布や携帯電話のように、日々の生活に欠かせないデバイスの1つになる事を信じて開発した」というDJI。DJI JAPANの呉韜(ゴ・トウ)社長は、日本ではSNSなどで静止画の自撮りをする人は多い一方、動画の撮影はあまり広まっていない事を踏まえ、Osmo Pocketを、動画を気軽に撮影、シェアする人達を生み出すツールとしても訴求する。

DJI JAPANの呉韜(ゴ・トウ)社長

「近年ではアプリの“TikTok”など、動画で自撮りをしてシェアする人達も増えており、動画に対するハードルは低くなってきたと感じます。また、Osmo Pocketは自撮り棒ではできない撮影ができるのもポイントです。スマホのバッテリが持たない寒冷地や、アクセサリを使えば水中での撮影も可能です。スポーツ中の視界を、ブレずに撮影できる。アクションカメラ的な使い方もできます」(呉社長)。

連携するスマホアプリ「DJI Mimo」では、より細かな設定での撮影に加え、今後の機能追加予定として「ストーリーモード」も予定。撮影済みの動画をつなぎ合わせ、BGMを加え、作品に仕上げてくれる機能に加え、あらかじめ設定された撮影パターンに合わせて、ユーザーが撮影し、作品を作る事もできる。

今後機能追加予定の「ストーリーモード」

呉社長は「ドローンでの撮影は、沢山の動画を撮り、家に帰ってその映像を使って作品を作るというパターンが多いですが、Osmo Pocketの場合は撮りながら編集し、その場で作品を作り、すぐにSNSで公開するような使い方も想定しています。Osmo Pocketの魅力を広める手段としても、SNSを重視しており、どんどん使って、映像をシェアし、広めていって欲しいと考えています」とコメント。

なお、Osmo Pocketに搭載しているカメラは1/2.3型CMOSセンサーを採用しているが、将来的に、1型センサーを搭載したカメラが登場する可能性について聞くと、「技術的には可能だと思いますが、Osmo Pocketはとにかく画質を追求するというよりも、“よりコンパクトで、動画より気軽に撮影できるカメラ”として、バランスを追求した製品になっています」(呉社長)。