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DJI、手のひらサイズでブレずに撮影、スタビライザーカメラ「Osmo Pocket」

DJIは29日、手のひらサイズのスタビライザーカメラ「Osmo Pocket」を発表した。発売日は12月15日。直販サイトで販売をスタートしており、発送予定は10~15営業日。価格は44,900円(税込)。

手のひらサイズのスタビライザーカメラ「Osmo Pocket」

同社史上最小という3軸スタビライザーを搭載したカメラ。サイズは121.9×28.6×36.9mm(縦×横×厚さ)で、重量は116g。3軸のジンバルには、±0.005度の制御精度と、秒間120度の最大制御速度を実現する新しいアルゴリズムを採用。安定性の高い撮影ができるという。

1/2.3型CMOSセンサーを採用したデジタルカメラを上部に搭載。レンズの視野角は80度、明るさはF2.0。4K/60p、100Mbpsまでの動画撮影に対応。手ブレを抑えた、滑らかな移動撮影ができるという。動画は3,840×2,160ドット 24/25/30/48/50/60p、1,920×1,080ドット 24/25/30/48/50/60をサポート。MPEG-4 AVC/H.264、MP4/MOV形式で録画する。

4,000×3,000ドットの静止画撮影も可能で、フォーマットはJPEG、DNG撮影をサポート。記録メディアはmicroSDで256GBまでのカードが利用可能。

バッテリは875mAh。140分の撮影ができる。汗ばんだ手でも滑らないというグリップを採用。

1/2.3型CMOSセンサーを採用したデジタルカメラ部
本体だけで自立する

本体にタッチスクリーンタイプのディスプレイと、ボタンを搭載。素早い操作で撮影できる。スワイプやタップを数回し、モードや設定の変更が可能。スライド式のユニバーサルポートを本体に備え、アタッチメントを付け替える事で、USB-C、もしくはLightning端子のスマホと接続。スマホアプリからの撮影にも対応する。

アタッチメントを付け替えて、USB-C、Lightning対応端末と直結する

例えば、本体ディスプレイの右側に触れると、操作バーが表示され、指でカメラの向きをチルト(上下)操作できる。ただし、本体だけでは横方向のパンは操作できない。スマホと接続し、アプリを使って撮影すると、アプリ内にスティックアイコンが登場。それを使ってパンもチルトも可能。つまり、本体だけでも撮影はできるが、より凝った撮影、細かい設定をして撮影する際は、スマホ+アプリと連携するという形になる。

本体にタッチスクリーンタイプのディスプレイを装備
スマートフォンと接続し、撮影する事もできる

撮影機能としてアクティブトラック、モーションラプス、パノラマなどのインテリジェント機能を搭載。「スマートフォンではできない映像効果が可能」とする。

FPVモードでは、ジンバルの向きに従い、アクションショットをスムーズに撮影。「アクティブトラック」は、被写体をタップする事で、その動きを追尾。セルフィーモードでは自動で顔認識し、画面中央に顔が収まるように追尾する。

顔認識で被写体を追尾
ジェットコースターをFPVモードで撮影
子供を追いながら撮影
犬の背中に取り付けた撮影イメージも

3×3パノラマ撮影、モーションラプス撮影も可能。静止画撮影では、三脚を使わずに、2~3秒の長時間露光ができるというナイトショット機能が使用できる。

2~3秒の長時間露光ができるというナイトショット機能

スマホアプリは「DJI Mimo」を使用。撮影に使用するほか、編集ツールやコミュニティ機能などを備えている。今後機能追加予定の「ストーリーモード」を使うと、あらかじめ設定された撮影パターンと、カメラワークを組み合わせた動画が撮影できる。仕上げに専用フィルターとサウンドトラックも適用可能。どのような作品になっているか随時確認しながら、作り上げる事ができる。撮影後の動画を複数組み合わせて作品を作るストーリーモードも存在する。

今後機能追加予定の「ストーリーモード」

プロモードでは、カメラパラメーターの手動調整可能。RAW形式での写真撮影、D-Cinelike動画撮影もできる。

DJI - Meet Osmo Pocket

アクセサリも充実。水中撮影も

別売のアクセサリも充実。充電ケースは、Osmo Pocketを収納できるだけでなく、バッテリを搭載し、収納したOsmo Pocketを充電できる。後述するNDフィルター4枚や、microSDをカード×2枚、スマホ接続用コネクタ2個も収納可能。

充電ケース

コネクタを使ってOsmo Pocketとスマホを直接接続できるが、Bluetoothか無線LANを使い、ワイヤレス接続を可能にする「ワイヤレスモジュール」も用意。Osmo Pocketの底部に装着するスタンドのような形状になっており、Osmo Pocketを自立させ、例えばタイムラプス動画撮影を、Osmo Pocketに触れずに、スマホアプリから制御・撮影できる。

ワイヤレスモジュール
モジュールはスタンドも兼ねている

延長ロッドは伸縮自在。ジンバルを操作するスティックも備えているほか、Osmo Pocket本体には存在しない三脚穴を、底部に搭載する。

延長ロッド。底部に三脚穴を用意する

水深60mまで対応する防水ケースも用意。海の中でクローズアップ撮影したり、低照度環境下でもクリアな映像を撮影できるとする。

水深60mまで対応する防水ケース

スポーツカメラ用アクセサリに対応できるようにするアクセサリーマウントもラインナップ。形状を見る限り、GoPro用アクセサリが使えそうだ。

スポーツカメラ用アクセサリを使えるようにするアクセサリーマウント

NDフィルターセットは、フィルターの外周部にマグネットを搭載。Osmo Pocketのカメラ部分に磁力で固定できる。

NDフィルターはマグネットで固定する

コントローラーホイールは、Osmo Pocketに操作ダイヤルを追加するアクセサリ。ダイヤル下にあるスイッチを切り替える事で、チルト、パンをダイヤルで動かせる。外部マイク取り付け用の3.5mmアダプタも用意する。

コントローラーホイール

日々の生活に欠かせないデバイスの1つに

DJI JAPANの呉韜(ゴ・トウ)社長は、「DJIは世界をリードするドローンメーカーとして、飛行しながら綺麗な動画を撮影できる製品を投入してきた。そのためには、飛行技術だけでなく、カメラを空中で安定させるスタビライザー技術も重要。その技術を地上カメラにも投入し、2014年にはRONINブランドも展開。個人からクリエイターまで、映像業界に貢献してきた。この技術をより多くのユーザーに提供するため、Osmo Pocketを開発した」と紹介。

DJI JAPANの呉韜社長

小ささや手軽さをアピール、「毎日動画を撮りたくなるツール。財布や携帯電話のように、日々の生活に欠かせないデバイスの1つになる事を信じて開発した」という。

先行してOsmo Pocketを使ったユーザーとして、モテクリエイター、SNSアドバイザー、インフルエンサーとして活躍する菅本裕子(ゆうこす)さんと、パルクールパフォーマーのZENさんが登壇。

菅本裕子(ゆうこす)さん

ゆうこすさんは、女性でも持ちやすいコンパクトさに感動した様子で、「女の子が動画を撮る時に必要な、可愛い、簡単、軽いの3Kが揃っている」とコメント。YouTuberとしても活躍している彼女だが、「動画は“撮影するぞ”と準備して撮るものと感じていましたが、日常にもっと溶け込むように使えるのがOsmo Pocket。こんなにも簡単に動画が撮れるなら、挑戦してみようかなと思う仲間が、もっと増えたらいいな」と期待を語った。

ゆうこすさんが撮影した動画

ZENさんは、街中でパフォーマンスをする様子をOsmo Pocketを使って撮影。普段は撮影担当の仲間が、ZENさんの後を追いながら撮影するが、そのために大きなカメラやジンバルといった撮影機材を運搬する必要があった。高いところに登ってパフォーマンスを行なう事もあるため、「重いカメラバッグを2人で渡しあいながら登ったりしていたのが数年前の出来事。それが(Osmo Pocketの登場により)ポケットの中に消えていく。こんな未来は想像できなかった。毎日使いたくなるカメラだと思う」と絶賛した。

左がZENさん
ZENさんのパフォーマンス映像も披露された