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4K8K機器の累計出荷は約45万台。A-PABが普及状況説明「予想以上の反応」

一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は25日、都内で開催中の「4K8K制作ワークショップ2019」と合わせ、4K/8K放送の普及状況に関する記者発表会を開催。4K/8Kテレビ・チューナー・STB(CATV)を含めた対応機器の'18年12月までの累計出荷は、約45万台と発表した。

4K8K推進キャラクターの深田恭子さんを起用したスポットCMは、今年度3本を投入する予定

JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)が24日に発表した「新4K8K衛星放送の受信機能を有する薄型テレビ/チューナー 国内出荷実績」と、A-PABが独自にヒアリングしたSTBの台数を合算した推定値。

内訳は、新4K8K衛星放送対応テレビが22万2,000台、同チューナーが17万3,000台、CATVの同STBが5万5,000台。4Kチューナー搭載レコーダーや、4Kチューナー対応PCの出荷台数は、数字に含まれない。

登壇したA-PAB理事の木村政孝氏は「45万台という数値は昨年末までの概算。数値に含まれない機器やタイムラグを考えれば、今では50万世帯近くが新しい放送を楽しんでいると推定している」と話す。

新4K8K衛星放送対応受信機器の状況

12月後半にA-PABが実施した、家電量販店における販売現場でのヒアリング調査も報告された。

ヒアリングは「おもに量販店で実施したもの」(木村氏)としながらも、新4K8K衛星放送受信機の売り上げは概ね好評、と分析。チューナー非搭載テレビと4Kチューナー・4Kレコーダーのセット販売・キャッシュバックキャンペーンや、12月上旬の「PayPay祭り」などが販売の後押しになったとし「概ね予算100%を達成できたと聞いている」(同)と話す。また、多くの店舗で「4Kチューナー搭載レコーダー」が在庫切れとなり、今日でも品薄状態が続いているという。

8Kテレビの売れ行きは「100台を売ったという店舗もあれば、まだ数台と言う店舗もあり、店舗間でも差が大きい」と説明。この他、量販店では“4Kチューナー非搭載テレビを購入した10~15%程度が4Kチューナーの購入見込み層”と捉え、積極的なプロモーションを展開することや、消費税増税前の8月・9月が次の大きな商戦と考えていることなどがヒアリングから分かった、とした。

A-PAB理事 木村政孝氏

A-PABで4K8K推進センター長を務める宇佐美雄司氏からは、新4K8K衛星放送コールセンターの状況が説明された。

「昨年9月以降、相談件数が倍増。開局の12月は2,500件を超えたが、おおよそ月1,000件ペースで推移している。相談内容としては、放送開始前は“4Kテレビを所有しているがチューナーは必要か?”、“2Kテレビで4K8K放送は視聴可能か?”“いまのBSアンテナは使えるか?”などの視聴方法に関する質問・相談が大半だったが、開局以降はテレビやチューナーの接続・操作に関する問い合わせも増えた」(宇佐美氏)という。

新4K8K衛星放送コールセンターの相談状況

コールセンターでは“4Kテレビ購入時にチューナーが必要である旨の説明が無かった”“4Kチューナーが内蔵していると思っていた”などの相談には十分説明し、混乱無く対応しているとのこと。

なお、接続・操作など機器個別に関する問い合わせに関しては「まずはアップデートの実施を案内する。細かな操作手順などは、製品により異なるため、メーカーの対応窓口を案内している」(宇佐美氏)という。

コールセンターにおける主な相談内容
A-PAB 4K8K推進センター長 宇佐美雄司氏

A-PAB理事長の福田俊男氏は「開局から今日で56日目を数える。出荷台数や各メディアへの取り上げも含め、4K8K放送は“予想した以上に反応が大きかった”というのが率直な印象だ。4K8Kはまだ始まったばかりであり、これからが本当の正念場。それには、民放局におけるピュア4K放送の比率向上や、機器メーカーにおける対応機器の拡大といった協会の要望を伝えながら、各方面に4K8Kの普及と周知・広報を続けていかなければならない。'19年は、来年の東京オリンピックへと繋がる非常に重要な年だ。ワークショップの開催や4K8K番組の制作における助成金など、できうる限りのサポートをしていく」と話した。

なお助成金は、放送サービスの人材育成と4K8K全般の普及・発展を目的としたA-PAB実施の奨励制度で、番組制作費として上限300万円が企画応募社に渡すもの。昨年は28企画から7企画が選定され、番組が制作された。来年度分の募集は締め切られ、現在24企画の中から7企画を選定中としている。

A-PAB理事長 福田俊男氏

質疑応答では、民放におけるピュア4K番組の比率は? などの質問に対し、BSフジの荒井昭博氏が説明。「BSフジでは、年末年始の期間で全体の13%にあたる番組をピュア4Kで放送した。局により多少数値は異なるだろうが“ピュア4K番組の比率を2桁とすること”がおおまかな全体目標と考えている。ピュア4K番組はラテ欄やEPGで“4K”のアイコンを表示させることで、アップコンバート番組との区別を付けている。なお、放送時にはSDR番組もHDR変換して送出しており、ピュアHDRか否かの表示は行なっていない」とした。