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新4K8K衛星放送ついに開始! 深田恭子が放送開始ボタン、4K TV普及約10%に
2018年12月1日 10:25
12月1日10時に、BS・CSによる「新4K8K衛星放送」が開局。17チャンネルの放送がいよいよスタートした。4K8K推進キャラクターの深田恭子さんがカウントダウンに参加した開局セレモニーがホテル ニューオータニで行なわれた。
セレモニーでは、開局を前に石田真敏総務大臣や、NHKの上田良一会長、JEITA会長の柵山正樹氏らが登壇して放送開始を祝うコメントを述べた。
石田総務大臣は「11事業者、19チャンネルにおいて実施されることとなっている(BS日テレ4Kは2019年9月1日、WOWOWは2020年12月1日開始予定)が、これだけの規模で実用放送が開始されるのは世界初のこと。これからの課題は普及。視聴者の期待に応える魅力ある番組が何より重要。ドキュメンタリー、バラエティ、ドラマなど、これまで培われたノウハウを活かして、新たな感動を与える番組を期待している。総務省としても引き続き4K8Kの素晴らしさと、それを知るための受信方法を、皆さんと共に周知広報に取り組み、さらに放送を盛り上げたい。これを機に、日本が放送分野をはじめとするけん引役となることに期待する」とした。
そして放送が始まる10時を前に、4K8K推進キャラクター深田恭子さんと関係者が登壇し、“放送開始ボタン”を押すと同時にスタートした。深田さんは既に4K対応テレビは持っていたが、4Kチューナーは昨日11月30日に設置したばかりだという。
BS4KとBS8Kの2つのチャンネルを立ち上げるNHKの上田良一会長は、「放送は最先端技術が支える文化。その先導的な役割を果たすのが公共放送、公共メディアの役割と考えている。特に8Kは世界初の放送。NHKは放送の新たな時代の幕開けとなる放送のサービスと共に、インターネットも活用して、2020年には最高水準の放送サービスを届けることを目指している」と述べた。
民間放送連盟(民放連)の大久保好男会長は、「各社が切磋琢磨して、優れた番組を着実に制作してくれるものと期待している。民放事業者にとって、経営的には厳しい状況での4K放送のスタートとなるが、総務省はじめ関係者の皆様には、この4K放送事業が一日でも早く自立し、自走できるように、これまで以上のご支援とご指導をお願いしたい」とした。
JEITA会長の柵山正樹氏は、受信機器メーカー側の意見として「今後も4K8K技術について利用者のニーズに応えられるように取り組む。2020年東京五輪に向けて、その場にいるような臨場感を最高の画質と音質で楽しんでいただける受信機器を提供する。4K8K技術を活かして、防災、医療、健康、教育など様々な分野で新たな価値の創造を期待している」とした。
世帯普及は推計10%に。集合住宅向け設備改修の助成金再開へ
セレモニーの会場には、4K8Kチューナー内蔵テレビ等の受信機器が展示。新4K8K衛星放送の番組ガイドや番組宣伝映像、新スポットが紹介された。また、最新の市場調査データや、受信機器の販売状況も公表。
A-PAB(放送サービス高度化推進協会)の福田俊男理事長は「2000年のBSデジタル、2003年の地上デジタル開始も12月1日だった。今日は3度目の新しい放送が始まる日。4K放送はこれまで“一部の限られたサービス”だった。これからは、受信可能な世帯が4,000万を超えるBSと110度CSの基幹放送でご覧いただくことになる。キャッチフレーズは“別世界”。推進キャラクターの深田恭子さんには、これからもどんどんPRを続けていただきたい。2020年東京五輪の折には、多くの視聴者が家庭のテレビで新しい放送を楽しんでいただいているという状況を目指して努力を引き続き行なう」とした。
福田理事長によれば、直近の4K対応テレビ世帯普及率は推計で10%を超えている(11月末時点の出荷数を元にしたもの。チューナー非搭載も含む)という。「一つの目安を超えることができた。放送が始まる今日からが、普及に向けての新たなスタートであり勝負」とした。
なお、総務省の補助を受けて行なっている、電波漏洩対策工事の助成金制度について、集合住宅向けの受付が一時中止されていることに関しては、その後進展があり、A-PABは「総務省の予算が復活したと聞いている。再開の時期は未定だが、12月半ばには案内できるのでは」としている。