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ソニー初の4Kチューナ搭載BDレコーダは8.5万円から。4Kダブルでおまかせ・まる録&11倍録画

ソニーは、同社初となる4Kチューナー搭載BDレコーダー「BDZ-FBシリーズ」を11月16日より発売する。3番組同時録画に対応した4TB HDD内蔵の「BDZ-FBT4000」など、全6製品をラインナップ。価格はいずれもオープンプライスで、店頭予想価格は8.5万円~15万円前後。

BDZ-FBT4000

'18年5月に発売したBDZ-Fシリーズの後継機種(BDZ-FT2000のみ継続販売)。シリーズ名のFBは「Four Broadcast」の頭文字を取ったもの。

4Kチューナーを2基搭載し、4K放送番組を最大11倍まで長時間録画できるほか、キーワード登録による自動録画「おかませ・まる録」や、最長1ヶ月前から先行予約できる「新作アニメ・ドラマガイド」など、従来レコーダーで定評のあった機能を4K放送にも対応させているのが特徴。チューナー数とHDD容量以外は、機能や性能は変わらない。

「4K放送録画をカバーしながら、豊富な機能と使い勝手の良さ、そしてストレスフリーな高速動作を目指した。4K録画中のマルチタスク性能や各種編集なども制約なく、2Kの既存ユーザーも安心して4Kに移行しやすい、マーケットを牽引する本気モデル」としている。

なお、同時発表された4Kチューナー非搭載・Ultra HD Blu-ray非対応のエントリーBDレコーダー「BDZ-Zシリーズ」は別記事で紹介している。

BDZ-FBシリーズ(外観とサイズは6モデルすべて共通)

4K放送のダブル録画、11倍長時間モードは搭載。4K録画BDはTS方式

全6モデルで新4K衛星放送対応チューナーを2基、2Kの地上・BS・CS110度デジタルチューナーは、FBT4000/3000/2000/1000で3基、FBW2000/1000で2基搭載する。いずれも4K放送視聴中の4K裏番組録画のほか、4K放送の2番組同時録画に対応。FBT4000/3000/2000/1000であれば、2K番組と合わせて最大3番組の同時録画が行なえる。

4Kをそのまま録画するDRモードに加え、4K放送の長時間録画モードを用意。放送番組を一度HDD内にDR録画した後、H.265/HEVC圧縮で長時間モードに変換する。4K解像度・HDRの情報をキープしながら録画容量を圧縮することで、HDDにより多くの番組が録画できるようになる。

4K長時間録画モードは、1.5倍録画のXR(22Mbps)、2倍のXSR(16Mbps)、3倍のSR(11Mbps)、4倍のLSR(8Mbps)、5倍のLR(6Mbps)、8倍のER(4Mbps)、11倍のEER(3Mbps)の全7種類。11倍のEERモードを使えば、1時間の4K番組容量・約14.9GBを約1.3GBまで圧縮できる。録画モードは番組ごとに選ぶことが可能。

ただし、4K放送番組の高画質視聴にはDRモードを推奨しており、工場出荷時ではDRモードになっているという。なお、2K放送の長時間録画モード(MPEG4 AVC圧縮)は従来と変わらず、最大16倍まで行なえる。

新モデルの番組表。従来のベージュから、グレー基調のカラーへ変更されている。メニューや番組表は2K解像度
※最終仕様と異なる場合あり

4K番組の録画時間は、4TBのFBT4000が約260時間(DR)~2,880時間(EER)、3TBのFBT3000が約195時間(DR)~2,160時間(EER)、2TBのFBT2000/FBW2000が約130時間(DR録画)~約1,430時間(EER)、1TBのFBT1000/FBW1000が約65時間(DR)~約710時間。外付けUSB HDD(USB3.0準拠)への4K放送録画も可能だが、SeeQVaultハードディスクは2K放送録画に限られる。

DRモード、および長時間録画モードで録画した4K番組は、そのままBDダビングが可能。BD記録時は全モードTS方式を採用する。全モードTS方式のメリットは「異なる録画モード同士でもタイトル結合できる」という。他社で記録したMMT/TLV方式の4K録画BDの再生には対応しない。

新作ドラマ・アニメガイドなどの人気機能も4K放送に対応

'18年発売のBDZ-Fシリーズで新規搭載された「新作ドラマ・アニメガイド」に対応。

同機能は、地上・BSデジタルの無料放送チャンネルの中から、連続ドラマ/アニメを最長1カ月前から先行予約できるというもの。インターネットへの常時接続が必要だが、8日前から予約可能になる通常の電子番組表予約よりも予約可能期間が広がることで、取り逃しを一段と防ぐことができる。ガイドの情報提供元はKADOKAWA「ザテレビジョン」で、あらすじやキャスト情報なども取得可能。

新モデルでは、従来の地上・BSデジタルに加え、新4K衛星放送もカバー。NHK BS4K、BS日テレ 4K、BS朝日 4K、BS-TBS 4K、BSテレ東 4K、そしてBSフジ 4Kから新作ドラマ・アニメの先行予約が行なえる。

新作ドラマ・アニメガイドが4K放送にも対応

タレント名やキーワード/ジャンル名を事前に登録すると、関連する番組を自動録画する「おまかせ・まる録」を搭載。学習効果によるレコーダーまかせの“おまかせ録画”はもちろん、ユーザー好みの自動録画条件を細かく設定できる同社レコーダーのオリジナル機能も、今回4K放送に対応した。

例えば、対象チャンネル「NHK BS4K」、録画先「USB HDD」、録画モード「DR」、ジャンル「ドラマ」、キーワード「4K」「HDR」、除外ワード「再」と設定すれば、録画予約をすることなく、自動で「NHK BS4Kから、4K/HDR制作の初放送ドラマを外付けUSB HDDにDR録画」してくれる。

なお、おまかせ・まる録を使った4K放送の自動録画は最大10番組/日。再放送の重複録画を防ぐ“2度録り回避機能”も標準で備えるが「NHKは番組名を細かく変えてしまうことがあるため、この場合、結果的に2度録り回避できない場合もある」という。

ほかにも、録画予約数や口コミ情報を元にジャンル別にランキング表示する「みんなの予約ランキング」、放送日時が変わっても追跡録画を行なう「番組名予約」、3番組同時録画時でも機能する「おまかせチャプター」など、従来の2Kレコーダーから備える各種録画機能も4K放送に対応した。

同社アプリ「Video & TV SideView」を使って、外出先からスマホなどで4K/2K放送番組の録画予約が可能。VGA(640×480)、もしくはQVGA(320×240)解像度になるが、録画済み4K番組の宅外視聴にも対応する。

また新モデルでは、番組表の高速スクロールを実現。「速度は従来比の2倍。スクロール時も番組選択部分やテキストが消失することなく、選択部分がいまどこにあるかがハッキリ分かる、ストレスを感じさせない操作性を目指した。スクロールだけでなく、全体の操作レスポンスも向上している」という。

番組表の高速スクロールを実現

同社テレビBRAVIAとの連携機能も引き続き搭載。

4K BRAVIAに最適な映像に調整して出力する「4Kブラビアモード」は、4K放送番組用のチューニングを設けるなどして、'18年モデルでは約500パターンだった画質調整パラメータを2,500パターンまで増加。パラメータの各項目を自動で解析することで、従来モデルよりも精度が向上したという。またBRAVIAリモコンを使ったレコーダーの操作、BRAVIAリモコンの「Googleアシスタント」ボタンを押してレコーダー内の録画番組を音声検索することもできる。

4Kハンディカムやアクションカメラなどで撮影した4Kカメラ動画(MP4)/AVCHDのUSB取り込みにも対応。取り込んだ動画データは再生や編集、BD保存ができる。静止画の取り込みにも対応する。

Ultra HD Blu-ray対応。PCM 192kHz/24bit、DSD 5.6MHzのハイレゾ再生が可能

Ultra HD Blu-rayの再生に対応したBDドライブを搭載。BRAVIAなど4K/HDR対応のテレビと接続することで、高品位な映像コンテンツが視聴できる。UHD BDは4K放送録画時でも再生が可能。Dolby VisionやHDR10+のHDR方式には対応しない。

Ultra HD Blu-rayの再生に対応

2K放送やBDを超解像技術で高精細化する「4Kアップコンバート」(60p対応)や信号解析による映像処理技術「HDリアリティエンハンサー」、フレーム/ブロック/モスキートノイズを除去する「ピュアイメージリアライザー」のほか、モニター別画質プリセット機能なども搭載する。

音声面では、従来機同様にハイレゾ音源の再生をサポート。PCとレコーダーを同一ネットワーク内に接続し、ハイレゾ音源をレコーダーへLANコピーすると、メニューの音楽リストからデータの再生が行なえる。対応フォーマットは、最大192kHz/24bitのWAV/FLAC、最大5.6MHzのDSDのハイレゾ音源に加え、MP3とAACに対応。テレビの音声もハイレゾ相当(最大96kHz/24bit)に復元する「DSEE HX」も搭載する。

レコーダーで録画した番組や受信中の2K番組が別部屋のテレビなどで再生できるソニールームリンク(DLNAサーバー)機能を搭載。LANを使ったスカパー! プレミアムサービスLink録画や、CATV LAN録画にも対応する。YouTubeなどのネット動画機能は搭載しない。

HDMI出力は、映像・音声信号用と音声信号専用の2系統を装備。HDCP 2.2や4K/HDR非対応のAVアンプやサウンドバーなどとも接続が可能で、ノイズを軽減した、より高品位な音声が出力可能。

背面

HDMIのほか、録画用USB 3.0×1(背面)、前面に汎用USB 2.0×1(前面)、LAN端子を装備。Wi-Fi機能を内蔵する。

消費電力は、FBT4000/3000が33W、FBT2000が31W、FBT1000が30W、FBW2000が29W、FBW1000が28W。

年間消費電力は、FBT4000/3000が約27kW/年、FBT2000/FBW2000が約26kW/年、FBT1000/FBW1000が約25.5kW/年。

突起部を含む外形寸法は、全モデル共通で430.2×224.5×56.4mm(幅×奥行き×高さ)。重量は、FBT4000/3000/2000/FBW2000が約3.7kg、FBT1000/FBW1000が約3.5kg。

リモコン