ニュース
Noble Audio、「TWS史上最高音質」目指した上位機「FALCON PRO」
2020年12月4日 10:00
エミライは、Noble Audioの完全ワイヤレスイヤフォン新モデルとして、「(同社の)完全ワイヤレスイヤフォン史上最高音質を実現した」という「FALCON PRO」を12月18日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は26,900円前後。
10月に発売された「FALCON2」(実売13,900円前後)をベースとしながら、さらなる高音質を追求した上位モデルで、「TWS史上最高音質」をテーマに、「完全ワイヤレスイヤフォンの理想を体現する製品」と位置づけている。
ユニット構成がダイナミック型ドライバーのみのFALCON2とは異なり、FALCON PROは高域用に米Knowles製の最新世代BA(バランスドアーマチュア)ドライバー「SRDD」を採用。中低域用には、6mm径のチタンコーティング振動版「Tri-layered Titanium-coated Driver (T.L.T. Driver)」を採用したダイナミック型ドライバーを搭載した、ハイブリッド構成となっている。アナログ方式のクロスオーバーネットワークも内蔵した。再生周波数帯域は20Hz～24kHzというワイドレンジで、ハイレゾ帯域もカバーする。
搭載しているBAの「SRDD」は、2基のBAで構成されたドライバーで、「豊かな高域表現と広大な音場、精密なフォーカス感をもたらす」という。SRDD BAドライバーはノズル先端に配置し、高い取付精度で効果的な配置をすることで、音導管での信号ロスや反射効果を最小限にとどめ、きめ細かなチューニングを可能にしたという。
ダイナミック型の振動板「T.L.T. Driver」は、FALCON PROで初めて採用されたもので、ポリウレタンとポリエーテルエーテルケトンという特性の異なる樹脂を組み合わせた複合素材振動版。これにチタンコーティングを施すことで、高剛性・軽量性・高い内部損失をハイレベルに両立させたとする。
FALCON2と同様、“Wizard”の異名を持つジョン・モールトン氏がチューニング。SRDDとT.L.T. Driverとの帯域分割を最適化した専用クロスオーバーネットワーク、アコースティック・ダンパーにより空気の流れを調整するという物理的な音響特性の調整、DSPによる音響特性の再調整、という3つの要素を掛けあわせることで、「完全ワイヤレスイヤフォンの常識を覆す圧倒的な音質を実現している」という。
心臓部のSoCには、Qualcommの最新世代チップである「QCC3040」を採用。さらなる高性能と低消費電力を実現しているほか、左右のイヤフォンへそれぞれデータを伝送する「TrueWireless Mirroring」にも対応。左右で1つのBluetoothアドレスを共有するため、ペアリングをする時には接続元デバイスには1つの接続先として表示され、1度ペアリングするだけで使える。左右イヤフォンのロールスワッピング機能にも対応し、バッテリーの片減りを防止する。このTrueWireless Mirroringは、Androidデバイスだけでなく iOSデバイスでも利用可能。
接続安定性をさらに高めるため、初代FALCONの2倍の電波強度を実現したという「High Precision Connect Technology 2」も投入。SoCやアンテナの部品の選定だけではなく、イヤフォン装着時のアンテナの位置・角度を、イヤフォン使用時の通信状況にあわせて最適化。アンテナ基板を、装着した際に信号強度が最も減衰しにくい場所に配置。電波干渉の多い環境でも極めて安定した通信が可能という。
Bluetoothのコーデックは、SBC、AACに加え、aptX Adaptiveにも対応。高音質と低遅延をハイレベルに両立させるコーデックで、通信環境に合わせて、279kbpsから420kbpsの間でビットレートが自動的に調整され、接続安定性を確保。新たな圧縮アルゴリズムによる可変ビットレート方式を採用することで、最高品質時はaptX HD同等の24bit/48kHzの伝送もできる。
オーディオデータのヘッダー内からフォーマットの種類やダイナミックレンジなどの情報を読み取ることで、コーデック側でどのようなパフォーマンスを行なうかも判断。ゲーム利用時にはレイテンシーの確保を優先し、音楽プレーヤー利用時は音質を優先する処理を行なう。
外音取り込みのヒアスルー機能も搭載。FALCON2と同様の機能で、音楽再生中でも、音楽停止中でも利用可能。本体のタップセンサーの操作で簡単にオン/オフが切り替えられる。
シェル形状は新規に開発されたもので、ユニバーサルのイン・イヤー・モニター(IEM)をデザインモチーフとしたエルゴノミクスデザインを採用。「ハイブリッド構成でありながらFALCON2から大型化することなく、高い装着感を実現している」という。本体にはタップセンサーを内蔵し、イヤホンを取り出す際にセンサーが誤動作することを防いでいる。
イヤーピースは、ePro Audioが新たに開発したTWS専用ホーン形状ピース(大口径タイプ)を採用。シリコンとグラフェンの配合比率を見直し、より耐久性を向上させながら、耳の形にフィットする柔軟性も持たせている。さらに、内側にリブを設け、装着しやすくするとともに、抜けにくく改良されている。
イヤフォン本体の重量は約6g(片方)。充電ケースは52.5g。イヤフォン本体は1時間でフル充電が完了し、再生時間は10時間。15分の充電で2時間の連続再生が可能な急速充電にも対応する。充電ケースはUSB-Cを備え、1.5時間でフル充電が完了。フル充電時にはイヤフォン本体を約4回充電でき、計50時間の連続再生が可能。
充電ケースは無線充電にも対応し、無線充電パッドに置くことで充電が可能。ケース中央にリセットボタンを搭載し、イヤフォンのリセットを簡単、確実に行なえる。
防水規格IPX5に対応。あらゆる方向からの噴流水によっても有害な影響がないという。
細かい設定変更が可能な専用アプリ「Noble Sound Suite」も装備。イヤフォン本体にあるボタンの機能割り当てを自由に設定変更でき、イコライザー機能、OTAファームウェアアップデート機能も利用できる。