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ソニー、LDAC対応/NC進化、小さくなった完全ワイヤレス「WF-1000XM4」
2021年6月9日 10:02
ソニーは、ノイズキャンセリング性能をさらに高め、ワイヤレスでもハイレゾが楽しめるLDACに対応した完全ワイヤレスイヤフォン新モデル「WF-1000XM4」を発表した。6月25日発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は33,000円前後。カラーはブラックとプラチナシルバーの2色。
WF-1000XM3の後継モデル。1000XM3ユーザーから要望があったLDACへの対応や、イヤフォンサイズの小型・軽量化、ハンズフリー通話のマイク性能強化、防滴性能の追加、ノイズキャンセリング(NC)時に風切り音が気になるといった改善点を、ほぼ全て解決したという。大まかには、既に発売されているヘッドフォンの「WH-1000XM4」の進化ポイントを、完全ワイヤレスにも投入したモデルとなる。
業界最高クラスのノイズキャンセリング性能
WF-1000XM4では、従来モデルからアクティブNC機能をさらに強化。低音域から高音域に至るまで広い帯域で耳に届くノイズを減らし、「さらなる静寂を感じられる」という。ソニーでは「業界最高クラス」としている。
具体的には、統合プロセッサー「V1」を搭載。WF-1000XM3から処理能力を進化させており、低歪率と高SN比を実現し、高精度な逆位相信号の生成と音楽再生を実現。より低遅延で逆位相信号を再生できるようになり、特に高音域のキャンセル性能が向上した。なお、V1での信号処理は24bitで行なわれている。
さらに、独自開発の「ノイズアイソレーションイヤーピース」を同梱。素材としてポリウレタンフォームを使ったもので、高音域の遮音性能がアップ。なお、このイヤーピースはWalkman WSシリーズ、スポーツモデルなどアークサポータ付属モデルを除く全てのソニー製インイヤーイヤフォンで利用でき、3サイズセットで「EP-NI1000」という型番で、6月25日に単品でも発売される。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は1,980円前後。
ドライバーユニットも進化。専用設計の6mm口径で、磁気回路のマグネット体積を20%向上。ハイコンプライアンスな振動板を採用するなどの工夫や、ストローク量を大きくしながら、より精密に動かすためにボンドの塗布量を調整するなどして、性能を向上。豊かな低音域を再生できるほか、低音域のキャンセル量も向上させた。
さらに、BluetoothのSoCの性能もアップ。省電力化を図りながら、業界最高レベルのNCを実現したという。
WF-1000XM3で要望が多かった風ノイズや外音取り込み機能も向上。強風の際、フィードフォワードマイクが自動でオフとなり、自動で風ノイズを軽減。外音取り込み機能では、信号処理における外音取り込み量を増やすことで、特に高域がより自然な聞こえ方になったという。
LDACに対応。360 Reality Audio認定も
Bluetoothのコーデックは、AAC、SBC、LDACに対応。ハイレゾコンテンツをLDACコーデックで最大転送速度990kbpsで伝送する場合、ワイヤレスでもハイレゾ級の音質で楽しめるという。なお、アプリの「Sony | Headphones Connect」から操作する必要がある。
さらに、「Sony | Headphones Connect」から機能をオンにすることで、「DSEE Extreme」も利用可能。CDやMP3などの圧縮音源を、SBC/AAC/LDACのコーデックでBluetooth再生する際、最大96kHz/24bitまで拡張してハイレゾ級の高音質で楽しめるという。なお、再生機器の仕様によっては、圧縮音源をLDACで伝送する場合でもDSEE Extremeが無効になる場合があるという。
360 Reality Audio認定モデルでもあり、個人の耳に最適化した状態で、立体音響が楽しめる。
通話品質も改善。筐体は小さく、軽量に
4つのマイクとセンサーを最適に制御する事で、通話品質も改善。ビームフォーミング技術を使って声を集音しているほか、骨伝導センサーも搭載し、ユーザーが発した声を骨振動によって集音している。
イヤフォン本体は約10%の小型化を実現。装着した状態での、耳からの出っ張りも少なくなった。重量は前モデルの約8.5gから、約7.3gへと軽量化している。
充電ケースも、内蔵するバッテリーサイズを小さくする事で約40%の小型化を実現した。
イヤフォン形状も変化。従来モデルは、エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャーにより、耳と触れる3つの点で支える構造だったが、接触面を増やすような形状設計に変更。新たなエルゴノミック・サーフェース・デザインと、前述のノイズアイソレーションイヤーピースにより、イヤーピースを保持する力が多方向に働くことで、「快適なつけ心地」と「安定した装着性」を実現したとする。
また、アプリで装着状態がテストできる。イヤーピースが密閉しているかどうか、どのイヤーピースサイズがユーザーの耳に適しているかといったテストやアドバイスを、アプリが行なってくれる。
接続安定性も向上。統合プロセッサーV1により、通信アルゴリズムが最適化されてWF-1000XM3よりも接続が安定。動画視聴時の遅延も低減したという。Bluetoothは5.2に準拠。ペアリングした端末を問わず、左右同時伝送が可能な方式になっている。
IPX4相当の防滴性能も搭載。雨や汗を気にせずに音楽を楽しむことができる。
バッテリー持続時間も進化。イヤフォン本体のみを使っている場合、NC ON時で従来の6時間から、8時間利用できるようになった。NC OFF時は8時間から12時間となっている。ケースでの充電を併用した場合の使用時間は24時間で同じ(NC ON時)。5分の充電で、60分の使用ができる。
また、充電ケースはワイヤレス充電のQiにも対応。対応するスマートフォンなどから、おすそ分け充電が可能。
スマート機能のスピーク・トゥ・チャットも搭載。ユーザーが声を発したのを検知すると、相手の声を取り込み、イヤフォンを装着したままでも返事がしやすい。
さらに、Amazon AlexaやGoogleアシスタントを、声で起動できるようになった。
近くにペアリング可能なAndroid端末があると、その画面にポップアップで知らせ、すぐペアリングを始められる「Fast Pair」に対応。専用のアプリで、最後にAndroid端末と接続した場所を地図上で確認できる「端末を探す」アプリにも対応する。
さらに、イヤフォンの電源が入ると、Androidスマホの画面でバッテリー状況をポップアップで知らせる機能も備えている。
Windows 10のSwiftPairにも対応。ペアリングモード中のイヤフォンをWindows 10パソコンに近づけると、ポップアップで接続ガイダンスが出現する。
製品のパッケージは、環境に配慮したものに変更。体積を従来モデルから66%コンパクトにした。ソニー独自の「ブレンディッドマテリアル」で、プラスチックフリーも実現している。
【お詫びと訂正】記事初出時、“体積を従来モデルから34%コンパクトに”と記載しておりましたが66%の誤りでした。お詫びして訂正します。(6月11日20時30分)