ミニレビュー
ソニーの低価格完全ワイヤレス「WF-H800」と「1000XM3」をさっそく聴き比べた
2020年2月18日 13:05
ソニーから発表された、完全ワイヤレスイヤフォンの新モデル「WF-H800」。人気モデル「WF-1000XM3」(オープン/実売25,880円前後)に投入された高音質技術をH800も搭載しながら、小型・軽量化も実現。そして価格を実売22,000円前後に抑えた注目機だ。短時間ではあるが、そのサウンドを1000XM3と比較試聴したので、印象をレポートしよう。
H800の詳細は、ニュース記事に掲載している。簡単に1000XM3とH800の主な違いを列挙すると、以下の通りだ。
- WF-1000XM3の実売は約25,880円前後、WF-H800は約22,000円前後
- 1000XM3はNC(ノイズキャンセル機能)搭載、H800は非搭載
- 外音取り込み機能も1000XM3のみで、H800は非搭載
- H800は、1000XM3よりも小型・軽量、ケースもコンパクト
- Bluetoothの左右同時伝送方式は1000XM3、H800どちらも同じ
- 本体の操作が1000XM3はタッチセンサー、H800はボタン
実物を見ると、まず感じるのH800の方がカラーバリエーションが豊富で(1000XM3は2色、H800は5色)、バリエーションにポップなカラーが多い事。
また手にするとH800の方が小さい。1000XM3の筐体は“横長”の印象だが、H800は“豆”のようなイメージだ。重さも1000XM3の約8.5gと比べ、H800の方が約7.6gと軽い。小さく軽いため、H800の方が耳に装着しやすく、装着後の安定感も高く感じる。
本体よりも大幅に小さく、軽いと感じるのは充電ケースだ。並べると一回り小さい印象で、重さも1000XM3の約77gから、H800用ケースは約48gと軽量化した。なお、H800のイヤフォンのみので再生時間は最大8時間で、1000XM3のNC機能OFF時と同じ。ケースでの充電と併用し、16時間の再生が可能だ(1000XM3は24時間)。
音を聴き比べてみる
WF-1000XM3は、音質面でも評価の高いモデルだが、大まかなサウンドの傾向としては、中低域がやや強め。ベースラインをゴリゴリと主張し、中高域も輪郭がシャープ。メリハリの効いた、クリアなサウンドだ。
それに対して、新モデルで下位機種に相当するWF-H800は、そこまでキャラクターの主張が強くない。ナチュラルでおだやかな描写であり、特定の帯域が強く主張するサウンドではない。低域から高域までバランスが良く、どちらかというとモニターライクな、自然なサウンドだ。
「あいみょん/マリーゴールド」のような女性ボーカルでも、人の声が自然で、高域の抜けも良く、高い音に不自然な響きなども乗らない。H800のサウンドは、多くの人が聴きやすく、好ましいと思うサウンドと言えるだろう。
しばらくH800を聴いた後で、1000XM3に戻ると、音の輪郭とメリハリが強く、さらに中低域のパワフルさがアップ。音楽に迫力が出て、聴いていると強烈で気持ちが良いサウンドだと感じる。聴き比べると、1000XM3の方が派手で好きだという人も多いだろう。ただ、個人的にはH800の方が強調が少なく、聴き疲れしないサウンドで、好印象だ。