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Premiere Pro、レガシータイトル廃止。整列機能がより使いやすく

アドビは、10月19日、20日(米国では18日から20日)に開催される「Adobe MAX 2022」に合わせてCreative Cloud製品のアップデートを公開。動画関連では、Premiere Proのレガシータイトルが今回のアップデートで完全に廃止されるほか、After Effectsでは、1つのマットを任意の複数レイヤーに適用できる新機能などが追加された。

Premiere Pro

Premiere Proは、従来の文字表現で使用されていたレガシータイトルの機能のほとんどがエッセンシャルグラフィックへ移行完了したことで、今回のアップデートをもってレガシータイトルを廃止。また、エッセンシャルグラフィック機能では、境界線の内側の色を編集可能にする新機能を備え、より文字で表現できる幅が広がったとしている。

境界線の内側の色は、エッセンシャルグラフィックパネルのアピアランス内にある「境界線」メニューの右側のタブ内に追加された「内側」を選択することで、文字の境界線から内側に向けて色を付けられるため、既存のフォントでも今までと異なる印象が与えられるようになる。

境界線のタブ内に「内側」が新たに追加
境界線の外側にグラデーションがかかっている状態
グラデーションを境界線の内側に。印象がだいぶ変わる

同じくエッセンシャルグラフィックパネル内にある整列機能も強化。新たに「ビデオフレームに合わせる」という項目が追加された。

整列メニュー内のタブに新しい項目が追加

従来は、選択したもの同士を基準にして、どちらかの上下左右、中央揃えに合わせて整列させるという操作しかできなかったが、今回、整列アイコン下のタブを「ビデオフレームに合わせる」にすることで、その整列の基準をビデオフレームにすることができるようになった。

これにより、画面の上下左右に文字を寄せる、画面の中心に文字を配置するといった操作がワンクリックで行なえるようになった。また、複数選択したもの同士の位置関係はキープしたまま整列機能が使える「グループとしてビデオフレームに合わせる」という項目も追加されている。

フォントを一括変換できる機能も新たに搭載。シーケンス内の文字を複数選択して、エッセンシャルグラフィックパネルのフォントを変更すると、全ての文字のフォントを一括変換できるようになった。また、カラーや境界線なども一括変換が行なえるため、シーケンス内の文字を揃えたいといったような際の作業が効率的に行なえるようになった。

シーケンス内の文字を複数選択してフォントを設定すると一括変換できるようになった

そのほか、After Effectsからのアニメーションタイトルやモーショングラフィックテンプレートのマルチフレームレンダリングをサポートし、プレビュー再生とレンダリングが200%以上向上したという。

After Effects

After Effectsでは、「選択可能なトラックマット」機能を新たに搭載。従来はマットを適用したいレイヤーごとに個別のマットを作成する必要があったが、レイヤーの重ね順に関係なく、1つのマットを複数のレイヤーに適用できるようになった。これにより、マットの編集や複数箇所の一括変換が容易にできるようなったほか、扱うレイヤー数を削減し、管理しやすくなる。

反映させるトラックマットをタブから選択できるように

例えばマスクを作成する際に、従来はマスクの形状となる素材のレイヤーを上に置いてからマスクを作成し、元の位置に戻してマスクの中に入れたい素材を当てはめるという手順が必要だったが、トラックマットの選択機能を使って、マスクを切りたいオブジェクトを選択するだけで、レイヤーの順番を替えることなく、任意のオブジェクトでマスクを作成できる。

また、トラックマットから作成したマスクを反転させることも可能になり、マスクに関するトラックマットの利便性が向上している。

背景のテクスチャに対して丸形のマスクを作成……すると丸の内側にテクスチャがかかってしまっている
トラックマットの反転をクリック(画像内の赤枠の部分)
テクスチャが丸の内側ではなく、外側に掛かるようになった

そのほか、50以上の新しいアニメーションプリセットを追加。H.264エンコードにも対応した。

Frame.io、撮影中の映像をクラウド共有。Adobe Stockには新無料素材追加

Frame.ioもアップデート。カメラからクラウドへ直接撮影したデータを送信できるCamera to Cloud機能において、撮影中の映像データをそのままクラウドへ自動送信できる機能を新搭載し、富士フイルムとRED Digital Cinemaのカメラが対応した。

自動送信はRAW映像も可能で、クラウドにアップロードされた映像は、Premiere Proなどからもアクセス可能となり、撮影中に編集作業を開始することもできる。

全てロイヤリティーフリーの素材を取りそろえたAdobe Stockには、新たに新素材として、縦型ビデオ(有料35,000点、無料15,000点)、無料オーディオ(1,000点)、無料オーディオループ(1,000点)を追加。そのほか、静止画についてはPNG形式の素材のダウンロードに対応した。