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オーテク、木製ハウジングでDAC/アンプ/バッテリ左右独立「前人未踏ヘッドフォン」

ATH-WB2022

オーディオテクニカは、創業60周年記念モデルを追加発表。「前人未踏のハイエンドデジタル接続ヘッドフォン」として、木製ハウジングを採用し、独立したDACとオペアンプを搭載。ワイヤレス/USBデジタル接続の両方で96kHz/24bitのハイレゾ音源まで対応した「ATH-WB2022」を2023年1月20日に発売する。価格は396,000円。世界で600台の限定生産で、11月7日10時から直販サイトで予約販売を開始する。

木のヘッドフォンで培った経験を活かした異なる木材による3層構造ハウジングと、世界初という完全バランス音声出力システムを採用したワイヤレスヘッドフォン。「音の入り口から出口まで、すべてのプロセスをこだわり抜いた、ピュアオーディオに迫る唯一無二のサウンド」が楽しめるという。

ユニットは、広帯域再生を実現する新設計の45mm径HDドライバー。自社工場で成型した振動板を採用。純鉄一体型ヨークを採用した高性能磁気回路や、高純度の7N-OFCボイスコイルも搭載。解像度の高い低域を生み出すため、新製法振動板にDLCコーティングを施した。これらの工夫により、「高レスポンスかつ表現力豊かな音を再生する」という。

ATH-WB2022

オーディオテクニカのウッドモデル初のワイヤレスヘッドフォンとなり、希少価値が高く、高級な弦楽器で用いられる無垢のフレイムメイプル材、ウォルナット材、マホガニー材を組み合わせた3層構造になっており、「異なる木材の組み合わせにより、優れた音響特性と制振性能を存分に発揮する」という。

ハウジングの加工から塗装までの工程を、日本を代表するギターメーカー・フジゲンで実施。木材調達から選定、高精度な木材加工を行ない、「ハウジング表面を手加工で削ったときに浮かび上がるウォルナットとマホガニーのレイヤーが、真円に浮かび上がる精度に職人技が活かされている」とのこと。

DACチップはESS製「ES9038Q2M」で、左右に1基ずつ、計2基搭載。「変換における過渡応答特性や全高調波歪みのリニアリティを極限まで向上させ、これまでのヘッドフォンにはない低ノイズ・低歪を実現し、ピュアなオーディオに迫る音を再生する」という。

オペアンプには、MUSESシリーズのフラッグシップチップ「MUSES05」を採用。1回路品では珍しく入力段と出力段を分離した2チップ構成で、相互干渉を排除。フルバランス型差動増幅回路により超低歪率を実現した。

前述のように左右で独立したDAC、オペアンプを搭載するほか、バッテリーも左右独立で搭載。これにより、ヘッドフォンで「世界初の完全バランス音声出力システムを採用した」という。「左右間のクロストーク・ノイズ干渉を発生させない、チャンネルセパレーションに優れたサウンドを提供する」とのこと。

Bluetoothのコーデックは、最大96kHz/24bitまで対応するLDACをサポート。AAC/SBCコーデックも使用できる。音と映像のずれを抑える低遅延モード(Low Latency Mode)も備えている。

デジタル信号のまま音楽データをヘッドフォンの回路に伝送できるUSB接続にも対応。「ハイレゾ音源を余すことなく伝送できる」とのこと。

1.5mのオーディオグレードUSBケーブル(USB-C to USB-A)と、1.5mのオーディオグレードケーブル(USB-C to USB-C)を付属。両ケーブルともに、信号線には6N-OFCの銅線を使っている。

2台のBluetooth機器へ同時接続できるマルチポイントに対応。専用アプリ「Connect」も用意し、デフォルトでは16段階の音量調整を、32段階、64段階、100段階まで切り替え可能。オリジナル(フラット)と4つのプリセットイコライザーで音の変化を楽しんだり、自分で自由にイコライザーをカスタマイズして音を追い込む事もできる。

左側のハウジングで電源ON/OFF、再生/一時停止、曲送り/曲戻しを、右側のハウジングで音量調整が操作可能。

フル充電で9時間の使用が可能。オートパワーオフ機能も備える。充電がなくなってもUSB接続で使用できる。

通話用マイクとして、自社製の大口径10mm径コンデンサーマイクを搭載。通常のMEMSマイクと比較し、SN比に優れたフラットな周波数特性で、「より自然で聴き取りやすい音声通話を実現する」という。通話機能はBluetooth接続時のみで、USB接続時は動作しない。

イヤーパッドとヘッドバンドには、肌触りが良く、耐久性と通気性に優れるイタリア製アルカンターラの人工皮革を採用。これまでのアーム機構とは異なる、支点を最適化した独自のジョイント構造を新規開発。ヘッドバンドの曲率・寸法・バランスを一から見直すことで、ヘッドバンドがより頭部に沿う形状になったという。

収納ケースはゼロハリバートン製。パッケージは日本の伝統的技法である越前和紙を採用。本体にある金属プレートには、シリアルナンバーがレーザー刻印される。

また、左右それぞれに内蔵されているバッテリーを、購入した全ユーザーが無償で1回交換可能。その際には、より長くヘッドフォンを愛用できるように、アルカンターラ素材のイヤーパッドが、バッテリー交換の際に1セットプレゼントされる。