ニュース

小型でスピーカー鳴らせる10万円以下のネットワークオーディオ「POWERNODE EDGE」

「POWERNODE EDGE」(N230)使用イメージ

PDNは、BLUESOUNDの新製品として、ネットワークプレーヤー機能とスピーカー用アンプを内蔵しながら、デスクトップにも設置しやすいコンパクトさを実現、壁掛けも可能な「POWERNODE EDGE」(N230)を2023年2月に発売する。HDMIも搭載し、テレビとも連携可能。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は99,000円前後。カラーはブラックとホワイトの2色。

カラーはブラックとホワイトの2色

外形寸法219×193×44.5mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトかつ薄型な一体型オーディオ。1Uラックの高さとハーフサイズの幅で、重量は1.37kg。筐体内に40W×2ch(8Ω)の「DIRECTDIGITAL」アンプを備え、192kHz/24bitまでの音楽ファイルを再生可能。MQAの再生もサポート。ブックシェルフスピーカーなどと組み合わせて、デスクトップオーディオ環境を構築できる。サブウーファー出力も装備する。

DIRECTDIGITALアンプは、アンプとDACを組み合わせたダイレクトデジタルシステムを採用。AXIGNの「AX5689」というチップを使っており、クローズドループ設計により、ノイズを抑え、クリーンで歪のない信号を出力できるという。

底面にネジが切ってあり、付属の金具を使って壁掛けも可能。クローゼットやソファの裏側に隠して設置する事もできる。

付属の金具を使って壁掛けも可能

eARC対応のHDMI端子も1系統搭載。テレビとHDMIケーブル1本で接続し、テレビの音声を、POWERNODE EDGEに接続したオーディオ・スピーカーから再生できる。ドルビーデジタルのデコードも可能。HDMI以外にも、光デジタル/アナログステレオミニの兼用オーディオ入力端子を備えている。

背面。HDMI端子も備えている

BluOSを採用し、Amazon Musicなどを含めた20以上の音楽配信サービスと、数千のインターネットラジオ局を再生可能。LAN内に保存した音楽ファイルの再生もできるほか、USB端子も備え、接続したUSBストレージ内の音楽ファイルも再生できる。

AirPlay 2とBluetoothにも対応。BluetoothのコーデックはaptX HDもサポートする。Spotify Connect、Tidal Connect、Roon Readyにも対応する。再生制御はiOS、Android、Mac、PC用のBluOS Controllerアプリから可能。BluOSを活用し、高性能なマルチルームシステムも構築できる。デュアルバンドWi-Fiを備えるほか、ギガビット対応のLAN端子も装備する。

上位機種と同じ、クアッドコア1.8GHz ARM Cortex A53プロセッサーを内蔵し、動作速度も快適だという。

なお、有線のヘッドフォン出力は搭載していないが、前述のようにBluetoothはサポートしているため、ワイヤレスヘッドフォンは使用可能。

赤外線リモコンの学習機能を備え、テレビのリモコンなどからPOWERNODE EDGEを操作する事もできる。

付属のLANケーブルは、本体カラーにマッチするカラーのケーブルを同梱している

POWERNODE(N330)とPOWERNODE EDGE(N230)の違い

POWERNODE(N330)とPOWERNODE EDGE(N230)を並べたところ。大幅に薄い

ネットワーク再生が可能で、スピーカーをドライブできる一体型アンプとして「POWERNODE(N330)」という製品も発売されているが、POWERNODE EDGE(N230)との大きな違いはサイズと価格。実売10万円を超えるPOWERNODE(N330)に対して、POWERNODE EDGE(N230)はリーズナブルな価格に抑えられており、筐体もより薄く、小さい。

アンプやDACの仕様は異なり、POWERNODE(N330)はDACチップに「PCM5242」をディファレンシャル出力構成で採用。アンプはハイブリッドデジタルで出力は80W/ch。対してPOWERNODE EDGE(N230)は前述の通り、DACとアンプを兼ねたAXIGNの「AX5689」を採用し、出力は40W/ch。POWERNODE(N330)の方が、よりパワフルなアンプになっている。

細かいところでは、POWERNODE(N330)は有線のヘッドフォン出力を前面に備えているが、POWERNODE EDGE(N230)はワイヤレスのみ。

また、どちらの製品もBluOSのワイヤレスホームシアターをサポートした製品で、組み合わせてホームシアターも構築できるが、POWERNODE(N330)がフロント用、リア用、どちらのアンプとしても使えるのに対し、POWERNODE EDGE(N230)はリア用アンプとしてのみの対応となる。

ネットワークプレーヤーの「NODE」(右)よりもわずかに薄い

音を聴いてみる

スピーカーを繋ぐだけで、ネットワークオーディオ再生環境が構築できる製品であり、デスクトップオーディオとして注目度が高い。また、HDMIも備えているため、テレビ内蔵スピーカーやサウンドバーからのステップアップとして、AVファンにも気になるアンプになるだろう。短時間ではあるが、Amazon Musicから、何曲か再生して音質をチェックしたので、ファーストインプレッションをお届けする。

なお、組み合わせるスピーカーとしては、小型のブックシェルフなどが最適と思われるが、DACアンプとしての実力を知るために、あえてParadigmのフロア型「Founder 80F」(ペア55万円)をドライブしている。

この薄さで大丈夫かな? と心配になるが、タブレットでアプリを操作し、Amazon Musicから「ダイアナ・クラール/月とてもなく」を再生すると、そんな不安は吹き飛ぶ。しっかりとした低音を再生できており、かつ、低音の中のキレも良い。アコースティックベースの弦が震える様子や、ピアノの左手も、不必要にボワッと膨らむ事が無く、音の輪郭がシャープだ。

この、低域をしっかり出しつつ、解像度の高さも共存したサウンドがDIRECTDIGITALアンプの醍醐味だろう。低音に限らず、細かな音が高解像度に聴き取れるので、ブックシェルフスピーカーと一緒にデスクトップに設置し、ニアフィールドリスニングする時も、今まで気が付かなかった音にハッとしたり、ハイレゾならではの微妙なニュアンスを聴き取れる瞬間があるはずだ。

ノイズや歪も少ないため、「米津玄師/KICK BACK」のような、ハイスピードで多様な音が入り乱れるような楽曲も、音の1つ1つがほぐれ、スッキリと見通しが良い。キレの悪いアンプでは、ゴチャゴチャして何がなんだかわからなくなるが、POWERNODE EDGE(N230)であればこうした最新のポップスも楽しく、心地よく聴けるだろう。