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Chord、約7万円のDAC/ヘッドフォンアンプ「Mojo」披露。単体プレーヤー/レンダラー化も
(2015/10/24 17:17)
10月24日~25日の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催されている「秋のヘッドフォン祭 2015」。その中で、アユートが発表会を開催。英Chord ElectronicsのDAC搭載ヘッドフォンアンプ「Mojo(モジョ)」を初披露した。11月14日発売で、価格はオープンプライス。直販価格は73,440円(税込)。Mojoという製品名は「Mobile Joy」の略。
モバイルUSB DAC「Hugo」の人気を受け、さらにコンパクト化したポータブルUSB DAC/ヘッドフォンアンプ。DACには、Xilinx(ザイリンクス)のArtix7 FPGAを用いており、独自のアルゴリズムを用いてPCMは最大768kHz/32bit、DSDは11.2MHzまで再生する。ダイナミックレンジは125dB。
来日したChief Executive/Senior DesignerのJohn Franks氏は、Mojo開発の経緯について「Hugoはモバイル向けとして設計したものだが、持ち運べるデスクトップ向けの製品としては評価されたが、ポータブル向きではなかった。そこでこの3年、ポータブル市場の動向を見ながら、より小さく、それでいて一切の妥協を排した設計をまた一から行ない、誕生したのがMojoだ」と説明。
FPGAを使ったデジタル処理部分は、Hugoから引き続きRob Watts氏が担当しているが、開発の前段階では「(Mojoのような小型サイズで妥協のないサウンドを出すのは)インポッシブルだ」と答えるほどMojoのサイズで高音質を実現するのは困難だったという。
しかし、今年の8月に登場したばかりの第7世代FPGA「Artix7」が、Hugoで使われているチップと比べると、4倍の集積密度で、バッテリ消費が約半分になるなど高性能化した事もあり、Mojoのサイズが実現できたという。
ブログ「Music To Go」を運営し、ライターとしても活躍している佐々木 喜洋氏は、試聴したMojoのサウンドについて、「非常に透明感、解像力があり、音像が正確で緻密。Hugoとあまり変わらないか、それに近いくらいの音質レベルがこの小さな筐体で楽しめる」と、高く評価した。
ボディは音響的に優位性が高いというブロック削り出しの航空機グレードアルミを採用。電源とボリューム用に白くて丸いボタンを採用しており、そのボタンがLEDで光る。再生音源のサンプリングレートをLEDのカラーの変化で表示する。
入力端子はmicroUSB×1と、同軸デジタル×1、光デジタル×1。iPhoneやiPodとはLightnning-USBカメラアダプタを用いて接続可能、ウォークマンNW-ZX2/ZX100/ZX1/Aシリーズとはソニー「WMC-NWH10」を介して接続可能となっている。
出力はヘッドフォン出力(ステレオミニ)×2。これはバランス出力用ではなく、2人のユーザーが同時に音を楽しむためのもの。出力は35mW(600Ω)/720mW(8Ω)。最大800Ωのヘッドフォンをドライブできる駆動力を有しているという。充電用のmicroUSB端子も備えている。バッテリは1,650mAhのリチウムポリマーで、充電時間は約5時間。駆動時間は約8時間。外形寸法は約82×22×60mm(幅×奥行×高さ)、重量は約180g。
Mojoがプレーヤーやレンダラーに
製品を説明したJohn Franks氏は、発表会の最後に、今後Mojoと接続できるアクセサリ的なモジュールの開発を進めている事を発表。製品の種類は「4個か5個くらい考えている」という。
具体的には、Lightnning-USBカメラアダプタのケーブルを使わずにiPhoneとの連携を可能にするモジュール、無線LAN機能を追加するモジュール、SDカードリーダ機能を追加するモジュールなどを検討。いずれもケーブルを介して接続するのではなく、Mojoと直接ドッキングするようなイメージだという。
無線LANモジュールを接続すると、Mojoがネットワーク音楽再生のレンダラーとして動作。NASなどに保存した音楽ファイルを、Mojoがネットワーク経由で受信し、そのままMojoで再生できるようになるという。
SDカードリーダーは、SDカードに保存した音楽ファイルを読み込むためものもで、Mojoが単体のプレーヤーとして動作するとのこと。11月頃からApple製品向けのアダプタ、Bluetooth接続に対応するアダプタ、SDカード対応アダプタ、無線LANアダプタの順で3カ月毎にリリースしていく予定だという。