【2012東京インターナショナルオーディオショウレポート 2】

McIntoshがAirPlayコンポ。CHORDのネットワーク再生機も


 日本インターナショナルオーディオ協議会(IASJ)が主催する、オーディオ機器の展示/試聴イベント「2012東京インターナショナルオーディオショウ」が11月2日から4日まで、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されている。入場は無料。ここではエレクトリやハーマンインターナショナルなどのブースをレポートする。


 



■エレクトリ

 10月14日から、米McIntosh Laboratory製品の輸入販売業務を再開したエレクトリのブースでは、現行モデルの紹介に加え、初公開の参考展示モデルも用意している。

 AirPlayに対応したユニークな製品が「McAire」。LANに接続できるネットワークプレーヤーで、AirPlay経由でiPhoneなどから音楽を受信。スピーカーも搭載した一体型システムとなっており、単体で高音質なワイヤレス再生ができるという。なお、その他の再生対応フォーマットや、DLNAに対応するかどうかなど、詳しい仕様はまだわからないという。価格や発売日も未定。

 さらに、取り扱っているアメリカのメーカー・MAGICOのスピーカーシリーズも紹介。2ウェイ・ブックシェルフの「Q1」、3ウェイ4スピーカーのフロア型「S5」(ペア346万5,000円)をラインナップし、ユニットにナノテックカーボンを使っているのが特徴。S5のツイータにはベリリウムが使われている。

AirPlay対応の「McAire」。左右にスピーカーも搭載しているMAGICOのスピーカー。ブックシェルフの「Q1」と、フロア型の「S5」

 



■マランツ

 ディーアンドエムホールディングスのマランツブースでは、日本限定で11月下旬に発売される、Bowers & Wilkins(B&W)の新ブックシェルフスピーカー「805 Diamond LIMITED EDITION」を試聴できる。価格はペアで656,000円、250ペア限定となる。

 通常の805 Diamondとは異なり、希少かつ高価な突板を贅沢に使用しているのが特徴で、突板はイタリア製。染色した天然木のシートを接着、プレスし、薄く切るという工程を経て、自然界には存在しない、躍動感のある流れるような木目を実現。「kinetic(動的) Red」と名付けられている。

 他にも、ブックシェルフスピーカー「PM1」の限定モデルとして発売されている「PM1 LIMITED EDITION」や、USB DAC機能搭載SACDプレーヤー「SA-11S3」(504,000円)や、プリメインアンプ「PM-11S3」(451,500円)などの最新モデルを用意している。

805 Diamond LIMITED EDITION試聴用のシステム。USB DAC機能搭載SACDプレーヤー「SA-11S3」や、プリメイン「PM-11S3」も使われているPM1 LIMITED EDITION

 



■ハーマンインターナショナル

 ハーマンのブースの目玉は、JBLのフラッグシップスピーカー「Project EVEREST」の後継モデルとして10月上旬より発売している「DD67000」(1台315万円)と「DD65000」(1台252万円)。

 「Project EVEREST DD66000」をベースに、最新の技術やマテリアルを投入した後継機種として開発されたのが「DD67000」。さらに、マグネシウム・ダイアフラム技術を取り入れたバリエーションモデルが「DD65000」という位置付け。

 さらに、来春発売予定というマークレビンソンのリファレンスプリアンプ「No52」も参考展示。No32のセパレート筐体構成を踏襲しつつ、より進化させたというモデルで、カードモジュール型フルアナログオーディオサーキットや、デュアルモノラル・ミラーイメージ・サーキットデザインを採用。MM/MCフォノイコライザーモジュールも標準装備している。

 別の部屋には、よりリーズナブルな価格帯の商品を集めており、JBLの新フロア型スピーカー「S3900」(9月上旬発売/1本35万1,750円)や、AKGのヘッドフォンシリーズ、スマートフォン向けスピーカーなど、様々なモデルを紹介している。

Project EVEREST DD670002筐体構成のマークレビンソン・リファレンスプリアンプ「No52」JBLの新フロア型スピーカー「S3900」

 



■CEC

 CECのブースでは、ESSの24bit/192kHz対応DAC ES9008を採用し、AES/EBU、同軸デジタル、光デジタル、USB入力を備え、D-Sub端子とBNC端子を使って音楽信号とクロックなどを独立したケーブルで伝送できる独自のSUPERLINK端子も装備した単体DAC「DA3N」(262,500円)を展示。さらに、ダブルベルトドライブ方式のCDトランスポート「TL3M」(199,500円)も紹介している。

 これら、発売中の新製品に加え「CD3N」というCDプレーヤーを参考展示。これは、「TL3M」のドライブ方式と、「DA3N」に使われているDACを搭載した、2モデルを組み合わせたような製品で、来年早々に発売予定。価格は未定だが、29万円程度を予定している。なお、USB入力などは備えておらず、あくまでCDプレーヤーとなる。

参考出品のCDプレーヤー「CD3N」。トップローディングタイプ発売中の単体DAC「DA3N」

 



■タイムロード

 タイムロードブースでは、CHORDのネットワークミュージックプレーヤー「DSX1000」と、APRIL MUSICのプリメイン「Stella Ai700」を参考出品している。

 「DSX1000」は、QBD76の回路を投入したネットワークプレーヤーで、対応フォーマットはMP3/AAC/WMA/ALAC/WAV/FLACで、FLACは24bit/192kHzのファイルまで再生できるという。価格や発売時期など、詳細は未定で、前面にカラーディスプレイを搭載している。

 「Stella Ai700」は、ピュアバランス設計のプリメインで、入力としてアナログRCA×3、バランス×1を搭載。さらに、バイパス入力としてバランスとアンバランスを各1系統装備。出力はアンバランスのプリアウト×1と、バナナ/スペード対応のスピーカーターミナル。価格は未定だが、海外での価格は6,500ドルとなっている。

CHORDのネットワークミュージックプレーヤー「DSX1000」APRIL MUSICのプリメイン「Stella Ai700」タイムロードの試聴イベントの様子

 



■アキュフェーズ

試聴デモの様子

 11月中旬より順次発売されるプリメインアンプ「E-260」(30万4,500円)、プリアンプ「C-2420」(71万4,000円)など、新製品を一挙に展示。

 さらに、純A級モノフォニック・パワーアンプ「A-200」(1台131万2,500円)も用意。試聴デモではBTL接続のステレオで、A-200を合計4台使用し、FOCALのフロア型スピーカー「STELLA UTOPIA EM」をドライブするという豪華な構成。圧巻の音で来場者を楽しませていた。


プリメインアンプ「E-260」プリアンプ「C-2420」純A級モノフォニック・パワーアンプ「A-200」

 

 



■その他

 ノアのブースでは、Sonus faberの新しいスピーカーシリーズ「ベネレ・シリーズ」を紹介している。フロア型の「Venere 2.5」はペアで357,000円、ブックシェルフの「Venere 1.5」はペア157,500円。シルクソフトドームツイータを採用。中低域用ユニットは、フリー・コンプレッション設計のドライバーフレームと、第五世代複合素材CURVを組み合わせている。ユニット周辺にカーブをつけ、ホーンのような形状になっているのが特徴

フロア型の「Venere 2.5」ブックシェルフの「Venere 1.5」STUDIO FRANCO SERBLINのKtema(左)なども用意されている
フォステクスブースでは、11月上旬から発売される「GXシリーズ」の新モデル「GX250MG」(写真左)を展示。13cm径の純マグネシウムユニットを採用した3ウェイフロア型で、価格は499,800円(1台)。G2000(1台63万円/右写真の右側のモデル)も試聴に使われている今井商事のブースでは、オーストラリアのバーソン・オーディオのプリアンプ「Sololist」を展示。11月21日発売で、価格は110,250円。右の製品はヘッドフォンアンプの「HA 160」(94,500円)
アッカのブースに現れたのは、YG ACOUSTICSの「Sonja」シリーズ。創立10周年を記念したモデルで、筐体に航空機グレードのアルミニウムを使用。空気力学により最適化されたというエンクロージャー形状を持ち、スピーカーターミナルは自社生産の純銅製。10周年記念の特別価格は、メインモジュール「Sonja 1.1」が189万円。ダブルウーファを追加した「Sonja 1.3」は630万円(いずれも1本)。写真は「1.3」High-Endが販売しているのが、ドイツにあるランシェ・オーディオのスピーカー「No.5.1」。特徴はコロナプラズマ・イオン・ツイータを搭載している事。コロナ放電原理を応用し、振動板を持たず、空気の質量を振動源とするツイータで、1.5kHz~150kHzのワイドレンジかつ、トランジェントの良い高域が再生できるという。安定した高電圧印加のために、内部回路に真空管を使っている。3ウェイ構成で、価格はペア420万円


(2012年 11月 2日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]