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東芝REGZA 10周年。「本物のテレビを作り続ける」

リビングテレビ4K時代。Z700X/M500X発表

 東芝ライフスタイルは19日、REGZA Z700X/M500Xシリーズの発表会を開催し、新製品の特徴やテレビ事業の今後の展開について説明した。2016年は、REGZAブランド10周年を迎えるが、「卓越感、高級感、本質感というブランドコンセプトは変わらない。本物を作り続ける」とアピールした。

東芝REGZAは「本物を作り続ける」

 東芝ライフスタイルの家庭電器事業は中国美的に売却されるが、テレビなど映像事業は東芝グループ内に残り、REGZAはこれまでどおり展開される。東芝ライフスタイル 村沢圧司 取締役副社長は、「映像事業は東芝グループの中に残り、国内のBtoC、BtoBビジネスに注力する」と表明。新会社の体制などについては、6月末までに決定する。

東芝ライフスタイル 村沢圧司 副社長
東芝映像事業の今後

 今後もREGZAブランドのテレビを継続。2006年のREGZA Z1000シリーズ発売から、今年で10周年を迎えるREGZA。村沢副社長は、「REGZAのこだわりは卓越感、高級感、本質感。このブランドコンセプトのもと10年間邁進してきた。映像による感動の最大化を追求する。その考えで本物を作り続けてきた」とコメント。その成果の一環として、映像制作やゲーム、映画業界から高い支持を得ていることを紹介した。

REGZA 10周年
映像制作現場で使われるREGZA
樋口真嗣監督もコメント

 2016年の国内市場動向については、「アナログ停波需要の買替サイクルが始まり、需要挽回する」と言及。'16年度の予測として、4Kが台数構成比で27%、金額構成で60%が4K、さらに49型以上では台数で85%、金額では95%が4Kになると予測しており、「リビングテレビは4Kの時代」と強調。リビングで快適に大画面4Kが楽しめるテレビとして、Z700X/M500Xシリーズをアピールした。

REGZA Z20X
REGZA Z700X
REGZA M500X
10年前のREGZAと最新のREGZA Z20Xを比較

裸眼3Dテレビから学ぶこと。10年先を見据えたものづくりを

 村沢社長は、「テレビに求められる価値」についても説明。2010年に発売した世界初の裸眼3Dテレビ「20GL1」は、世界初の4Kテレビで、裸眼で3D視聴ができるというユニークな製品だが、「事業的には全く売れなかった」という。

裸眼3Dテレビ「20GL1」からの学びとは?

 「ここから学ばなければならないことは、独りよがりで、技術を優先させるだけの製品ではダメ。ライフスタイルを楽しむ、多様化するスタイルにあわせた製品にすることが必要。ただし、好きなコンテンツをいつでも高画質な大画面で楽しむという本質は変わらない」と語り、REGZAが目指す姿として「REGZA EXPRIENCE 本物だけが、心を動かす」というテーマを紹介。その成果を4K レグザエンジンHDR PROや、レグザクラウドサービスなどの技術をアピール。また、今回参考出品した8Kテレビが、発売済み製品で使われているレグザエンジンHDR PROを使っていることに触れ、8K時代を見据えてテレビ開発していることを強調した。

本物だけが、心を動かす

 ひかりTVを運営するNTTぷららの坂東社長も登壇。2006年のREGZAスタート時は、4th Mediaの名称で映像配信サービスを展開していたが、初の4th Media対応テレビがREGZA Z1000シリーズだったことに言及。「色々なテレビメーカーに提案したが、真っ先に手を上げてくれたのがREGZA。簡単なことではなかったが実現してくれた。いまはテレビでVODを見るのは当たり前に思われるかもしれないが、REGZAの取り組みがきっかけで、今の普及につながっているのではないか」と言及。その後も、ひかりTV 4K VODや4K IP VODにいち早く対応したREGZAの姿勢に謝意を示した。

NTTぷらら坂東社長(左)と東芝ライフスタイル 村沢副社長(右)

 現在ひかりTVが力を入れている4Kについては、2016年3月現在で734本のコンテンツを用意。'17年3月末に1,200本を目指して、拡充を進めており、「テレビ局との関係を密にして、独自のコンテンツを提供したい」とした。

4Kコンテンツ1,200本を目指す「ひかりTV」

 Netflix株式会社のグレッグ・ピーターズ社長は、HDR対応強化について説明。6月3日から独占配信予定のオリジナルドラマ「火花」が、同社の日本制作コンテンツとして初の4K/HDR対応となることを明らかにした。

Netflix株式会社グレッグ・ピーターズCEO(左)と東芝ライフスタイル 村沢副社長

 また、従来のREGZAでは採用している液晶パネルメーカーを公表することはほとんどなかったが、Z700XについてはLGディスプレイと共同開発し、「IPSを採用したZ型番のREGZAが復活した」と説明。M500Xについては台湾Innoluxと共同開発したことを明らかにした。

 白物家電事業が美的に売却され、またテレビ事業も昨年末に行く先が取り沙汰された。東芝ライフスタイル 取締役 ビジュアルソリューション事業本部 VS第一事業部 池田俊宏 事業部長は「昨年末は、正直苦戦した。しかし、負けないよう販売活動を行ない、いまは4K市場の中で他社に負けないポジションを守っている。今回の発表会を通じて、テレビ事業にかける思い、10年先を見据えたものづくりをしていることを伝えたかった」とした。

ビジュアルソリューション事業本部 VS第一事業部 池田事業部長(左)と村沢副社長(右)

(臼田勤哉)