レビュー

映画から4Kゲームまで“骨太サウンド”で激変、デノン「AVR-X4700H」

AVR-X4700H

巣ごもり生活が続くなか、オーディオやホームシアターの需要が伸びている。4K HDRやサラウンド音声など、パッケージソフトと遜色のないコンテンツを自宅でたっぷり楽しめる動画配信サービスの普及もあり、その作品を映画館のような大画面や音響システムで楽しみたいという人が増えているのだろう。映画は大画面と迫力のある音響で楽しむと感動の度合いも大幅に高まる。ぜひとも自宅にホームシアターのある生活を検討してほしい。

そして、現代の映像コンテンツは映画ばかりではない。テレビ放送では8K放送が極めてクオリティの高い番組を放送しているし、家庭用ゲーム機でもサラウンド音声や4K、8Kへ対応、動画コンテンツとは異なる映像体験として4K/120pなどのハイフレームレートなどの進化がみられる。ホームシアターの楽しみは全方位に広がってきているのだ。

ホームシアターの中心とも言えるAVアンプは、次々に登場する新しいパッケージメディアやサラウンドフォーマットなど、新技術への対応が欠かせない。ここ最近でも、前述の8K放送や次世代ゲーム機などの新技術への対応が注目されている。こうした新しい技術や規格にいち早く対応し、新しい楽しみをすぐに楽しめる環境を提供しているのが、デノンのAVアンプだ。

今回紹介するのは、ミドルクラスとなる9chパワーアンプ内蔵「AVR-X4700H」(実売15万5,000円前後)。昨年秋発売のモデルだが、いちはやくHDMI2.1規格に対応し、8K/60pや4K/120pなどの新フォーマットに対応。8K放送のパススルー伝送はもちろん、PlayStation 5の4K/120p信号の伝送にも問題なく対応するなど、最新のメディアにきちんと対応することでも注目されている。

デノンはもともと、上級機では頻繁に機器を買い換えずに済むように、基板交換を含めたアップデートによる機能強化を行なっていたメーカーだ。DVD時代にはドルビーデジタルやDTS、AACといったフォーマットが次々に登場し、またチャンネル数も5.1chから6.1ch、7.1chと増えていったが、可能な限り機能アップデートを行なうことで不要な買い換えを減らしていた。現在も、上級機である「AVC-X8500H」のHDMI2.1対応のための有償アップデートサービスが行なわれている。

AVR-X4700Hは一部のゲーム機との接続で4K/120p HDR信号の伝送がうまく行かないことがあるが、これについても、対象機器のユーザーを対象に問題を解決するためのHDMIアダプターの提供を行なっている。こうしたサポート体制もメーカーとして信頼できるものだ。

なお、4K/120pなどの表示では、接続する端子や使用するHDMIケーブル(48Gbps対応のウルトラハイスピード規格対応のものを使用)など正しく選ぶ必要がある。もちろん、ディスプレイも8K/60pや4K/120pに対応している必要がある。不具合が生じた場合も、これらを確認することが解決する場合もあるので、まずは事前にしっかりと確認しよう。

新フォーマットへの対応はもちろん、上級機の設計思想を継承し、音質面でも大きく進歩

AVR-X4700Hは、8K/60pや4K/120pなどへの対応が注目されるが、多彩な入力や独自のネットワーク機能「HEOS」の採用といった高機能も充実したモデルだ。HDMI入力は8入力3出力で、8K対応となるのは入力1系統、出力2系統となる。このほか、アナログ音声入力やPHONO入力、デジタル音声入力(光/同軸)と豊富な入力を備える。

AVR-X4700Hの正面写真。シンプルなデザインで、フロントパネルはヘアライン処理となっている
中央のシーリングパネルを開いた状態。メニュー操作のための十字キーをはじめとする操作ボタンのほか、HDMI入力とUSB端子、ヘッドフォン出力を備える

プリアンプ機能としては、サラウンド信号は最大11.2chプロセッシングで、プリアウト端子も11.2ch分装備する。内蔵パワーアンプのみでは、5.2.4chや7.2.2chまでの出力となるが、外部パワーアンプを組み合わせることで、7.2.4ch再生も可能だ。もちろん、サラウンドフォーマットは、Dolby Atmos、DTS:X、IMAX Enhanced(信号フォーマットはDTS:X)、Auro-3D、MPEG4 AACに対応。事実上、現在流通しているサラウンドフォーマットのほぼすべてをカバーする。前述のHDMI2.1への対応だけでなく、こうした幅広いフォーマットのサポートを、最上位機だけでなく、AVR-X4700Hのような購入しやすい価格のAVアンプでもしっかり対応しているのが大きなポイントだ。

AVR-X4700Hの背面。豊富な入出力端子がぎっしりと配置されている。最下段のスピーカー出力はすべてバナナプラグ対応で出力ごとに色分けされている

デジタル信号処理を行なうのは「D.D.S.C.-HD32」という独自の信号処理技術。32bitで信号処理を行なう。AVR-X4700Hではオーディオ基板を一新し、信号パターンを見直し、左右チャンネルおよび信号のプラスとマイナスの対称性を改善。低インピーダンス化も実現している。D/Aコンバーターは32bit対応のDACチップを搭載。基板を専用基板として相互の干渉を排除し、薄膜抵抗の使用などで歪みやSNの改善を図っている。。

9chのディスクリート構成のパワーアンプは、最大出力235Wのパワーを備える。2つのヒートシンクと2枚の基板に分けた構造として、効率的な放熱と不要振動の抑制を果たした。使用するパーツもさらに吟味し、グレードの高いパーツを贅沢に使用することで、よりパワフルな音とフォーカス感の高い音場の再現を可能にしているという。

本体の手前側に配置されるパワーアンプ部。2つのヒートシンクが交互に組み合わされているのがわかる
電源部に使用されている15,000μFの大容量カスタムコンデンサー

電源部は大型のEIトランスに専用にチューニングされた大容量カスタムコンデンサーを使用。デジタル回路用のスイッチング電源用トランスや電源回路全体をシールドすることで、周囲へのノイズの伝播を防ぐなど、ノイズ対策も徹底している。このほか、筐体はインナーシャーシの形状を見直して剛性を高め、電源トランスやヒートシンクなどはスチールプレートを介して固定することで強度を高めている。足元のインシュレーターは、共振を防止するリブ構造を持つ部品を採用。このように、上級機のノウハウやパーツの共用なども行ない、クオリティを高めている。

脚部に使われるインシュレーター。樹脂製ながらも共振防止のためのリブを設けたものになっている
電源部には、大型のEIトランスと、専用にチューニングされた大容量カスタムコンデンサーを使っている
内部写真

さっそく設置。多彩なスピーカー構成に合わせて柔軟なアサインが可能

自宅の視聴室にAVR-X4700Hを設置し、配線する。スピーカー端子が色分けになっているほか、セットアップメニューもよく出来ていて、戸惑わずに接続できる。初めて5.1chやそれ以上の構成のスピーカーを接続すると混乱しがちだが、フロント、センター、サラウンドとスピーカーごとに接続していけば間違う事はない。基本的にはセットアップアシスタントのガイドの通りに接続や設定を行なっていけばいい。

セットアップアシスタントのトップ画面。リストの順番で一通り設定するほか、必要な項目だけを選んで設定することもできる
「スピーカーの設定」にある「スピーカー/アンプの割り当て」の画面。アサインモードを選択し、使用するスピーカーを選ぶ。写真は7.2.4ch構成のアサイン例

スピーカー設定は比較的自由な設定が可能だ。まずはアサインモードで使用するスピーカーの数に合わせてチャンネル数を選ぶ。フロア側のスピーカーの構成やトップスピーカーの本数を設定していく。今回の試聴では、自宅のスピーカー配置に合わせて6.2.2chとしている。センタースピーカーレスの環境の場合、センタースピーカーの設定で「無し」を選べばいい。トップスピーカーは前側にあるスピーカーだけを使うことにして、フロントハイトのみの設定とした。

なお、AVR-X4700Hでは全チャンネルを別のパワーアンプで駆動するプリアンプモードを備えるほか、こうしたスピーカー設定や音質設定を2つまでメモリーしておくことができるようになった。筆者は音質に関わるさまざまな機能をいちいち試すことが多いが、プリセットが2つあると基本的なセッティングとチェック用に設定を変えたものを素早く切り替えて比較できるので重宝している。

スピーカープリセットの選択画面。プリセット1とプリセット2の設定を切り替えることができる

スピーカーの距離や音量の設定は、自動音場補正機能を使用する。デノンのAVアンプの場合はAudysseyを採用しており、AVR-X4700Hでは、32bit処理の「AUDYSSEY MULTEQ XT32」が採用されている。こちらも画面の指示に従ってマイクを配置し、測定を行なうだけだ。

デノンのAVアンプのいいところは、マイクを置くためのスタンドが付属していること。紙製ではあるが十分に実用になる。視聴位置へのマイクの設置はカメラ用の三脚などを使うが、所有していない人にはありがたい。こうした点もデノンのAVアンプの使いやすいところだ。

Audysseyセットアップの画面。必要に応じてアンプの割り当てなどを確認し、測定をスタートする
付属する測定用マイク。Audysseyの専用マイクだ
操作用のリモコン。十字キーのメニュー操作のほか、入力切り替えや楽曲の再生機能なども備える

このほか、ビデオ設定では、HDMI入力の設定などもある。前述した8K/60pや4K/120pのための設定もある。8K/60pや4K/120p出力ができる機器を接続する場合は、HDMI入力7の8K対応入力を使う。そして、設定では8K信号に対応するための信号フォーマットを「8K拡張」とする必要がある。PlayStation 5などを組み合わせるときは気をつけよう。

AVR-X4700Hの背面にあるHDMI入出力の拡大写真。8Kに対応するHDMI入力7は、表示も含めて8K入力となっている
信号フォーマットの設定で、4K/8K信号フォーマットを「8K拡張」にする。まだ対応機器が少ないため、使用時にはユーザーが自分で設定する必要がある

力強く鳴る低音とくっきりとした音の定位。ステレオ再生の実力もなかなか優秀

試聴では、内蔵するネットワーク機能を使って、手持ちの音源をネットワーク再生してみた。AVR-X4700Hは有線でも無線でもインターネット接続ができ、各種の音楽配信サービスも楽しめる。操作にはスマホ用アプリの「HEOS」や「Denon 2016 AVR Remote」を使うのが便利だ。楽曲も日本語で表示されるし、検索性にも優れる。

スピーカーは試聴室に常設しているB&W「マトリックス801 S3」。サラウンド再生では、「マトリックス801 S3」が合計4台(フロント、サラウンド)、サラウンドバックが「マトリックス802 S3」が2台、サブウーファーはイクリプスの「TD725SWMK2」が2台。トップスピーカーはイクリプス「TD508MK3」を2台、スクリーンに近いトップフロント側だけを使った6.2.2ch再生としている。

HEOSモジュールを搭載しているので、ネットワークプレーヤーとしても使える

ステレオ再生でクラシックのオーケストラを聴いてみると、粒立ちのよい再現で特に中低域の厚みがあり、音像のしっかりと立つ聴き応えのある音だと感じた。そして、低音楽器も含めて反応がよく音の立ち上がり/立ち下がりがきれいに出る。リズム感もいいし、ジャン! と強く鳴った音の響きの余韻もきれいだ。そのため、音楽が生き生きと躍動感のある鳴り方になる。

ボーカル曲も声に実体感があり、鮮明で溌剌とした歌声になる。音色はニュートラルだが、やや明るい印象で女性ボーカルの高域の透明感や声の伸びがスムーズ。明るく見通しのいいステージで、リズムを含めてエネルギー感もかなり充実しており、ジャンルを問わず楽しく音楽を聴ける音だ。

同価格のステレオアンプと比べれば、質感の細やかさや微妙な音場の奥行き、空気感などで差が感じられるとは思うが、ハイレゾ音源などをじっくりと聴いていても、クオリティ的な不満はほとんど感じない。音楽再生が中心だとしても十分に優れた実力だと思う。

思った以上に大真面目な太平洋戦争映画「ミッドウェイ」を楽しむ

「ミッドウェイ」Blu-ray
(C) 2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.

AVアンプとしては肝心の映画の音もじっくりとチェックする。今回は「ミッドウェイ」。太平洋戦争を史実に基づいて制作した作品で、監督はローランド・エメリッヒ。劇場公開時にあまり良くない感想もあった気がするし、これまでは宇宙人が出てくるようなエンタメ色の強いバトルアクションを得意としていた監督だけに、自分も多少心配していた。

だが、見てみると、ミッドウェイ海戦の状況は史実から大きく離れることはないし、日本人俳優も数多く登場して日本側の状況も描かれ、視点としては中立に近い。もちろん、爆撃機であるドーントレスがゼロ戦と空戦でも渡り合ってしまうとか、戦闘描写には誇張された点もあるし、アメリカ側が主役の作品なので敵国である日本は強大かつ残虐非道な存在として描写される場面もあり、日本人的には気になる箇所はいくつかある。

そのあたりも含めて、半分は史実だが残り半分の戦闘場面はローランド・エメリッヒ流の派手で見映えのするアクションや演出で彩られたものになっている。小難しいドキュメンタリーと派手な戦争映画が融合した感じで、好き嫌いは別れそうだがなかなかユニークな作品だ。

パッケージで発売されたのは国内ではBD/DVDのみ。劇場公開でも3D公開はなかったようだ。だが、映像から見ても明らかに3D映画として制作されているのがわかるし、3D版が見てみたい気がする。そのせいでエンタメ色が強い印象にもなっているが、迫力はかなりのものだ。そして、Atmosの音響が凄まじい。映画がはじまってすぐに真珠湾攻撃のシーンとなるが、日本軍の大編隊が襲来するときの戦闘機のエンジン音のうなるような音が大迫力で、部屋中が揺れるような重低音がなんと天井から迫ってくる。この威圧感はたいしたもので、攻撃にさらされたアメリカの兵士たちの恐怖がよく伝わる。

そんな轟音をAVR-X4700Hは骨太でがっしりとした音で再現した。戦闘機のエンジン音が、しかも集団となって迫ってくる威圧感をしっかりと感じる音だ。音楽を聴いていても音の立ち上がり/立ち下がりの反応がよいと感じたが、映画でも銃撃音のような連続音を歯切れよく鳴らし、しかもエネルギーたっぷりなので銃撃にさらされる“怖さ”がよく伝わる。

もともと3D映画であるため、停泊した2隻の戦艦の間をゼロ戦が飛びながら攻撃を仕掛けてくるなど。立体感と目の前に迫って飛び去るゼロ戦の姿は迫力たっぷり。戦艦2隻に数機のゼロ戦、艦上には無数のアメリカ兵がいて、CGで再現しているとしてもかなり高カロリーな映像で、さすがにコストを投じた大作でもCG臭さを感じるところもあるのだが、音響の迫力でそれをカバーし、絶望的な気分になるような激しい攻撃と感じる。そのあたりの迫力はAVR-X4700Hでもしっかりと再現できている。

戦闘シーン以外での作戦指揮の場面では、日本軍の進路や攻撃目標を知るための暗号解読班らが活躍するが、こういった場面ではセリフのクリアな再現がよくわかる。英語の発音も明瞭で聞き取りやすいし、会議室でのざわめきも四方に定位し、室内の緊迫感が感じられる。明瞭な定位と芯の通った実体感のある音は、戦闘シーンだけでなくドラマパートでも質の高い再現となっていることがわかる。

そして、いよいよミッドウェイ海戦がはじまる。偵察機たちが日本軍の艦隊を探すが、最初はなかなか見つからない。戦闘機のエンジン音と風切り音がまざった飛行中の音もリアルで、操縦桿を動かす音や機体が軋むような音も含めて、細かな音が定位よく再現されるので、なかなかの臨場感だ。日本の艦隊に雷撃戦をしかける潜水艦のシーンでは、潜水艦内の反響の多い会話や魚雷装填や発射前の注水音なども、骨太な音で再現。日本の艦上では爆雷投下が始まり、爆雷がつぎつぎと投下される。そんな音も定位よく鳴るし、水面下で爆発する独特の音も迫力満点。映画館と比べれば絶対的な音量やローエンドの伸びなどに限界はあるが、迫力のある音はしっかりと再現できている。

戦争映画の音は重低音もたっぷりと詰まっているし、音量も大きい。だから、AVアンプが非力だとどうしても迫力が足りないと感じてしまいやすい。しかし、AVR-X4700Hは肝心な低音も芯の通った力強い音で、パワー的にも不満はない。上級機の音と比べると、迫力重視で適度にメリハリを効かせているとも感じるが、こういう戦争映画やアクション映画を迫力たっぷりに楽しむには相性の良い音だし、元気の良さばかりでセリフがくもりがちになることもなく、基本的な実力が高いので、大音量で耳が疲れるようなやかましい音になっていない。このあたりの塩梅のうまさはまさしくデノンの美点で、そこに力強さやエネルギー感、くっきりとした定位のよい見通しのよいサラウンド音場の再現を備えたのがAVR-X4700Hだと感じた。

この映画の大きな見せ場とも言える急降下爆撃は、実は思った以上に空母に命中しない(雷撃はさらに命中しない。このあたりは史実通り)。日本の艦船の抜群の操艦技術による回避もあるが、なによりも空母と護衛する駆逐艦などからの対空砲火が凄まじい。無数の銃撃をかいくぐるのは並の度胸ではできないだろうとわかる。銃撃音は上下左右から飛んでくるし、その移動感もよく再現されているので、本当に銃撃にさらされている感じが伝わる。しかも、機体はガタガタと振動し、エンジンも悲鳴を上げている。主人公らが見事に命中させたときはやっぱり胸が躍る(日本人的には爆撃をギリギリ回避したときの場面も喝采ものだ)。

ほどよく派手で見応えのある映像だが、本格的な音響のおかげでリアルさというか、パイロットの恐怖心、撃墜しようと艦上で対空砲を撃つ兵士たちの必死さがよく伝わる。音響次第で映画としての評価を左右されてしまうタイプの映画と言えるかもしれない。

大画面テレビが身近になった今こそ、もう一度“本気でサラウンド”

戦争映画に限らないが、映画にとって音響は映像と同等なレベルで重要な要素だ。4Kテレビの価格が身近になり、大画面テレビを手に入れる人が増えている今だからこそ、音響もさらに充実したものを揃える必要があると思う。

映画館で感じた迫力や感動を覚えていて、自宅でBDや動画配信で見たときに思ったよりも面白くないと感じたら、それは音のせいだろう。サラウンド再生のために部屋中にスピーカーを置くのは大画面テレビの導入よりも現実的ではないかもしれないが、やはり現代の映画はサラウンドで楽しんでほしいと思う。

前述の通り、HDMI2.1に対応しているので、PlayStation 5などの4Kゲーム機との親和性も高い。以前、PS5とAVR-X4700Hを組み合わせて、4K/120pでゲームをプレイした記事も掲載している。ゲームもサウンドが変わると“別物”になるので、ぜひ一度体験してみて欲しい。

映画だけでなく、PS5×AVR-X4700Hのゲームプレイも迫力満点だ

AVR-X4700Hは9chパワーアンプ内蔵だが、最初は5.1chからのスタートでもいい。現代のバーチャル再生技術を組み合わせれば、5.1chでもかなり立体的なサラウンド再生ができる。余裕があれば天井にもスピーカーを配置すればさらに臨場感が増す。決して大型のスピーカーでなくてもいい。

動画配信サービスのユーザー数の増加をみれば、自宅で映画を見ることが多くなった人はかなり多いとわかる。そんな人たちはぜひともAVアンプの導入を薦めたい。音楽配信サービスも含めて、音楽もより良い音で楽しめるし、ゲームだってもっと面白くなる。この機会にぜひともサラウンドの導入を検討してみてほしい。

(協力:デノン)

鳥居一豊

1968年東京生まれの千葉育ち。AV系の専門誌で編集スタッフとして勤務後、フリーのAVライターとして独立。薄型テレビやBDレコーダからヘッドホンやAVアンプ、スピーカーまでAV系のジャンル全般をカバーする。モノ情報誌「GetNavi」(学研パブリッシング)や「特選街」(マキノ出版)、AV専門誌「HiVi」(ステレオサウンド社)のほか、Web系情報サイト「ASCII.jp」などで、AV機器の製品紹介記事や取材記事を執筆。最近、シアター専用の防音室を備える新居への引越が完了し、オーディオ&ビジュアルのための環境がさらに充実した。待望の大型スピーカー(B&W MATRIX801S3)を導入し、幸せな日々を過ごしている(システムに関してはまだまだ発展途上だが)。映画やアニメを愛好し、週に40~60本程度の番組を録画する生活は相変わらず。深夜でもかなりの大音量で映画を見られるので、むしろ悪化している。