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4Kテレビ買うなら”増税前”! '19年の最新トレンドと9ブランド特徴まとめ
2019年9月19日 08:00
嘆いていても始まらない。あと2週間程度で消費税は10%へ
いよいよ10月1日、消費税率が8%から10%に引き上げられる。前回の改定(5%→8%)は'14年4月であるため、実に5年半ぶりの増税処置だ。すでにご存じの方も多いと思うが、今回の税制改定は“家計への影響緩和”を目的に、酒類を除く飲食料品や新聞を8%に据え置く「軽減税率制度」が設けられている。
がしかし。悲しいかな、AV機器を含む世の中ほとんど全ての商品が10%の標準税率対象となっている。
しかしもう嘆いていたって、始まらない。増税が決まった以上、もし貴方がいま購入を検討している商品……とくにそれが高額な商品であるのなら、増税前に買うか否か、決断が必要だ。
というわけで、ここでは一番の悩みどころと思われる「4Kテレビ」をテーマに、選び方指南を含めたブランド別の製品概要をまとめてみた。8%の期限まで残り2週間、本稿が増税直前の決断材料になれば幸いだ。
'19年のトレンドは「ダブル4Kチューナ」「明るく手頃な有機」「マルチHDR」
ブランド別の製品概要に入る前に、まずは'19年の4Kテレビのトレンドを整理しておこう。
今年の4Kテレビのトレンドは? と問われたら、「ダブル4Kチューナー」、「明るく手頃な有機」、そして「マルチHDR」という3つのワードにまとめることができるだろう。
トレンド①ダブル4Kチューナー:観るのも、録るのも、ダブルチューナーは必須
昨年までは、4Kチューナーを搭載する4Kテレビは種類が限られたが、今年は各社ともエントリーからハイエンドまで、4Kチューナーの内蔵がスタンダードになった。しかもその多くがチューナー数を2基としたことで、4K番組を見ながら、別の4K番組を録画することが、レコーダーを買わなくてもできるようになった。
「4K見るには設備も大きく変えなきゃいけないし、たとえ環境を整えても、4K番組なんてほとんど無いでしょ」という認識も、一度リセットすべきだ。
4Kは既にBS/CSの17チャンネルで放送されているし、既報の通り、わざわざアンテナを設置しなくても、4K/8K放送が視聴できる方法が整いつつある。
もちろん、2K放送に比べればコンテンツはまだまだ少ないけれど、NHK BS4Kだけでなく、週末は民放の無料チャンネルでも、ピュア4Kのドラマや映画、音楽、スポーツが定期的に放送されることが増えてきた。さらに、9月20日から11月2日まではラグビーW杯が開催・4K放送されるし、年末年始の4K特番、そして来年には史上2度目の東京オリンピックがやってくる。
今後ますます増える4K番組を観るためにも、そして録るためにも、チューナー数が多いテレビを選ぶに越したことはない。
トレンド②明るく手頃な有機EL:“リビングなら液晶”はもう古い
'19年の有機ELテレビは、明るさが向上したこともトピックだ。
大型の有機ELテレビは2013年、LGが世界に先駆けて投入したカテゴリーであり、漆黒の表現や高コントラストな描写は液晶を大きくリードするものだったが、液晶と比べたときの弱点とされてきたのが“明るさ”だった。
しかしその明るさ問題も、ここ数年で状況が変わってきた。デバイスを供給するLGディスプレイ側での性能向上や焼き付き防止策はもちろんだが、各社ともパネル制御技術を切磋琢磨することで、現在はリビングに設置しても、実用上は全く問題のない明るさで、高コントラストな映像が楽しめるまでになっている。実際、たくさんの蛍光灯で煌々と照らされた量販店等で有機ELテレビを見ても、「暗い」と感じる人は稀なはず。以前は「暗室なら有機EL、リビングなら液晶」と区別されることもあったが、そんな売り文句ももう古くなっている。
おまけに、有機ELテレビの価格も以前に比べれば、だいぶ手頃になった。
例えば、ソニーの55型有機ELテレビの場合、'17年6月に発売した最上位機「KJ-55A1」は50万円前後だったが、'19年発売の最上位機「KJ-55A9G」は30万円ちょっとで購入することができる。サイズや製品のグレードによって値差は異なるものの、有機ELの価格が以前よりもだいぶ落ち着いてきていることは、どのブランドも変わらない。有機ELテレビに残った弱点は、サイズバリエーションが少ないことぐらいではないだろうか。
暗くて高嶺の花だった有機ELテレビはもう過去の話。今は“明るく手頃”なのが有機ELテレビと言えるだろう。
トレンド③マルチHDR:放送もUHD BDも配信も、よりリアルに楽しめる
最後に挙げるのが“マルチHDR(ハイダイナミックレンジ)”だ。
HDRは、これまで使われてきたSDR(スタンダードダイナミックレンジ)よりも“明暗差”を拡げた新しい映像表現のこと。
SDRでは人間の目やカメラのセンサーが捉えた本来の明暗差の“ごく一部”しか再現できなかったが、HDRになることで、明るい部分から暗い部分まで、肉眼で見た印象に近い表現が可能になる。例えば、これまでは再現が難しかった、日なたと日陰のような明暗差が大きいシーンや、街灯や電飾などの発光体、ガラスや水面の反射光などが一層リアルに再現できるわけだ。
HDRを楽しむためには、HDR対応のコンテンツと、それを再生・表示するためのHDR対応機がセットで必要だが、ここ2~3年に発売された4K対応機器の多くがHDRをサポートする。
ただ、ややこしいことに、HDRには複数の規格が存在する。
具体的には、4K/8K放送や一部のビデオカメラなどに採用されている「HLG(ハイブリッドログガンマ)」、4K Ultra HD Blu-ray(UHD BD)や動画配信などに採用されている「HDR10」のほか、シーン単位で最適なメタデータ(動的メタ)を付加する「HDR10+」、動的メタと最大12bit(配信や一部UHD BDは10bit)までの色深度情報が記録できる「Dolby Vision」などだ。
トレンドに挙げた“マルチHDR”とは、こうした各種HDR規格を複数サポートしたことを指したもので、標準的なHDR10とHLGに加えて、19年モデルではHDR10+や、Dolby Visionに対応した機種が増えている。
標準フォーマットのHDR10と、放送のHLGさえサポートしていれば、全く問題はないが、Dolby Visionコンテンツも配信する「Netflix」「Amazon Prime Video」「ひかりTV(ビデオオンデマンド)」や、Dolby Vision/HDR10+収録のUHD BDソフトを楽しみたいAVファンは、複数のHDR規格をサポートする4Kテレビを選ぶのがオススメだ。
なお、本稿執筆時点で'19年はまだ3カ月以上も残っているため「総括するには気が早いのでは?」というご意見もあると思うが、下記のまとめにも記したように、シャープも、ソニーも、東芝も、パナソニックも、LGも、増税前にフラッグシップを含むラインナップをすでに更新済みだ。冬の年末商戦のタイミングで、いま店頭に並ぶモデルの性能や機能を超える“新しい4Kテレビ”が出てくることはないだろう(……たぶん!)。
それでは、以下にブランド別の製品概要をまとめていこう。全ての機能は紹介しきれていないので、合わせてリンク先も参照願いたい。
シャープ「AQUOS」:8Kテレビの画質処理を搭載したAndroid 4K
シャープAQUOSの4Kテレビは、液晶方式・4シリーズ11機種をラインナップする。サイズは40~70型まで。同社は世界初の8Kテレビ「AX1シリーズ」と8K対応テレビ「AW1シリーズ」を'18年にいち早く投入しており、手頃な2K(フルHD)テレビから4K、そしてフラッグシップの8Kテレビまでを揃える唯一のメーカーだ。
BN1/BL1/BJ1シリーズは、4Kチューナーを2基搭載。別売のUSB HDDを用意すれば、4K放送の裏番組録画が可能だ。2Kチューナーは3基。ハイグレードの「BN1シリーズ」のみ、アップデートで「Dolby Vision」にも対応する。BL1/BJ1シリーズは「HDR10」「HLG」をサポート。
Android TV 9(Pie)の搭載に加えて、AQUOS独自のクラウドサービス「COCORO VISION(ココロビジョン)」も特徴の1つ。
人感センサーと連動させた天気・スケジュールお知らせや、音声によるオススメ番組紹介、地域のイベント情報表示など、生活や利用状況に応じた様々なサポートを行なう。他にも、AQUOS向けの各種サービス「ココロビデオ」(動画配信)、「ココロミュージック」(音楽配信)、「ココロゲーム」(ゲーム配信)、「ココロカレンダー」も用意する。Googleアシスタントを使ったAQUOSの音声操作以外にも、ヘルシオやエアコンなどシャープ製家電の操作もAQUOSから行なえる。
BN1/BL1/BJ1シリーズの主な違いは、倍速パネルの有無や表面処理。BN1のみ、倍速・低反射N-Blackパネルを採用する。バックライトは、BN1の70型とBJ1の40型のみ直下型で、他は全てエッジ型。いずれもローカルディミング機能は搭載しない。55型以下のモデルのみ、左右30度の回転式スタンドを採用する。
いずれも、同社フラッグシップのAQUOS 8Kで導入していた最新の映像技術・設計思想をベースとした新エンジン「AQUOS 4K Smart Engine PRO II」を搭載。
'19年モデルでは、AQUOS 8K向けに開発した色再現回路のアルゴリズムを最適化した「リッチカラーテクノロジー」と、4K放送のHLG映像の高階調部分を忠実に再現する「HLG階調復元回路」により、広色域描写と階調表現をブラッシュアップしている。
なお、先日発表された低価格な「BH1シリーズ」シリーズは、ダブル4Kチューナー搭載のエントリー機。上位モデルと異なり、Android TV OSや動画配信サービスは非対応となる。発売は10月12日。
ソニー「BRAVIA」:映像と音が一体化した“大画面”4Kテレビ
ソニーBRAVIAの4Kテレビは、有機EL方式・1シリーズ3機種と、液晶方式・3シリーズ10機種。サイズ展開は43~85型まで。77型の有機EL、85型の液晶を揃えるのは、国内メーカー唯一で“ネット動画から4K放送まで大画面で楽しむ”を前面に訴求している。
なお、'19年モデルとしては、上記4Kテレビ以外にも“4Kチューナーレス”のエントリー有機EL「A8Gシリーズ」と、エントリー液晶「X8000Gシリーズ」も用意する。
4Kテレビのモデルは全て、4Kと2Kのチューナーを各2基搭載。別売のUSB HDDを用意すれば、裏番組録画が可能だ。対応するHDRは「HDR10」「HLG」「Dolby Vision」で、アップデートでDolby Atmosもサポートする('19年内予定)。
Android TV 8(Oreo)を搭載し、映像/音楽配信サービスや写真鑑賞やゲームアプリが楽しめる。動画配信サービスNetflixがより快適に視聴できる「Netflix推奨テレビ」で、A9G/X9500Gシリーズには、クリエイターの意図を忠実に再現できる「Netflix画質モード」も搭載。Googleアシスタント、Amazon Alexaによる音声操作が可能。'19年内のアップデートでApple HomekitとAirPlay 2にも対応する予定だ。
4KテレビのHDMI入力で唯一「eARC」をサポート。UHD BDレコーダー/プレーヤー+BRAVIA+サウンドバー、というようなBRAVIAを介した組み合わせでも、UHD BD/BD/配信コンテンツのDolby Atmos・DTS:X音声をサウンドバーに伝送できる。
有機EL BRAVIAのトップエンド・MASTERシリーズに位置する「A9G」には、最上位グレードの映像エンジン「X1 Ultimate」を搭載。独自のパネル制御でさらに明るく、鮮やかな映像を描く「Pixel Contrast Booster」など、画質性能は前モデルA9Fを継承している。
画面そのものを振動させて音を出力する「Acoustic Surface Audio+」を引き続き搭載。A9Gでは、新開発の20Wアクチュエーターを搭載することで、前モデルよりも明瞭感と拡がりを改善。また新開発サブウーファーで従来の厚みを半分とし、筐体の薄型化を実現。これと合わせ、従来の傾斜スタイルから、直立スタイルにデザイン変更されている。
液晶3シリーズの主な違いは、映像エンジンとバックライト、広視野角化技術(X-Wide Angle)の有無、スピーカーシステムなど。
「X9500Gシリーズ」は、最上位グレードの映像エンジン「X1 Ultimate」、部分駆動対応の直下型LED、輝度ブースト技術(X-tended Dynamic Range PRO)、そして新開発ツイーターを組み合わせた「Acoustic Multi-Audio」など、前モデルから性能・機能が大きくアップデートされ、液晶BRAVIAのトップエンド・MASTERシリーズ「Z9F」とのスペック差が小さくなっている。
「X8550G/X8500Gシリーズ」の映像エンジンは、下記グレードの「HDR X1」。両シリーズとも倍速パネルを採用するが、バックライトはエッジ型でローカルディミングには対応しない。
東芝映像ソリューション「REGZA」:業界随一の玄人仕様と高精度なおまかせ画質を両立
東芝映像ソリューションの4Kテレビは、有機EL方式・2シリーズ4機種と、液晶方式・3シリーズ10機種をラインナップする。サイズ展開は43型~65型まで。有機ELの「X930/X830シリーズ」は、映像クリエイターなどの業務用途にも使えるよう、映像分析や詳細な設定機能を盛り込んだ“レグザPro”モデルとして位置付けている。
全モデルとも、基本構成は4Kチューナー×2、2Kチューナー×3だが、タイムシフトマシン対応の「X930/Z730X/RZ630Xシリーズ」は地上デジタルチューナーが9基搭載となる。X930/X830シリーズのみ、「HDR10」「HLG」「Dolby Vision」「HDR10+」のHDR規格をサポートする。
視聴中の番組に関連した録画番組やネット動画をすぐに選択できたり、ジャンルやテーマ単位での録画設定、放送・録画・ネット動画を横断したレコメンド表示など、コンテンツの視聴や発見をサポートするネットサービス「みるコレ」を搭載。GoogleアシスタントやAmazon Alexa、LINE Clova対応のスマートスピーカーを使えば、レグザを音声で操作可能だ。
有機EL2シリーズの主な違いは、タイムマシン機能の有無とインターフェイス、スピーカーシステムなど。コントラストと階調性能を高めた新世代パネルの採用と、搭載する映像処理は共通。X930のみ、業界最多のHDMI入力端子7系統(全て18Gbps対応)と、同軸デジタル音声出力を備える。
映像エンジンには、AI超解像技術を追加した「レグザエンジン Professional」を搭載し、超解像などシーンに応じた各種映像処理の精度を更に向上させた。また室内の色温度・明るさセンサーと連動した自動画質調整「リビングAIピクチャー」を追加。レグザProとしながらも、難しい設定不要で高画質が楽しめるようになっている。
プロユース用の機能としては、EOTF・色域の強制切替え、メタデータ詳細表示、輝度分布/質感特性/輝度推移/周波数ヒストグラムなどの分析情報を備える。
液晶「Z730Xシリーズ」は、レグザProと同じ映像エンジンを搭載した、タイムシフトマシンモデル。バックライトはローカルディミングの全面直下LED。全サイズで総合出力80Wマルチアンプ駆動の「重低音バズーカオーディオシステムPRO」を搭載するのも特徴。液晶「RZ630Xシリーズ」は、予め2TB HDDが付属しており、購入後すぐにタイムシフトマシン機能が楽しめる。
パナソニック「VIERA」:自社工場組立の特別仕様パネルはVIERAだけ
パナソニックの4Kテレビは、有機EL方式・3シリーズ6機種と、液晶方式・1シリーズ2機種を用意する。サイズ展開は43~65型まで。東京2020オリンピック・パラリンピック公式テレビとして、スポーツから映画、ドラマまで、迫力ある映像とサウンドの臨場感が味わえるとしている。
4Kチューナーは、有機ELモデルが2基、液晶モデルが1基。2Kチューナーは、液晶「GX500シリーズ」以外はいずれも3基搭載している。別売の外付けUSB HDDを接続すれば、2K/4K放送の録画が行なえる。オートチャプターも機能する。
HDR規格は、全シリーズ「HDR10」「HLG」「HDR10+」のほか、静止画のHDR規格「HLGフォト」をサポート。有機EL・GZ2000/GZ1800/GZ1000シリーズは「Dolby Vision」と「Dolby Atmos」にも対応する。
番組やコンテンツ視聴を妨げずに、テレビ画面下部に接続機器やアプリ一覧が呼び出せるインターフェイス「かんたんホーム」を採用。放送やVODなどを意識せずに見たいコンテンツを横断的に探すことができる「アレコレチャンネル」を搭載し、視聴履歴から「おすすめの録画」や「おすすめの番組」なども表示できる。
動画配信サービスNetflixがより快適に視聴できる「Netflix推奨テレビ」で、有機EL3シリーズには、クリエイターの意図を忠実に再現できる「Netflix画質モード」も搭載。GoogleアシスタントやAmazon Alexa対応のスマートスピーカーを使った音声操作にも対応する。
有機EL3シリーズの主な違いは、有機ELパネルとスピーカーシステム。
トップエンドの「GZ2000シリーズ」のみ、特別仕様パネルを採用。セルから調達し、選定パーツと合わせ自社工場でパネル化することで、独自構造・駆動のパナソニック“チューンド”有機ELパネルを作り上げた。高い発光性能とパネル制御の合わせ技で、際立った高コントラスト映像が生み出せるとしている。また製造ラインにおいても、パネルの測定に応じたWB/階調表現の調整工程を追加することで、業務品質に近い階調表現が可能と謳う。
高画質技術「ヘキサクロマドライブ プラス」を中心とした、基本的な映像処理は3シリーズとも共通。暗部・明部の階調や色の再現精度を向上する3次元カラーマネージメント回路「ダイナミック3D-LUT」や、AIによる機械学習で高精度なSDR→HDR変換を行なう「AI HDRリマスター」などを備える。
GZ2000は、センタースピーカーを含む3ウェイ3.2ch前向きスピーカーと2chイネーブルドスピーカーで構成された、総合出力140Wの大規模なサウンドシステムを搭載。フルデジタルアンプ「JENO Engine」などのオーディオ用パーツや電源回路の採用と合わせ、チューニングにはTechnics開発チームも参加することで、高品位な立体音響を再現する。
「GZ1800シリーズ」は、総合出力80Wを実現した、サウンドバータイプの3ウェイ2.2chスピーカーシステム。「GZ1000シリーズ」は50Wのインビジブルタイプを採用する。
LG:4Kテレビのラインナップ数は業界最多。デザインにもこだわり
LGエレクトロニクス・ジャパンの4Kテレビは、有機EL方式・4シリーズ9機種と、液晶方式・5シリーズ10機種。サイズ展開は43~77型まで。4Kテレビの品揃えという意味では業界最多を誇る。
全モデルとも、4Kチューナーを1基搭載し、外付けUSB HDD(別売)への録画も可能。2Kチューナーは2~3基搭載する。有機ELモデルと液晶のハイエンド機では、「HDR10」「HLG」「Dolby Vision」に加え、米テクニカラー社が推進するHDR規格「Advanced HDR by technicolor」(※対応コンテンツはまだ無い)もカバーしている。全機種でDolby Atmosに対応する。
グラフィカルなUIと、マジックリモコンによる直感的な操作が可能な「webOS」を引き続き採用。'19年モデルでは、独自のAIプラットフォーム「ThinQ AI」を組み込むことで、より自然な発話で音声操作ができるようになった。Googleアシスタント、Amazon Alexaに加えて、AppleのSiriにも対応。またAirPlay 2をサポートし、iOSデバイスやMacから動画や静止画のストリーミング再生が行なえる。
有機EL 4シリーズの主な違いは、デザイン・映像エンジン・スピーカーシステムで、有機ELそのものは、共通の最新世代パネルを使用する。映像エンジンは有機EL専用「α9 Gen2 Intelligent Processor」にアップデートされ、コンテンツに応じた自動調整精度が向上している。
同社プレミアムブランド「LG SIGNATURE」に属する、有機EL方式の最上位「W9Pシリーズ」は、LGの有機ELテレビを象徴するモデル。薄さ約3.9mmのパネル(65型の場合)とハイトスピーカー内蔵コンパニオンボックスのセパレート筐体で、従来には無い“壁貼り”スタイルを提案している。
またテーブル設置タイプの「E9Pシリーズ」では、ガラス製のバックカバーにパネルとスピーカーを一体化させることで、映像が浮かび上がるような透明スタンドになっている。
なお、既報の通り、先日LGは世界初の8K対応有機ELテレビ「OLED 88Z9PJA」を発表した。88型の1サイズのみで、9月13日より受注販売を開始。価格は330万円。4Kチューナーを1基搭載するが、8Kチューナーは非搭載となっている。
ハイセンス:日本製エンジンを搭載したお手軽4Kテレビ
ハイセンスの4Kテレビは、有機EL方式・1シリーズ1機種と、液晶方式・3シリーズ6機種。サイズ展開は、43~65型まで。このほか、ビックカメラグループ限定販売の4Kテレビ「E6500/E6100シリーズ」も用意している。
【有機EL】 ※記載価格は店頭予想価格
55型「55E8000」 23万円前後
【液晶】
65型「65U7E」 18万円前後
55型「55U7E」 15万円前後
50型「50E6800」 10万円前後
43型「43E6800」 9万円前後
50型「50A6800」 10万円前後
43型「43A6800」 9万円前後
全モデルとも4Kチューナー×1、2Kチューナー×3基搭載。外付けUSB HDDへの録画にも対応する。対応するHDR規格は「HDR10」「HLG」。
独自のインターフェイスを備えた「VIDDA」システムを搭載。Netflix、YouTube、U-NEXT、dTV、ひかりTV 4Kなどの動画配信サービスも楽しめる。
映像エンジン「レグザエンジンNEO」(一部plus)を搭載。4K放送や地デジの高画質化処理や超解像など、レグザ譲りの映像処理を備えている。
ピクセラ:ダブル4Kチューナー搭載の手頃なAndrod 4K
ピクセラの4Kテレビは、液晶方式・2シリーズ4機種をラインナップする。サイズ展開は40~55型まで。
【液晶】
55型「PIX-55VP100」 118,000円(8%税込)
43型「PIX-43VP100」 99,980円(同)
50型「PIX-50VM100」 79,800円(同)
40型「PIX-40VM100」 69,800円(同)
全機種ダブル4Kチューナー仕様。2Kチューナーも3基備えており、別売のUSB HDDに4K裏録、2Kダブ録が行なえる。HDR規格は「HDR10」「HLG」の2種類で、Dolby Atmos音声をサポートする。VPシリーズのみローカルディミングに対応する。
Android TV 8(Oreo)を搭載し、Google Playストアから動画配信サービスやゲームなど、さまざまなアプリのダウンロードが可能。グラフィカルなインターフェイスで様々なコンテンツを表示する独自の視聴アプリ「Xit(サイト)」も内蔵する。
船井電機:ヤマダ電機限定のHDD内蔵4Kテレビ
船井電機の4Kテレビは、有機EL方式・1シリーズ2機種、液晶方式・2シリーズ3機種を揃える。サイズ展開は43~65型まで。いずれもヤマダ電機限定販売。
【有機EL】
65型「FE-65U7020」 379,800円
55型「FE-55U7020」 249,800円
【液晶】
55型「FL-55U4120」 159,800円
49型「FL-49U4020」 109,800円
43型「FL-43U4020」 99,800円
全機種で4Kチューナーを2基、2Kチューナーを3基搭載。内蔵の1TB HDDに、4K裏録や2Kダブ録が可能。同社の無料アプリ「FUNAI Connect」を使えば、外出先から4K放送番組の録画予約や音声操作も行なえる。外付けUSB HDDもサポートする。
HDR規格は「HDR10」「HLG」に加え、「Dolby Vision」にも対応。AbemaTV、YouTube、dTV、U-NEXT、DAZNなどの動画配信サービスも楽しめる。
三菱電機:BDドライブとHDDを内蔵した唯一の4Kテレビ
三菱電機の4Kテレビは、液晶方式・2シリーズ6機種を用意する。サイズ展開は40~58型。執筆時点では「RA1000シリーズ」も発売されているが、増税後の10月下旬発売の後継機種「RA2000シリーズ」へ順次置き換わる。
【液晶】
58型「LCD-A58RA2000」 オープンプライス
50型「LCD-A50RA2000」 同
40型「LCD-A40RA2000」 同
58型「LCD-A58XS1000」 同
50型「LCD-A50XS1000」 同
40型「LCD-A40XS1000」 同
全機種で4Kチューナーを2基搭載。2Kチューナーは、RA2000シリーズが3基、XS1000シリーズが2基となる。RA2000シリーズには、UHD BD再生に対応したBDドライブと2TB HDDを内蔵。4K放送番組をBDにそのままダビングすることも可能。外付けUSB HDDもサポートする。
両シリーズとも、「HDR10」「HLG」のHDR規格をサポート。映像エンジン「DIAMOND ENGINE 4K」を搭載し、地デジやBD、4Kコンテンツが高画質に楽しめるという。ネット動画は、YouTube、TSUTAYA TV、アクトビラに対応。
前面配置の高性能DIATONE NCVスピーカーや、汚れにくくデカ文字仕様のシートリモコン、リモコン操作で画面を見やすい角度に調整できるオートターン機能など、三菱独自の機能も備える。
9月注文でも出荷日が10月以降の場合は“10%”
最後に、増税前の買い物における注意点を。
冒頭でも記した通り、消費税率が10%に引き上げられるのは10月1日からで、9月30日までは8%税率だ。だから注文も9月30日までに完了させれば8%……のはずなのだが、ネット注文の場合など、“ショップからの発送が10月1日以降になる場合は新税率が適用”されるという。
つまり、9月30日までに注文を完了させたとしても、商品の出荷・発送が10月1日以降となる場合は「増税分が後から請求されることがある」というのだ。
楽天市場など一部のECサイトにおいては、上記場合における注意事項などをホームページで案内している。
日数に余裕を持った早めの注文を行なうのがベストだが、トラブルを未然に防ぐためにも、商品の発送・出荷が何時になるのかを確認することをオススメする。