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映画で泣いても大丈夫! 3色レーザーのJMGO「N1S Pro 4K」で“明るい大画面生活”
- 提供:
- 日本ビジネス開発
2024年11月27日 08:00
若いころから映画マニアだったぼくは、自室を映画館みたいにしたいと考え、30年以上前からプロジェクターを使い続けてきた。部屋を暗くしてスクリーンに映像を投射するホームシアターを実践することが、そして自分が自分のためだけの映写技師になることが、大げさに言えば「ジンセーの目標の一つ」だったのである。
最初は200万円超える巨大なソニー製3管式プロジェクターを天吊りした。1990年代半ばのことである。ファンノイズは盛大で、RGBそれぞれのCRT(ブラウン管)のレジストレーション調整(色合わせ)に往生した。通電後20分経ってから色合わせしろというのだから、そのタイヘンさはハンパではなかったが、趣味というものはメンドくさければメンドくさいほど燃えるのもまた真理でもあり……。
その後、画素固定型の反射型液晶タイプのソニー(SXRD)、ビクター(D-ILA)の製品を使い続け、30年近く経ったいまもまったく飽きることなく、プロジェクター大画面を堪能している。室内で楽しむ遊びとして(ぼくにとって)ホームシアターとオーディオほど面白いものはないのであります。
いっぽうで「プロジェクターを買ったけど、すぐ飽きちゃって今はもう押し入れの中……」という声もよく聞く。プロジェクター偏愛主義者のぼくには信じられない話なのだが、実際売れ線の10万円前後のプロジェクターをチェックしてみて、なるほどこりゃダメだ……ということがすぐにわかった。暗いのである、画がボケているのである。しかもほとんどの人は、この映像をスクリーンではなく壁に投射しているのだからますます冴えない画になるわけで、すぐ飽きちゃうのも仕方ないよな、と。
いっぽうぼくが使っているようなプロジェクターは値段が10倍以上もするわけで、明るくて画質が良いのも当然と言えば当然。しかし、100万円を大きく超えるようなプロジェクターに興味を持つのは、ホームシアターをやることが「ジンセーの目標の一つ」とか言うぼくみたいなちょっと変わったヒトだけだろう。
JMGOってどんなブランド?
てなことをAV Watchのヤマザキ編集長と話してたら「ヤマモトさん、ちょっとコレ試してみてもらえませんか」と言われ、我が家に届けられたのが、JMGO(ジェーエムゴー)のジンバル機能付4K DLPプロジェクターの「N1S Pro 4K」だ。
JMGOという会社名は初めて聞くが、中国・深圳に本拠を置く大メーカーで、すでに10年以上プロジェクターを開発・製造してきた実績があるそう。本社だけで300人、工場を入れると800人の従業員を抱えているという。
N1S Pro 4Kは、0.47型DMD(Digital Micro mirror Device)素子を用いたDLP方式のプロジェクターだが、最大の特長は日亜化学工業製の3色レーザー光源モジュールを採用していることだろう。R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)それぞれのレーザー光を高速点滅することで、フルカラーを得ているのである。資料を見ると、色域はBT.2020規格に対して110%カバーしているというから、かなり凄い。
従来のDLPプロジェクターは、ランプやLEDなどの単一光源の前にRGBのカラーホイール(明るさを稼ぐためにホワイトを入れるケースが多い)を高速回転させてフルカラーを得ているケースが多かったが、この方式だとカラーブレイキング(色割れ)ノイズが気になるケースが少なくなかったのである。さて、この3色レーザー光源搭載機はどうだろうか。
解像度は3,840×2,160ピクセル(4K)、最大輝度は2,500ANSIルーメンとかなり明るい。レンズ正面から見て左側のスピーカーが内蔵されている。それから、本機は上下左右に投射角度を自由に調整できるジンバル一体型で、シームレス台形補正機能を有しているのも大きな特徴だ。
明るく、キレの良いハイコントラスト映像。フォーカスと台形補正もハイスピード
届いたハコの梱包を解いて本体を取り出し、ぼくのシアタールームに運び込んでテストを開始する。グレーのカラリングの本体は軽く、かわいいロボットくんというイメージで、価格は296,780円。普段使っているコーヒーテーブルの上に本機を載せ、スクリーンと正対するようにセットする。ぼくの部屋には白壁がないので、オーエスのピュアマット3シネマの110インチスクリーンにその映像を映してみた。投射距離は約2.5メートル、1.5~3メートルの間が適正投射距離のようだ。
本機はGoogle TV対応機なのでまずWiFi設定を行ない、ワイヤレスで様々な映像配信サービスが楽しめるようにセットアップした。NetflixやAMEBA TV、TVer、Disney+、hulu、prime video、YouTubeなどが(アカウントを取得すれば)楽しめる。HDMI入力も2系統(うち1系統がHDMI eARC)あり、UHD Blu-rayプレーヤーやレコーダーの映像も投射できるのは言うまでもない。
資料には前モデルよりもオートフォーカス速度を54%、リアルタイム台形補正速度を45%高めたと書いてあるが、たしかに速い。本機をスクリーンに正対させ、電源を入れズーム調整で画角を合わせれば、あとは勝手に瞬時にフォーカスと台形補正をやってくれるのである。これほど自動基本調整がすばやいプロジェクターは初めてだ。
画質調整項目は多岐にわたるが、まずは何もしなくてもキレのよいハイコントラスト映像が楽しめる。2,500ANSIルーメンという明るさの資産はきわめて大きいというのが最初の感想だ。高級機と比べると、肌とかが少しのっぺりして、階調表現に不満がないではないが、4Kらしい解像感の高さはリアルに実感できる。
テストは基本暗室環境で行なったが、APL(平均輝度レベル)の高い野球やサッカーなどのスポーツ中継は光を残した状態で観てもなにも問題ないだろう。昼間外光が沢山入って来る環境はさすがに厳しいと思うが、夜のリビングルーム照明下なら「超大画面テレビ感覚」で本機の投射映像が楽しめるはずだ。
豊富な画質調整機能
本機の画質調整項目をいろいろ調べてみた。映像モードとして「ビビッド」「標準」「映画」「ゲーム」などがあるが、「ユーザー」設定にすると、「明るさ」「コントラスト」「彩度」「色相」「シャープネス」などが個別調整できる。映画をはじめ様々な映像作品を観たが、総じて色が濃すぎる印象だったので、「彩度」を少しマイナス方向に振ってみることにした。それでも本機ならではのこってりとした力強い色彩表現が楽しめる。
また、どのモードも「モーション補正」が入ってしまうが、ぼくは現実にはあり得ないようなヌルヌルした動きが気持ち悪いので、これをオフにして観た。また、色温度は「寒色」「標準」「暖色」から選べるが、古いフィルム収録の映画は「暖色」が、近年のデジタルシネマやドラマなどは「標準」が最適だ。また、「ユーザー」にすると、RBGゲイン調整ができるので、肌色に違和感があるときはこのゲイン調整が有用だろう。
それから、暗室ではなくリビングルーム照明下で観るときは、「ウルトラ明るさ」をオンにするといい。こうすることで、2,500ルーメンの明るさのパワーを持つ本機の魅力がダイレクトに感じられるはず。
予想を超えるスピーカーのクオリティ
それから特筆したいのは、本機内蔵スピーカーの予想を上回る音の良さ。安価なプロジェクターの内蔵スピーカーの音は総じて音が痩せていて、音量を上げていくと歪みっぽくて聴いているのがつらくなるが、本機は違う。
思いのほか低音が豊かで、人の声が聞きやすい。長時間映画を観ても耳が疲れるということもない。もちろんこの画質に見合う音を得るにはHDMI ARC端子を用いてAVアンプと連携し、外部スピーカーで聴くのが好ましいと思うが、プロジェクター単体でも十分実用に足るクォリティは達成していると思う。
少し明かりを残した状態で「ウルトラ明るさ」をオンにして、Netflixの『極悪女王』を観たが、これが最高だった。
1980年代に一世を風靡した女子プロレスのヒール役ダンプ松本を主人公にした「強くなりたい少女たち」の物語だが、白石和彌監督の演出がすばらしく、本機N1S Pro4Kで観るレスリング・シーンは大迫力。最後のダンプ引退試合とか本気で泣けた。こういうとき一人で観ることができるホームシアターっていいなあとつくづく思う(泣いてるところを誰にも見られたくないですからね)。
ダンプ役のゆりあんレトリバァ、ライオネル飛鳥役の剛力彩芽、長与千種役の唐田えりか、みんな凄い。とくに坊主頭になることも厭わない唐田の根性の据わった演技は爽快そのもの。ダンプvs.長与の試合は流血が凄いのだが、N1S Pro 4Kで見る赤い血は毒々しいまでにインパクト抜群で、やはり色域の広いプロジェクター大画面は良いなあと実感した。
カラーホイール方式のDLPプロジェクターはカラーブレイキングノイズが気になると先述したが、RGBレーザー高速点滅方式の本機の場合、皆無とは言わないが、この色割れノイズはほとんど気にならない。この点も本機を高く評価したいポイントだ。
また、試しに本機の映像を天井に映し出してみたが、なるほど白い天井なら、ベッドの上で寝ながら映画鑑賞とかも十分楽しめるだろう。面白くなって眠れなくなる可能性が高いと思いますが……。
手軽にスタートできる大画面生活
いずれにしても、ワイヤレスで映像配信サービスの作品が楽しめて、置いてすぐ最適画質を提供してくれて、明るく、色再現範囲が広いこのプロジェクターの楽しさは予想以上。暗くてボケた映像の安価なプロジェクターのように、1、2回見て飽きちゃったと言われてしまうことは絶対ないと断言できる。
手軽に高画質大画面が実現できるN1S Pro 4K。あなたも100インチのある生活を始めてみませんか。