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超弩級プレーヤー集結。4G対応でSIMが使える「HiBy R8」、ポータブルの域を超えるiBasso「DX220MAX」

東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「秋のヘッドフォン祭 2019」が、11月2日、3日に東京・中野サンプラザで開催中。入場は無料。ここではエミライやHiByのポータブルプレーヤーなどをレポートする。

HiBy「R8」

HiBy Music/HIDIZS

HiBy Musicのブースでは、大きめサイズのポータブルプレーヤー「R8」が参考展示されている。このプレーヤーの特徴は、4G通信機能を備え、SIMカードスロットを備えている事。通話機能は無いが、4G通信が可能で、音楽配信サービスなどが屋外で使えるプレーヤーだという。

SoCにはSnapdragon 625、OSにはAndroid Pを採用するなど、端末としてもハイスペックなのが特徴だ。日本でどのように販売するかなど、詳細はまだ未定だという。

HiBy「R8」

さらに「HiBy R6 Pro」も注目を集めていた。

HiBy R6 Pro

HIDIZSの新製品も登場。超コンパクトなプレーヤーである「AP80」の上位モデルで、モデル名は「AP80 Pro」。サイズがAP80よりもわずかに大きくなっているが、AP80が1基搭載しているESS「ES9218P」DACチップをデュアルで搭載。2.5mm 4極のバランス出力も新たに搭載している。

HIDIZS「AP80 Pro」

MUSIN

MUSINブースでは、iBasso AudioとSHANLINGのプレーヤーなどが参考展示されている。注目はiBasso Audioの「DX220MAX」。超巨大な筐体で、特に分厚さが印象的。ヘッドフォン出力として3.5mmアンバランスと、4.4mmバランス、さらにライン出力用の4.4mmバランスも備えるなど、据え置きプレーヤーとしての利用も想定している。

DX220MAXという製品名だが、DX220と同じなのはUIデザインやDACチップくらいで、その他はほぼ別物となる。巨大な筐体にはバッテリーが搭載されており、アンプ回路への供給用に、アンプ向けのバッテリーを内蔵するなど、各回路向けに専用のバッテリーを搭載。これにより、再生音のクオリティを向上させている。

iBasso Audioの「DX220MAX」

SHANLINGのBluetoothレシーバー兼アンプ「UP4」も登場。ES9218P DAC/AMPをデュアルで搭載。3.5mmに加え、2.5mmのバランス出力も備え、コーデックはLDAC/LHDC/aptX HDなどに対応する、音質にこだわったモデルとなっている。2.5mmの4極バランス出力も搭載する。

SHANLINGのBluetoothレシーバー兼アンプ「UP4」

Luxury&Precision

超弩級プレーヤーを展開しているLuxury&Precisionだが、より価格を抑え、多機能化したプレーヤーとして「L4PRO」を参考展示している。独自OSではなく、初のAndroid採用プレーヤーで、価格は未定だが5~6万円のイメージだという。4.4mm、2.5mm、3.5mmの出力を搭載する。Luxury&Precisionの特徴であるR-2Rラダー型ディスクリートDACは使っておらず、通常のDACを使っている。

Luxury&Precision「L4PRO」

一方で、縦長の「P6」は、R-2Rラダー型ディスクリートDACを搭載したプレーヤー。価格は未定だが、30万円ほどのイメージで、抵抗回路でD/A変換するポータブルプレーヤーとしては価格を抑えているという。試作機は、ディスプレイ下部にタッチパネルではなくボタンを備え、背面はR-2Rラダー型ディスクリートDACが見えるようになっているが、これらの仕様は変更される見込み。

Luxury&Precision「P6」

同ブースでは、HYLAの新イヤフォンも参考展示。「Sarda」は、BA×2、ダイナミック×1、圧電セラミック振動板ドライバー×1を搭載したトリプルハイブリッドタイプ。「Eximia」はBA×1、ダイナミック×1。

「Sarda」
「Eximia」

さらに、OriolusのBluetoothレシーバー「Oriolus 1795」も参考展示。LDACなどに対応し、3.5mmのアンバランスに加え、4.4mmのバランス出力も搭載。NFCやワイヤレス充電にも対応するなど、音質と使い勝手を追求したモデルになる見込み。

OriolusのBluetoothレシーバー「Oriolus 1795」

エミライ

エミライブースでは、FiiOの新製品としてプレーヤーの「M11Pro」、Bluetoothヘッドホンアンプ「BTR5」を公開している。M11Proは試聴も可能。

M11Proは、年内発売を予定。価格はオープンプライスで、現時点で、市場予想価格は7万円台を予定しているという。

DACチップにAK4497EQを2基、左右独立構成で搭載し、「ポータブルオーディオ機器のレベルを超える低ノイズ・低歪と高出力を両立」するという。384kHz/32bitまでのPCMデータの再生に対応するほか、11.2MHzのDSDデータのネイティブ再生に対応。3.5mmシングルエンド出力と2.5mm/4.4mmバランス出力端子を搭載。フルバランス構成のTHX AAA-78ヘッドホンアンプ回路を搭載する。

MQAフルデコーダー機能も搭載。3GB RAMと内蔵ストレージメモリ64GBを備え、「Exynos 7872」の搭載で、「デジタルオーディオプレーヤー史上最高クラスの高速動作を実現した」とする。

Bluetoothレシーバー/トランスミッターとしても利用可能。コーデックはaptX/aptX HD/LDAC/HWA(LHDC)もサポートする。

Bluetoothヘッドフォンアンプ「BTR5」

Bluetoothヘッドフォンアンプ「BTR5」も年内発売を予定。価格はオープンで、店頭予想価格は1万円台半ばを予定している。

DACチップにESS Technology製「ES9218P」を左右独立構成で採用。3.5mmシングルエンド出力と2.5mmバランス出力端子を搭載。Bluetooth 5.0に対応。コーデックはAAC、SBC、aptX、aptX Low Latency、aptX HD、LDAC、LHDC、HWAなどをサポートする。

USB DACとしても使用可能。USBレシーバー部には、XMOS製高性能チップ「XUF208」を採用。384kHz/32bitまでのPCMデータの再生に対応するほか、11.2MHzのDSDデータのネイティブ再生に対応する。

急速充電対応で、約2時間でフル充電が完了。約12時間の連続再生ができる。本体設定を簡単に確認できるOLEDを搭載する。

発売さればかりの、FiiO「M5」の新色も展示

Noble Audioからは、ユニバーサルIEMの新製品「Tux5」、「M3」を参考展示。いずれも年内発売予定。価格はオープンで、店頭予想価格は「Tux5」が15万円前後、「M3」が10万円台を予定している。

ユニバーサルIEMの新製品「Tux5」

「Tux 5」は、低域用ダイナミックドライバー1基、中域用Knowles製BAドライバー2基、高域用Knowles製BAドライバー2基を採用したハイブリッド型。

シェルは3Dプリンタで出力。最適設計された音導管構造と特殊加工を施した金属製スクリーンフィルター、ダンパー位置を最適化したベント設計を採用。オリジナルの8コア仕様のモノクリスタル・プレミアム・カッパー製ケーブルを採用する。

「M3」

「M3」は、10mm径ダイナミックドライバー1基、新ドライバーユニット「Active Balanced Magnetic driver」1基を採用したハイブリッド型。オリジナルの8コア仕様モノクリスタル・プレミアム・カッパー製ケーブルを採用する。

左から「Brooklyn Bridge」、「Brooklyn AMP」

MYTEK Digitalの参考展示は、Brooklyn DAC+にネットワーク機能を追加した「Brooklyn Bridge」。年内発売の予定で、価格はオープンプライス。現時点では、店頭予想価格は30万円台後半を予定している。

Brooklyn Bridgeは、LAN端子、Wi-Fiアンテナを装備するほか、音楽ファイルを格納した外部メモリーやポータブルHDDを接続するためのUSBポートも備えている。

スマートフォンやタブレット端末と連携し、Tidal(日本未サービス)のMQAファイルやQobuzのハイレゾ音楽ファイルをストリーミング、あるいはUSBポートに接続したデバイスに格納した音楽ファイルの再生が可能。

ESSのハイエンドDACチップ「ES9028PRO」を採用​。384kHz/32bitまでのPCMデータのほか、11.2MHzまでのDSDデータのネイティブ再生が可能。認証取得済みハードウェアMQAデコーダも内蔵。内部ジッター0.82psを誇る、MYTEK フェムトクロック・ジェネレーターを搭載する。

クラスDパワーアンプ「Brooklyn AMP」も参考展示。年内発売を予定。価格はオープンで、店頭予想価格は20万円台後半。

D級アンプ回路搭載の同社初のデュアルモノラル設計採用ステレオパワーアンプ​。15以上におよぶD級アンプ回路をテストした末に、デンマークのPascal A/S製モジュールを採用。その性能を引き出すべくMYTEK独自に主要部品のカスタマイズし、大幅に歪を減らしたという。

DAC「Brooklyn」シリーズと高さ・横幅をそろえた、統一感のあるデザインを採用。RCAおよびXLR入力各1系統、バナナ端子対応スピーカー出力端子搭載。2種のゲインモード(0dB, +6dB)​、ステレオモード、バイアンプモード、ブリッジモードが利用できる。

他にも、RAAL-requisiteのフルリボン型ヘッドフォン「SR1a」を展示。現在一般販売に向けた準備をしているとのことで、年内発売を予定。価格はオープンで、「クラウドファンディング時の価格と同様、市場予想価格は45万円前後を予定している」という。

RAAL-requisiteのフルリボン型ヘッドフォン「SR1a」

スタックス

スタックスは、同社のイヤースピーカーを駆動するドライバーユニットの新製品として、12月3日に真空管方式の「SRM-700T」、半導体方式の「SRM-700S」の2製品を発売。価格は各298,000円。この2機種を出展する。

真空管方式「SRM-700T」

真空管方式「SRM-700T」は、初段にカスタムのローノイズのDUAL FETを採用、二段目はGT管の「6SN7」を搭載。6FQ7の原形となった真空管で、シンプルでパワーに余裕のある動作を実現するという。負荷抵抗には高品質で、インダクタンス成分が少ないVISHAY製の無誘導巻線抵抗を使用した、ハイブリッド型ドライバーユニット。サウンドとしては「クリアでスルーレートの高い真空管サウンドはさらに深められ、温かみと広がりのある再現に磨きがかかった」という。

半導体方式「SRM-700S」

半導体方式「SRM-700S」は、初段にカスタムのローノイズDUAL FET、二段目増幅段にもスタックスのドライバー史上初となる、J-FETを採用したオール半導体式のドライバーユニット。

半導体方式「SRM-700S」低ノイズで増幅に優れたJ-FETと、大電流エミッタフォロワー回路の出力により、「イヤースピーカーの性能を余すことなく引き出す」という。

アスク

AUDEZE製品を多数展示。国内未発売モデルである新ヘッドフォン「LCD-1」と、新イヤフォン「LCDi3」を参考出品している。どちらも国内初披露だ。

新ヘッドフォン「LCD-1」

新ヘッドフォン「LCD-1」は、平面駆動型ながらコンパクトサイズなのが特徴で、モニターヘッドフォンとしても提案するモデル。重量も250gと平面駆動型では軽量で、長時間のリスニングでもストレスが少ないという。価格は48,000円前後を想定している。

「LCDi3」

「LCDi3」は、平面駆動型イヤフォンの最上位「LCDi4」の設計を継承しつつ、iSineシリーズの低インピーダンス技術を兼ね備えたというモデル。価格は10万円台の見込みで、12月頃の発売予定。

テックウインド

テックウインドブースでは、Westoneのカスタムイヤフォンを紹介。従来の「トランスルーセント」カラー×「Precious Metal」カラーを組み合わせ、「日本の四季」をイメージした新しいカラーオプションを用意しており、その実機を目にする事ができる。