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レグザ、広色域量子ドット×全録のミドル4K液晶「Z770L」

75型「75Z770L」

TVS REGZAは、広色域量子ドット技術を採用した4K液晶レグザ「Z770L」および「Z670L」シリーズを8月より発売する。Z770Lが75/65/55型、Z670Lが50/43型をラインナップ。価格はすべてオープンプライスで、店頭予想価格は16.5万円前後(43型)から。

4K液晶レグザ「Z770L」  8月発売
・75型「75Z770L」 約37.5万円
・65型「65Z770L」 約31万円
・55型「55Z770L」 約25.5万円

4K液晶レグザ「Z670L」  8月発売
・50型「50Z670L」 約19万円
・43型「43Z670L」 約16.5万円

フラッグシップ「X9900L」「Z875L/Z870L」シリーズに次いで投入される、レグザ夏モデルの第2弾。Z770Lは'21年モデル「Z740XS」、またZ670Lは「Z670K」の後継となる。

ミドルクラスでありながら、高効率な色変換を可能にする量子ドットシートを採用しているのが特徴。上位Z875L/Z870Lやソニー「X95K」、シャープ「DP1」、LG「QNED85」などのハイエンドモデルでは、“ミニLED×量子ドット”のコンビで搭載されているが、Z770L/Z670Lではバックライトに通常サイズの青色LEDを使用することで、画質向上とコスト抑制を両立している。

75型「75Z770L」
43型「43Z670L」

Z770LとZ670Lの大きな違いは、地上波6chを丸録りできるタイムシフトマシン機能の有無で、Z670Lは非搭載。このほか、エリアコントロールの有無(43型非搭載)やスピーカー数(75型11個)、回転スタンド(75型非対応)などサイズによる違いがある。

なお、搭載OSはAndroid/Google TVではなく、レグザ専用Linux OS。今期レグザは、同時発表の下位モデルを含め全機種Linux OSに統一されたため、Androidレグザはラインナップから無くなる。

タイムシフトマシン搭載の「Z770L」シリーズ
シリーズの仕様比較

量子ドット採用で広い色域と鮮やかな色を実現

Z770L/Z670Lシリーズともに、4K/3,840×2,160ドットの倍速液晶パネルを採用。新開発の直下型・高輝度青色LEDバックライトと量子ドットシートを組み合わせた構造により、従来モデルに比べ、広い色域と鮮やかな色再現性能を獲得している。さらにLEDを制御するエリアコントロール技術(43型除く)により、高いコントラストも備えたという。

65型「65Z770L」

レグザブランド統括マネージャの本村裕史氏は「量子ドットはナノサイズの半導体。青色LED光を粒径が大きい量子ドットに当てると赤、その粒径を少し小さくすると黄、さらに小さくすると緑……というように、量子ドットのサイズを調整することで色をシフトできる非常に優れた素材だ。従来の白色LED+カラーフィルターに比べ、青色LED+量子ドットはパワーロスが少ない。スペクトル的にもパワー密度が高く、波長の混じりが無いため、明るく高純度な色が採り出せる」と量子ドットのメリットを説明。

さらに「量子ドット技術そのものは以前からあったが、近年になり技術的にも安定し、量産体制も確立されたことで入手しやすい状況になった。ミニLEDとのコンビであれば、さらに高い画質を実現できるが、それではコストが数十倍になってしまう。ミドルレンジのZ770L/Z670Lは、コストと画質をバランスさせてもらった」と背景を話す。

量子ドット無しのイメージ
量子ドット有りのイメージ
レグザブランド統括マネージャ 本村裕史氏

高画質と快適な操作性を両立する新世代「レグザエンジンZR II」を採用。

ZR IIは発表済みの55型液晶「55Z870L」で初採用されたもので、各種処理を1チップで完結させる高性能プロセッサ。なおZRαは、ZR IIの後段にレグザ独自の画質処理専用プロセッサを組み合わせた2チップ構成となる。

写真中央のひと際大きなチップが「レグザエンジンZR II」

新エンジンに合わせ、各種映像処理も強化された。

健康的で自然な質感の肌再現を目指す「美肌フェイストーンZR II」を搭載。人肌の立体感や質感を向上させるとともに、黒ずみや白飛びなどを抑制し、自然な人肌を再現。加えて、撮影環境などの影響でシフトしてしまった肌も、自然で好ましい色合いに調整してくれる。

美肌フェイストーンOFFのイメージ
美肌フェイストーンONのイメージ

ネット動画の高画質機能も引き続き搭載。「ネット動画ビューティZR II」では、動画特性に合わせた高画質処理により、コントラスト・精細感を向上。さらにネット動画の気になるノイズを抑制し、低フレームレートのコンテンツも滑らかに再生する。さらに前述の美肌フェイストーン機能との併用で、ネット動画映像での人肌も自然に再現するという。

ネット動画ビューティZR II OFFのイメージ
ネット動画ビューティZR II ONのイメージ

「地デジAIビューティZR II」は、放送波のさまざまなノイズを低減し、高精細な映像を再現するもの。テロップまわりのノイズや動きのある映像で発生しがちな動きボケを抑制し、クリアな映像を描く。

また、クラウド上にある番組やジャンルごとの映像調整パラメータを利用し、高画質処理を行なうオンリー技術「クラウドAI高画質テクノロジー」も搭載。放送されている番組を日々チェックし、逐次パラメータを作成している開発担当者によれば、'22年6月現在で「詳細ジャンル数が36、個別番組数が492。合計で528分類に及ぶパラメータがクラウドに用意されている」という。

地デジAIビューティZR II OFFのイメージ
地デジAIビューティZR II ONのイメージ

対応HDRは、HDR10、HLG、HDR10+、Dolby Visionほか、視聴環境にあわせて最適な映像を映すHDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision IQもサポートする。

出力60Wの重低音システム採用。Z770Lはタイムシフトマシンも

Z770L/Z670Lシリーズともに、総合出力60W(同時駆動)の「重低音立体音響システムZ」を搭載。Dolby Atmosも対応しており、「複数スピーカーが立体的で重厚なサウンド、パワフルで臨場感あふれるサウンドを再現」するという。

スピーカー構成は、Z770Lがフルレンジ×2(75型のみ4基)、ツイーター×2、トップツイーター×4、ウーファー×1。Z670Lがフルレンジ×2、トップツイーター×2、ウーファー×1。

総合出力60Wの「重低音立体音響システムZ」を搭載
背面上部にあるトップツイーター

テレビの設置環境に応じて音響特性を補正する「オーディオキャリブレーション」機能も搭載する。

テレビから発するテストトーンを、リモコンのマイクで測定。音響特性を取得・補正することでリビングやベットルームなど、部屋に最適なオーディオ設定に自動調整することができる。

55型「55Z770L」
50型「50Z670L」

前述の通り、Z770Lシリーズのみ地デジ番組を最大6チャンネルまるごと録画する「タイムシフトマシン」に対応。USB HDDを別途用意すれば、最大6チャンネルをDRモードで約80時間(4TB時)録り貯めることが可能。またリモコン搭載のレグザボイスボタンを使えば、番組名を話しかけるだけで過去番組の再生が行なえる。

搭載チューナーは、Z770Lが地上デジタル×9(タイムシフトマシン含む)、BS/110度CSデジタル×3、BS/CS 4K放送×2。Z670Lが地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS/CS 4K放送×2。どちらのシリーズも、別売のUSB HDDに地デジ/BS/CSの2番組同時、4K放送の裏番組録画ができる。

ほかにも「過去番組表」やテレビ起動時やチャンネル選局時に気になる番組を見つけてもボタン1つでオープニングから視聴できる「はじめにジャンプ」、ジャンル別リストから見たい番組をすぐに再生できる「ざんまいスマートアクセス」、見たいシーンにアクセスできる「シーンリスト」、2K/4K放送番組を自動録画してくれる「おまかせ録画」にも対応する。

シーンリスト
レグザナビ

10個(ABEMA、Netflix、Hulu、U-NEXT、YouTube、Amazon Prime Video、Disney+、TVer、dTV、Net.TV)のダイレクトボタンを搭載した、新リモコンを採用。

好みのネット動画アプリや、HDMI接続した外部機器をユーザーが登録できる「My.Choice」ボタンも2つ用意しており、例えば、ダイレクトボタンのない「DMM.com」や「SPOOX」「Paravi」などのアプリをMy.Choiceに割り当てれば、ネット動画へのアクセスが更に便利に利用できる。

Z770Lのリモコン

HDMI入力は4系統で、うち入力1/2がHDMI2.1をサポート。

4Kのハイフレームレート映像が楽しめる4K120p入力ほか、映像のちらつきやカクツキを軽減するVRR、自動的に低遅延モードに遷移するALLM、高音質音声データのHDMI伝送に対応するeARC(入力2のみ)機能を搭載。ゲーム機の出力映像に合わせ自動的に最適なモードに設定する「オートゲームアジャスト」や「ゲーム専用高画質」機能も装備する。

また1080p/120Hz入力時の映像遅延時間は0.83msで、業界トップクラスの性能を実現。なお、1080p/60Hz(12bit)、1440/60Hz、4K/60Hz(12bit)入力時は約9.2ms。

HDMI以外の入出力端子は、4極ミニプラグのビデオ入力(映像・音声LR)、光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力、LANを各1系統用意。USB端子は、Z770Lが4系統、Z670Lが2系統。スイーベル対応のスタンドが付属する(75型除く)。

消費電力と年間消費電力は、いずれも未定。

75型「75Z770L」
65型「65Z770L」
43型「43Z670L」。75型以外はスイーベルに対応する