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ポタフェス開幕。FiiOデスクトップオーディオ「R7」、Noble「FoKus Mystique」

FiiO R7

e☆イヤホンは17日、秋葉原にてポータブルオーディオの展示・試聴イベント「ポタフェス 2022 冬 秋葉原」を開幕した。期間は18日までの2日間。入場料は無料(事前登録なしのフリー入退場)。会場はベルサール秋葉原。ポータブルオーディオ機器を手がける国内外129ブランドが集まり、最新モデルや、未発表の試作機などを試聴できる。

ここでは、正式発表前の製品を多数参考展示しているエミライブースをレポートする。

FiiO R7

ブースで注目を集めているのが、FiiO「R7」だ。DAP「M11Plus ESS」譲りのプレーヤー性能と、「THX-AAA 788+」の強力なヘッドフォンアンプ回路を合体した、ユニークなデスクトップオーディオで、ヘッドフォンやアクティブスピーカーなどと組み合わせやすくなっている。

「強力なUI・DAC部を持つデジタルオーディオプレーヤーに据え置き用のアンプを搭載させて電源を強化したらネットワークオーディオプレーヤーになるのでは?」という新機軸のオーディオ製品「R」シリーズの第1弾と位置づけられている。今冬の発売を予定しており、価格は未定。

ESS Technology製DACチップ「ES9068AS」を搭載し、PCM 384kHz/32bit、DSD 256の再生に対応。アンプ部には、THXの特許技術を採用し、FiiOとTHXが新たに共同開発した「THX AAA-788+」ヘッドフォンアンプ回路を2基搭載。これにより、3,000mW(32Ω・バランス出力時)という強力な駆動力を実現しながら、SN比122dBの低ノイズを両立している。

DAPとしては、Qualcomm製の8コアSoC「Snapdragon 660」と4GB RAMを搭載し、スムーズな動作を実現。各種アプリのビットパーフェクト再生に対応する、FiiOカスタム仕様のAndroid 10 OSを搭載している。

前面にディスプレイを備え、その右隣にボリュームなどを配置している

高品位な外部電源を接続すると、音質をより強化できるDC給電モードを用意。最大5段階のゲイン設定が可能で、「IEMからヘビー級ヘッドフォンまでを自在にハンドリングできる」という。出力端子は4.4mmバランス、4pin XLRバランス出力を備えるほか、FiiO初のXLRライン出力、LAN端子なども備えている。アクティブスピーカーなどを繋ぐことも可能。

最大2TBまで対応のmicroSDカードスロットも備え、USBストレージなどからも音楽ファイルの読み込みが可能。PCを使わず、単体でも使用できる。

背面

FiiO M15S

FiiO M15S

前モデル「M15」発表から1年半、満を持しての登場となった「M15S」は、FiiO製最新世代ヘッドフォンアンプ回路を搭載したDAPだ。今冬発売予定で、価格はオープンプライス。

ESSのフラッグシップDACチップ「ES9038PRO」を搭載し、PCM 384kHz/32bit、DSD 256の再生に対応。高精度水晶発振器を駆使した「デジタル・オーディオ・ピューリフィケーション・システム」も備えている。

ヘッドフォンアンプ部は、最大1,100mW(32Ω・バランス出力時)と大出力が可能。強力な駆動力を実現しながら、SN比122dBの低ノイズを両立している。2.5/3.5/4.4mmという3系統のヘッドフォン出力端子に加え、4.4mmバランスライン出力も備える。

Qualcomm製の8コアSoC「Snapdragon 660」と4GB RAMを搭載し、スムーズな動作も実現。 Qualcomm製「QCC5124」搭載で、BluetoothはSBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC/LHDC送信に対応。各種アプリのビットパーフェクト再生が可能な、FiiOカスタム仕様のAndroid 10 OSを搭載している。

6,200mAhの大容量バッテリーを搭載し、待ち受け時間1,000時間を実現。MQAのフルデコードも可能。USB DACやBluetoothトランスミッター/レシーバーとしても動作する。

FiiO Q11

ベストセラーのエントリーモデル「Q1MK2」の後継機種として開発された、USB-DAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ新作。コストパフォーマンスの高さはそのままに、ハイレゾ音源の再生にフル対応し、PCM 384kHz/32bit、DSD 256をサポート。さらに、4.4mmバランス出力、USB-C端子も備えている。今冬発売予定で、価格は未定。

Cirrus Logic製DACチップ「CS43198」を搭載。縦10.5cm、横6㎝とコンパクトさは維持しつつ、バランス出力時で最大600mW(32Ω負荷)の高出力設計となっている。2段階(High/Low)のゲインセレクタースイッチも搭載。

3.5mmと4.4mmバランス、2系統のヘッドフォン出力と、同軸デジタル出力も可能。充電とデジタル入力の端子にUSB-Cを採用し、Type-C to Lightningケーブルも付属する。

FiiO Q11

FiiO K9

右がK9

上位モデルに肉薄する音質・性能・利便性の実現を追求したという、デスクトップUSB DAC/ヘッドフォンアンプのハイパフォーマンスモデル。

完全バランス設計やFiiOとTHXの共同開発による「THX-AAA 788+」ヘッドフォンアンプ回路を搭載するなど、アナログ部の設計は最上位モデルの「K9 Pro ESS」を踏襲している。今冬予定で、価格は未定。

ESSの「ES9068AS」をデュアル構成で搭載。上位モデルを凌ぐPCM 768kHz/32bit、DSD 512ファイルのネイティブ再生に対応

ヘッドフォンアンプ部は、フラグシップモデルと同様で、THX-AAA 788+回路を2基搭載。DAC部からアンプ部に至るまで、完全バランス設計を実現している。

最新世代XMOSチップと2系統の超高精度水晶発振器により、ジッターを極限まで抑制するデュアル・フェムトクロック構成。デジタル部とアナログ部の電源供給を完全分離し、低ノイズ・高安定性・高耐久性を実現したというセパレート設計電源回路を採用。

XLR/4.4mm両対応のバランスヘッドフォン出力と、高性能DAC/プリアンプとしても利用可能な豊富な入出力端子も備える。

UAC1.0規格に対応し、USB Audio機能が利用可能なゲーム機と接続可能。音量の左右不均等を解決し、微細な音量調節を可能とするADCボリュームコントロール機能も搭載する。

Qualcomm製SoC「QCC5124」搭載で、BluetoothはLDAC、aptX HD、aptX Adaptiveなどをサポートする。

FiiO KB1

FiiO KB1

ユニークなのが、小さなキーボード。“オーディオライフをより豊かにするために開発された”というオーディオ用メカニカルキーパッドだという。

USBケーブルでPCやスマートフォン、DAPと接続するもので、このパッドから音楽の再生/停止や切り替え、音量調整からミュートなどを操作できる。つまり、DAPを卓上などで使用する際に、いちいちDAPのディスプレイにタッチして操作するのが煩わしい時などに、このキーパッドを手元に置けば、頻繁に行なう操作を即座にできるという製品になっている。

専用のPC用ソフトでボタンコンフィグやLEDライト効果を自分好みに設定も可能。今冬発売予定で、価格は未定。

USB-C端子をボディの背面と左面に計2つ搭載。様々なデジタルデバイスと接続する際に、デスク上で取り回し易い方向から接続するための工夫となる。

ボタンスイッチには定評のあるKailh製「Kailh Box White Switch」を採用、またカスタマイズ性に優れるTTC製のホットスワップソケットを採用。

キーとノブは専用ソフトを利用すれば自由にボタンの割り当てが可能なほか、マクロボタンとして設定することも可能。

ボディはアルミニウム-マグネシウム合金をCNC加工。耐久性と高級感を兼ね備えるという。ボディ底面には滑り止めと衝撃を吸収する役割を兼ねた「EVAフォームマット」を備えた。

FiiO FF5

FiiO FF5

FiiOの最先端技術を用いて開発したというイントラコンカ型イヤフォンの最新・最上位モデル。

カーボン繊維をベースにPU(ポリウレタン)を組み合わせた新型振動板を採用。サイズは径14.2mmと大型。今冬発売予定で、価格は未定。

音質に悪影響を及ぼす共振や定在波を効果的に抑制する「ディフューズオープンデザイン」を採用。新技術の「音響抵抗管設計」により、内部空気圧の最適化と共振の抑制を実施。「特に女性ボーカルをクリアーに表現し際立たせるサウンド・チューニング」が施されたという。

片耳3.4gと軽量。耐久性に優れるCNC加工アルミニウム合金製ボディを採用。ケーブルは着脱可能で、MMCXを採用。3.5/4.4mmプラグが付け替え可能な392本構成・銀メッキ単結晶銅ケーブルが付属する。

FiiO FH15

FiiO FH15

「FH5」の後継機種。Knowles製BAドライバー×3基、カーボンファイバー振動板を採用した10mm径ダイナミックドライバーを備えたハイブリッド構成のリファレンスクラス・ユニバーサルIEM。

これまでのIEM開発で培った技術をアップデートし、更に最新のトレンドを踏まえたチューニングを施すことで、「音楽のジャンルを選ばないオールマイティな性能と高い解像感と明瞭な音質傾向を実現した」という。今冬発売予定で、価格は未定。

搭載するドライバーの音の純度を保ち、中域を華やかにする「ノッチフィルター・テクノロジー」を搭載。低域ドライバーの真価を発揮させる「S.TURBOテクノロジー」や、ユーザーが交換可能な3種類のフィルターによるサウンドコントロール機能も備える。

FiiOオリジナルの新開発イヤーピース「HS18」を採用。MMCX規格の3.5/4.4mmプラグが付け替え可能な152本構成の銀メッキ・単結晶銅ケーブルが付属する。

Noble Audio FoKus Mystique

FoKus Mystique

Noble Audioからは、「カスタムIEMの無線化」というコンセプトで作られた完全ワイヤレス「FoKus PRO」の後継機種が登場。

“Wizard”ジョンモールトン氏が新たに音質チューニングを行ない、音質の面でさらに進化しているだけでなく、マイクも改良され、通話品質も大幅に向上。ヒアスルー(アンビエントモード)も搭載するなど、ユーザビリティを進化させているのが特徴だ。今冬発売で、価格は未定。

ユニットは、Knowles製BA×2と、8.2mm径ダイナミックドライバーを組み合わせたハイブリッド構成。通話品質を高めるために、マイク位置をシェルの内側からフェイスプレート側に変更した。

フェイスプレートを深みのある「Galaxy」デザインに変更。専用アプリとの連携によって個々人の聴力や好みに合わせたパーソナライズも可能。

Bluetoothのコーデックは、SBC、AAC、aptX、aptX Adaptiveに対応する。

左がFoKus PRO、右がFoKus Mystique

Fokus Prestige

Fokus Prestige

FoKus Mystiqueと同じ内部パーツを使いながら、筐体を木製のものに変更した「Fokus Prestige」という製品も参考出品。ジョンモールトン氏が手作りしているそうで、数があまり作れないため限定モデルになる可能性もある。発売時期や価格などは未定だ。

Noble Audio RONIN

RONIN

有線IEMの最新作が「RONIN」だ。ジョンモールトン氏は、日本の文化にも造詣が深く、KATANAというモデルもこれまで作っているが、RONINも浪人からつけられた名前だという。

BA+静電型ドライバーを組み合わせたハイブリッド構成のユニバーサルIEMで、付属ケーブルとパッケージのデザインを、シンガポールで2019年に設立された新進気鋭のケーブルメーカー”Eletech(Element Technology社)”が担当したコラボレーションモデルとなっている。ケーブルの入力端子は4.4mmバランスで、イヤフォン側は2Pinの埋め込み型0.78mmソケット。

発売時期は2023年中で、価格は未定。ドライバーは計12基で、Knowles製BA×4、Sonion製BA×4、静電型ドライバー×4となっている。

Noble Audioブースには、John Moulton氏の実兄で、Noble Audio CEOのJim Moulton氏とご家族の姿が

Vortex Cables Lavinia

Vortex Cables Lavinia

2018年に香港で創業した注目のオーディオケーブルブランド「Vortex Cables」製のイヤフォンリケーブルも参考展示。

Laviniaはケーブル被膜にレーヨン糸を採用したスタイリッシュな外観が特徴となる「C.F.Sシリーズ」の最新・最上位モデル。耐ノイズ性、耐久性を考慮したS-Z撚り・ツイストペアシールド構造を採用。導体には4N純銀、金メッキOCC銅、金メッキ4N純銀、パラジウムメッキ4N純銀をミックスして採用している。シールド線には銀メッキ銅線(5N OFC)を採用。導体の太さは20.4AWG(0.8mm)。イヤフォンの端子はEffect Audio製「Con X」、プレーヤー側はOE Audio製で、展示品は4.4mmバランスプラグとなっている。

発売時期は検討中で、価格は未定。