ミニレビュー

PlayStation VR2の外観チェック! 前モデルから劇的シンプルに

手前がPS VR2、奥がPS VR1

PlayStation VR2(PS VR2)の試用機材が届いた。

実際に使ってのレポートは、もうしばらくお待ちいただきたいのだが、今回はまず、パッケージと外観についてチェックしていきたい。

箱は大きいが中身はシンプル

筆者の仕事場に届いたPS VR2のパッケージは、ソフトの付属しない、PS VR2単体のものだった。

PS VR2試用機材が到着。箱はPS VR1のサイズに近いが、流石に少し小さくなった

箱のサイズはそれなりにある。

開けてみると、内容物は意外と少ない。

ケーブルのついたヘッドセット本体、PS VR2 Senseコントローラー(左右1セット)、コントローラー用の充電ケーブル、それにヘッドフォンと説明書、といったところだ。ほぼ最小限の構成である。

内容物はヘッドセットとコントローラー、それにケーブルくらいでシンプル

PS VR2はどのくらいシンプルになったのか? これは、2016年発売の「PlayStation VR」(PS VR1)と比較するのがわかりやすい。

以下の写真は、PlayStation 5でPS VR1とPS VR2を使う場合に、最低限必要なものをまとめたものだ。

左がPS VR1をPS5で使うために最低限必要なもの。これが右のPS VR2では、ヘッドセット本体だけでいい。ケーブルも本体から伸びているもの1本だけ

PS VR1はとにかく必要なものが多く、接続が複雑なのが欠点だった。

プロセッサーユニットに電源をつなぎ、さらにPS4(もしくはPS5)とHDMIケーブルと付属のUSBケーブル」で接続、さらにHDMIケーブルでテレビと接続し、PlayStation CameraをPS4(もしくはPS5)につなぐ。

……文章だとよくわからないが、要は以下の画像のような感じである。

PS VR1の説明ビデオより。右が発売当時の、左がその後に出た改良モデル。どちらにしても接続はとても複雑だ

それが全部積み上がると、上の写真のようになる。

PS VR2はヘッドセットにUSB Type-Cのケーブルが直付けされており、それ以外に取り付ける必要があるものはない。使う時は、PS5のフロントにある端子へと差し込めばいい。

この差は本当に大きい。他のPC接続型HMDや、スタンドアローン型のHMDに追いついたところ……と言った方がいいのだが、並べてみるとこの差は歴然だ。

なお、ヘッドセットと本体をつなぐケーブルは、PS VR2の場合4.5mある。かなり長いが、歩き回るならこのくらい必要、という判断だろう。長さ自体は、PS VR1のものも4m近くあったので、同じようなイメージで考えればいい。

ケーブルはかなりしなやかなもので、取り回しはいい。その代わりコネクターはしっかりと太めのものが使われていて、信頼性も重視していることが感じられる。

接続用ケーブル。見ての通り、USB Type-C。コネクターはかなり堅牢だが、ケーブル部はしなやかだ

今回は実際に動かすところまではやらないが、セットアップの過程では、2つの作業が必要になる。

まずは、PS5本体にヘッドセットのUSBケーブルをつなぐこと。そしてセットアップの過程で、PS VR2 Senseコントローラーをペアリングする必要があるので、これも本体全面に、USBケーブルで接続する必要がある。コントローラーについては、DualSenseコントローラーと同じような扱い、と思えばいい。

なお、コントローラーの充電についてはPS5と接続して行なう必然性はないので、左右2つコントローラーがあるからといって、PS5背面のUSBコネクターまで使うことはない。

すなわち、PS VR1の時と違い、つけ外しをする際も、PS5の後面へ手を伸ばす必要は一切ないわけだ。

付け心地に大きな変化はない

ヘッドセットと細部も見ておこう。

位置のトラッキングは、外部カメラで認識する形から本体内のカメラでトラックする「インサイド・アウト」方式に変わったので、デザインイメージは大きく変化している。だが、サイズそのものはあまり変わっていない。

手前がPS VR2、奥がPS VR1
上がPS VR1、下がPS VR2。コンパクトになったように感じるが、これは頭に取り付けるバンドの伸縮幅が広がり、一番小さくした時の幅が小さくなった影響だ

顔の前に当たる部分が変わり、額のパッドも広くなったので、顔への「あたり」は柔らかくなった印象を受ける。一方、後ろのバンドは少し上にズレやすくなったかな……とも感じるが、付け方・付け心地ともにそこまで大きな変化はない。

PS VR1。前に四角く突き出している印象が強い
PS VR2。より顔にフィットさせるような感じの付け方になった

PS VR2の操作系はヘッドセット側にもある。上部には、左にIPD(瞳孔間距離)調節用のダイヤルがあり、右には、ヘッドセットを前後にスライドさせるボタンがある。

ヘッドセット上部。左がIPD調節用ダイヤルで、右がヘッドセットを前後にスライドさせるボタン。よくみると、「◯×□△」のロゴが……

下部には、中央に電源ボタンがある。そして、つけた状態で右側には「ファンクション」ボタン。これを「決定」ボタンの代わりにしたり、周囲をシースルー表示に切り替える時に使ったりする。なお、左側にあるのは「マイク」。ボイスチャットなどで利用する。

ヘッドセット下部。中央が電源ボタンで、写真左側(ヘッドセットをつけた状態だと右)に「ファンクション」ボタンがある。逆のものはマイク

なお、PS VR1の後期型(CUH-ZVR2)からは、ヘッドセットにくっつける形のヘッドフォンが付属するようになった。PS VR2でも、ヘッドフォンの付け方はほぼ同じだ。付属のものも、多少デザインや材質が変わっているものの、機構としては同じである。

付属のヘッドフォン
ヘッドセット後ろ側の、USBケーブルが出ている隣にヘッドフォン端子があり、そこに付属のヘッドフォン取り付ける構造

なお、この付属ヘッドフォンに使っているのは一般的な3.5mmヘッドフォン端子。だから他のものをつけることも可能ではあるが、形状や耳につける際の位置関係などによっては、付け難いものもあるだろう。

「丸い」新コントローラーが付属

新しい「PS VR Senseコントローラー」は、手を覆うガードがついた、球のような形状をしている。手を入れるところは平らに切られているので、おそらくはここを下に置いておくのが一番安定するし、使う時にもわかりやすいだろう。

PS VR Senseコントローラー

コントローラーとしては、アナログスティックが左右に1つずつ、L1/R1トリガーが中指のところにあり、L2/R2トリガーが人差し指のところに来る。○ボタン・×ボタンが右手側、△ボタン・□ボタンが左手側にある。

そのほか、左にはキャプチャ用の「クリエイト」ボタン、右には各種設定などのための「オプション」ボタンがあり、さらに、両方に「PS」ボタンが存在する。

充電やペアリングは、前出のように、付属のUSB Type-C端子から行なう形だ。

さて、ここから先の「使い勝手」「画質」(そこに関係するレンズ部含む)の評価については、また後日、ということになっている。

もうしばらくお待ちいただければ幸いだ。

西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、週刊朝日、AERA、週刊東洋経済、GetNavi、デジモノステーションなどに寄稿する他、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。
 近著に、「顧客を売り場へ直送する」「漂流するソニーのDNAプレイステーションで世界と戦った男たち」(講談社)、「電子書籍革命の真実未来の本 本のミライ」(エンターブレイン)、「ソニーとアップル」(朝日新聞出版)、「スマートテレビ」(KADOKAWA)などがある。
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