プレイバック2019

八村塁の大躍進! スマホ&テレビ視聴などバスケ観戦方法も充実 by 編集部:中林

2019年は、今まで以上に様々なスポーツに焦点が当たって盛り上がった一年だった。一番はラグビーワールドカップ。AV Watchの記事でも「今夜は日本戦」と告知する記事がとても多く読まれた。そして、個人的に外せないのは、八村塁選手の活躍が目覚ましいバスケットボール。テレビの一般ニュースなどでも多く露出され、NBAやバスケの話題がこれほど急に注目されるとは、筆者を含む多くのバスケファンも予想していなかったのではないだろうか。

八村塁選手(中央)、渡邊雄太選手(左)、比江島慎選手(右)らが9月に出場した、FIFAバスケットボールワールドカップ。DAZNでも配信された

学生時代に約10年間プレイしてきた筆者も、今年は観戦熱がさらに高まり、日本代表戦やBリーグ、NBAジャパンゲームスまで(時には会社を休んで)観戦して、例年以上に充実した。もちろん楽天のRakuten NBAや、ソフトバンクのバスケットLIVEといった配信サービスも便利で活用している。映像サービスで試合が手軽に楽しめるのは、スポーツの普及にとても重要なのは間違いない。

試合以外の話題でも、Bリーグ横浜ビー・コルセアーズの田渡凌選手が、リアリティショーの「テラスハウス」に参加し、女性陣からモテモテらしい。アメトーークで“NBA好き芸人”の回もあったことなど、バスケットボール選手を今までより身近に感じられる機会も増えたのではと思う。

Netflixで配信されている「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」第13話と第14話に八村塁選手がスペシャルゲストで登場

八村だけじゃない、若い力が本場・米国の舞台へ

博報堂DYメディアパートナーズの「アスリートイメージ評価調査」2019年結果によると、「今年活躍したアスリート」の第2位になった八村塁選手(1位は羽生結弦選手、3位はリーチマイケル選手)。

学生の頃から既に頭一つ抜きん出ており、高校生がその年最後の王者を決めるWINTER CUPでも3連覇を達成。当時会場で観戦したが、プレイだけでなく、ヒーローインタビューでも一言一言で観客を沸かせるなど、当時からスター性を見せていた。

高校卒業後は、名門ゴンザガ大学へ進学。フィジカルの強さやスキルに一段と磨きをかけて、日本人初のドラフト一巡目指名をワシントン・ウィザーズから受けたことが大きな話題となった。

チームの現状としては、主力選手のケガなど厳しい部分は多いものの、八村選手個人は2ケタ得点も珍しくないほど、チーム内でも着実に存在感を増している。本人も18日にケガを負ったが、無理せず完全な状態で復帰してくれることに期待したい。

日本人NBAプレーヤーとしては、一足先に渡邊雄太選手がメンフィス・グリズリーズとの契約(下部のGリーグ選手としても出場する2ウェイ契約)を結んで活躍中。今年は八村VS渡邊という初の“NBA日本人対決”が、短時間ながら実現したことも感慨深い。

また、以前に日本代表への取材で質問したこともあり、個人的にも注目している馬場雄大選手が、Bリーグ・アルバルク東京から、ダラス・マーベリックス傘下であるGリーグのテキサス・レジェンズへ移籍して米国デビューを果たしたのも大きなトピック。日本代表選手としても、運動能力の高さを活かした爆発力、強烈なダンクで会場を沸かせ、まだまだ成長しそうな馬場選手。本場アメリカでさらに伸びていくのが楽しみだ。

馬場雄大選手(2017年の日本代表激励会で撮影)

彼らを含む日本人選手が立った'19年の大舞台が、中国・深圳で9月に行なわれた「FIBAバスケットボールワールドカップ2019」。アジア予選で強豪オーストラリアやイランなどに勝利して出場権を得たこともあって、大きな期待を受けて臨んだ。結果としては第2ラウンドに進めなかったが、世界の頂点であるアメリカと同リーグで対戦したことも含め、選手たちにとって大きな経験となったはず。

そして2020年で最大の焦点は、もちろん東京オリンピック。当初は、開催国枠が用意されるかどうかも危ぶまれていたが、ワールドカップ出場などで実力が認められ、リーグの発展などもあって、出場が決まった時は「ついにここまで来たか」と熱いものが込み上げてきた。現在は米国でプレイしている田中力選手など、10代の選手も、オリンピックまでにどこまで成長してチームに加わってくれるか、期待は増すばかりだ。

忘れてはならないのが、オリンピック出場にもつながった、ワールドカップアジア予選の勝利に欠かせなかった、日本への帰化選手の存在。点取り屋であるニック・ファジーカス選手や、アイラ・ブラウン選手など、リバウンドやゴール下の争いに強いプレーヤーが日本の足りない部分をカバーし、チームを鼓舞してきた。

直近では、Bリーグ宇都宮ブレックスの中心選手である、ライアン・ロシター選手が日本への帰化を発表したのも大きなニュース。走れる、確実なパスが出せるビッグマンであり、日本での経験も豊富な選手が、日本代表に与える影響も大きいだろう。

その他にも、既にアジアでは王者といえる女子日本代表の活躍はもちろん楽しみだし、5人制以外にも3×3(スリーバイスリー)が'20年からオリンピックの正式種目になったことも注目。パラリンピックでの車いすバスケットボール選手の激しいぶつかり合いなども大きな見どころの一つだ。

日本でバスケを観る方法が充実

いよいよ本格シーズンの冬が到来し、今は高校バスケの「WINTER CUP 2019」が盛り上がっている。将来の八村選手のような存在が、ここから生まれる可能性は大いにあるだろう。

残り12月28日と29日の2日間となってしまったが、東京・調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで現地観戦できるほか、Yahoo! Japanの「スポーツナビ」でライブ配信されており、ログインしなくても観られる。

スポーツナビでWINTER CUPをライブ配信

テレビ放送では、テレビ朝日が女子決勝をBS朝日で28日12時~14時、男子決勝を地上波のテレビ朝日系列で29日12時~13時55分にそれぞれ生中継する。

見逃した試合を動画で楽しむなら、ソフトバンクの「バスケットLIVE」のアプリやPCサイトで全試合を観戦できる。同サービスでは、Bリーグや女子Wリーグ、大学バスケ、天皇杯など国内の試合も充実しており、Yahoo! Japanのプレミアム会員であれば見放題だ。アプリはチームラボが制作。試合だけでなく好きなチームの最新情報などもチェックできる。

バスケットLIVEアプリ

八村選手のワシントン・ウィザーズや渡邊選手のメンフィス・グリズリーズを含むNBAの試合は、楽天が運営する「NBA Rakuten」のスマホアプリやPCサイトで配信されている。PlayStation 4アプリも10月から提供された。

NBA Rakutenアプリ

料金プランは、好きな1チームだけ毎試合観られるTEAM PASSが1,430円~、楽天がセレクトした平日1試合以上、休日2試合以上が観られるBASIC PASSが月額990円~(年額7,700円)、全30チーム/全30試合のLEAGUE PASSだと月額2,640円(年額19,800円)。プラン詳細はWebサイトで案内している。また、無料ライブ配信の試合も用意されている。

テレビ用アプリでもAndroid TV搭載モデルを使ってNBA Rakutenを視聴可能とのことだが、筆者宅のBRAVIA A9Gで、NBA Rakutenアプリを使った視聴はまだできなかった(スマホからキャストの操作はできたが動画が進まない)ので、改善を期待したい。

スポーツ映像配信のDAZNは、国内外のサッカーやプロ野球の印象も強いが、バスケットボールもBリーグの試合を配信している。様々なスポーツをまとめて1サービスで楽しみたい人には特にお勧めだ。

試合観戦は、現地会場で楽しむのが一番盛り上がるのは間違いない。ただ、遠くで開催される試合なども含め、自宅や外出先など様々な場所で観られるとファンにもありがたいし、選手のモチベーションにもなり、結果的に日本のレベルもさらに上がるはず。'20年も試合会場やテレビ、スマホなど色々活用して観戦を楽しみたい。

中林暁