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映像制作プロ画質を追求したソニー液晶テレビ最高峰「BRAVIA Z9F」。75型90万円

 ソニーは、4K液晶テレビのフラッグシップ「BRAVIA Z9Fシリーズ」を10月31日に発売する。65型の「KJ-65Z9F」と75型「KJ-75Z9F」を発売し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は65型が60万円前後、75型が90万円前後。

KJ-75Z9F

 独自の広視野角技術「X-Wide Angle」や直下型バックライトシステム、最新映像エンジン「X1 Ultimate」などを搭載したソニー液晶テレビのフラッグシップモデル。'16年発売のBRAVIA Z9Dシリーズの後継機で、有機ELフラッグシップ「BRAVIA A9F」とともに、“映像制作プロの推奨に値する画質”の「BRAVIA Master Series」として展開する。

液晶の弱点を改善。X1 Ultimate搭載

 65/75型のいずれも3,840×2,160ドットの4K液晶パネルと、映像エンジン「X1 Ultimate」を搭載し、液晶ならではの高輝度を活かした高画質を追求。X1 Ultimateは、「オブジェクト型超解像」により、ノイズを抑えながら細部まで高精細化するほか、「デュアルデータベース分析」によるノイズ低減を特徴としている。

KJ-65Z9F
X1 Ultimate

 加えて、高輝度技術X-tended Dynamic Range PROや、120Hzパネルに加えて動きを滑らかに表現する「X-Motion Clarity」により動きボケを低減。さら独自の高視野角技術「X-Wide Angle」により、液晶テレビの弱点であった視野角を改善し、リビングでの使いやすさを向上する。

 バックライトは直下型LED。LEDバックライト駆動技術も採用し、エリア駆動によりコントラスト表現力を向上。エリア数は非公開。

 '16年のZ9Dでは、高密度にLEDを敷き詰め、そのLEDの一つ一つを分割駆動し、高輝度・ハイコントラストと色表現向上を図った「Backlight Master Drive(BMD)」を搭載していたが、Z9FのバックライトはBMDほどの分割数ではない。

 新HDRリマスターも搭載。被写体の細部ごとにコントラストを最適化可能となったため、細部のコンラトスト感や立体感を向上できる。HDR方式は、HDR10とHLG、Dolby Visionに対応する。なお、3Dには対応しない。

プロ推奨印「BRAVIA Master」

 有機ELのA9Fシリーズと同じく、映像制作プロが制作環境の画質に近づけて利用可能となる「BRAVIA Master」シリーズとして展開。「Netflix画質モード」と、「Calman for ブラビア」の2つの機能を用意している。

 Netflixでは、納品する映像作品の制作者向けに、モニターや視聴環境の周囲照明や視距離、キャリブレーションの実施など、細かなガイドラインを定めている。

 Netflixモードは、Netflix再生時にこのガイドライン同等の画質に自動調整し、映像制作者が見ているのとほぼ同じ状態で画質を視聴できるというモードとなる。

Netflix画質モード

 なおNetflixモードは、BRAVIAのアプリでNetflix視聴時のみ選択可能。テレビ視聴時や外部入力時にはメニュー自体が出てこない。また、Fire TVなどのでのNetflix視聴時も選択できない。

 もうひとつのBRAVIA Master機能が「CalMan for ブラビア」。映像クリエイターが編集で使用する「CalMAN」と連携するもので、CalMANをつなぐだけで、手動のキャリブレーションより高速かつ短いトレーニング期間で調整が行なえるなど、キャリブレーション(映像調整)プロセスを合理化できる。

 利用には、CalMAN Studio(またはUltimate)ソフトウェアと実行するWindows PC、SpectraCal C6-HDR2000カラーメータ、SpectraCAL VideoForgeProパターンジェネレータが必要。

HDMI 4系統が18Gbps対応。BS 4Kチューナは別売

 スピーカーはフルレンジ×2で、出力は10W×2ch。デジタルアンプのS-Masterで、フロントサラウンド技術の「S-Force Surroud」も搭載する

 チューナは、地上/BS/110度CSデジタル×2。別売の外付けUSB HDDを接続し、番組録画も行なえる。

 新4K衛星放送チューナは内蔵していないが、11月に新4K衛星放送チューナ(BS 4Kチューナ)「DST-SHV1」を発売(実売55,000円前後)。BS 4Kダブルチューナで、BS 4Kの番組を見ながら裏番組も視聴できる。詳細は別記事で紹介している

DST-SHV1

 Z9Fではシステム基盤を一新し、アプリ起動を高速化。さらに4系統のHDMI入力が全て18Gbps対応となった(A8Fは18Gbps×2、10.2Gbps×2)ため、全系統でHDR信号入力に対応する。オーディオリターンチャンネル(ARC)はeARC対応。

 HDMIの音声入力は192kHzまでの5.1チャンネル リニアPCMに対応。コンポジット映像入力や光デジタル音声出力、アナログ音声出力、ヘッドフォン出力も備えている。

高速動作&Android Oreo。ハンズフリー音声操作も

 LAN端子とIEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetoothを備え、映像配信サービスの視聴や、アプリ「Video & TV SideView」を使ったスマートフォン連携に対応。

 OSはAndroid 8.0(Oreo)で、映像/音楽配信サービスや写真やゲームアプリ、検索などに対応。ホーム画面は、左側にAppや天気などの選択ボタン、上部によく使うアプリ、画面の中央以下に各アプリの持つコンテンツが表示される。Chromecast built-inによるスマートフォンからのコンテンツ操作も行なえる。

 Netflixや、ひかりTV、Hulu、Amazonビデオ、dTV、YouTube、DAZN、U-NEXT、AbemaTV、GYAO!などの映像配信サービスに対応。リモコンには、HuluとNetflix、U-NEXT、Abema TV、YouTubeの専用ボタンを備えている。

 システム基盤の強化により、動作が高速化。アプリ起動は起動時間は最高1/4まで高速化した。

 Googleアシスタントは、リモコンのボタンを押して話しかけて音声操作するだけでなく、ハンズフリーで「OK,Google」と呼びかけて操作可能。「〇〇を検索して」、「今日の天気は?」、「今日のスケジュールを教えて」といった質問にBRAVIAが回答する。

 さらに、BRAVIAからではなく、スマートスピーカーから「テレビをつけて」と指示を出し、BRAVIAの電源を投入したり、音量の調整、チャンネル変更などの操作にも対応。また、Works with Amazon Alexaにも年内対応予定で、Amazon EchoなどのAlexa対応スマートスピーカーから、BRAVIAの操作が行なえるようになる。

 消費電力は75型が408W、65型が293W。年間消費電力量は75型が323kWh/年、65型が238kWh/年。スタンドを含む外形寸法は75型が167.6×39.9×103.9cm(幅×奥行き×高さ)/40.1kg、65型が145.3×31.4×90.6cm(同)/29.2kg。