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ソニー最高画質有機ELテレビ「BRAVIA A9F」。X1 Ultimate+画音一体強化
2018年9月4日 10:05
ソニーは、最新映像エンジン「X1 Ultimate」を搭載した4K有機ELテレビのフラッグシップシリーズ「BRAVIA A9F」を10月13日から発売する。65型の「KJ-65A9F」と55型「KJ-55A9F」を用意し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は65型が65万円前後、55型が45万円前後。
1月のCESで“次世代映像エンジン”として披露した「X1 Ultimate」を初搭載した、ソニー有機ELテレビのフラグシップ。発売中のBRAVIA A1/A8Fの映像エンジン「X1 Extreme」に対して、リアルタイム処理能力を大幅に向上し、さらなる高画質化を図っている。
BRAVIA A1シリーズと同様の床置きを前提としたスタンドと、ソニー有機ELテレビの特徴である画面そのものが音を発する「アコースティックサーフェイス」を搭載。画質と音の“究極の没入体験”を目指したBRAVIAフラッグシップモデルとして展開する。
なお、X1 Ultimateを搭載した液晶テレビフラッグシップ「Z9Fシリーズ」もあわせて発売。A9F/Z9Fは、BRAVIA史上最高の映像処理性能やパネル制御技術により、“映像制作プロの推奨に値する画質”の「BRAVIA Master Series」として展開する。
X1 Ultimate搭載のフラッグシップOLED
65/55型のいずれも3,840×2,160ドットの有機ELパネルと、新開発の映像プロセッサ「X1 Ultimate」を搭載。BRAVIA A1/A8Fシリーズで搭載の「X1 Extreme」比で、リアルタイム処理性能を約2倍に向上し、放送やネット動画などあらゆるコンテンツの画質向上を図っている。
X1 Ultimateは、1月のCESで8K対応の高性能プロセッサとして紹介されたが、実際の製品導入はA9FとZ9Fが初。オブジェクト型超解像は、従来の信号分析に加え、オブジェクト単位のグルーピングを行ない超解像処理を適用することで、ノイズを抑えながら細部まで高精細化。さらに、「デュアルデータベース分析」を導入し、従来よりも細かいノイズを砕き切り、低品質な映像も高画質化できるようにした。
新HDRリマスターを導入。映像処理能力の向上により、被写体の細部ごとにコントラストを最適化可能となったため、細部のコンラトスト感や立体感も高めている。HDR方式は、HDR10とHLG、Dolby Visionに対応。なお、3Dには対応しない。
ソニー専用のパネルコントローラとX1 Ultimateの組み合わせにより、高輝度時の色表現をより鮮やかにする「ピクセルコントラストブースター」を搭載。有機ELでは、高輝度時に制御機能が入り色域を最大化できないという課題があったが、同技術により高輝度時でも鮮やかな色表現が可能になるという。
プロ推奨印「BRAVIA Master」
A9Fシリーズは、映像制作プロが、制作環境の画質に近づけて利用可能となる「BRAVIA Master」として訴求。
そのひとつ目の機能が「Netflix画質モード」。Netflixでは、納品する映像作品の制作者向けに、モニターや視聴環境の周囲照明や視距離、キャリブレーションの実施など、細かなガイドラインを定めている。
Netflixモードは、Netflix再生時にこのガイドライン同等の画質に自動調整し、映像制作者が見ているのとほぼ同じ状態で画質を視聴できるというモードになる。
なお、Netflixモードは、BRAVIAのアプリでNetflix視聴時のみ選択できるモードとなっており、テレビ視聴時や外部入力時にはメニュー自体が出てこない。また、Fire TVなどのでのNetflix視聴時も選択できない。
もうひとつのBRAVIA Master機能が「CalMan for ブラビア」。映像クリエイターが編集で使用する「CalMAN」と連携するもので、CalMANをつなぐだけで、手動のキャリブレーションより高速かつ短いトレーニング期間で調整が行なえるなど、キャリブレーション(映像調整)プロセスを合理化できる。
利用には、CalMAN Studio(またはUltimate)ソフトウェアと実行するWindows PC、SpectraCal C6-HDR2000カラーメータ、SpectraCAL VideoForgeProパターンジェネレータが必要。
画面から音が出るアコースティックサーフェスは3.2chに
テレビの画面そのものを振動させて音を出す「アコースティックサーフェス」も強化した。
画面を振動板として利用するスピーカーで、3基のアクチュエータと2基のサブウーファによる3.2ch構成に強化し、出力も98W(13W×6+10W×2)に向上(A1/A8Fでは2.1chの50W)。センターのアクチュエータの導入により、画面中央からの音の質を高めたほか、サブウーファを横向きに配置したことで、立体的な音場を実現。「画面自体が鳴る」というアコースティックサーフェスの音質を向上した。
アンプはデジタルアンプのS-Masterで、フロントサラウンド技術の「S-Force Surround」も搭載している。
さらにサラウンドシステム構成時に、BRAVIA A9Fをセンタースピーカーとして投入できる「センタースピーカーモード」を新搭載。背面にスピーカーケーブル接続端子を備え、AVアンプなどとつないでパッシブ型のセンタースピーカーとしてA9Fを利用可能となる。
BS 4Kチューナは別売。HDMI 4系統が18Gbps対応に
チューナは、地上/BS/110度CSデジタル×2。別売の外付けUSB HDDを接続し、番組録画も行なえる。
新4K衛星放送チューナは内蔵していないが、11月に新4K衛星放送チューナ(BS 4Kチューナ)「DST-SHV1」を発売(実売55,000円前後)。BS 4Kダブルチューナで、BS 4Kの番組を見ながら裏番組も視聴できる。詳細は別記事で紹介している。
A9Fではシステム基盤を一新し、アプリ起動を高速化。さらに4系統のHDMI入力が全て18Gbps対応となった(A8Fは18Gbps×2、10.2Gbps×2)ため、全系統でHDR信号入力に対応する。オーディオリターンチャンネル(ARC)はeARC対応。
HDMIの音声入力は192kHzまでの5.1チャンネル リニアPCMに対応。コンポジット映像入力や光デジタル音声出力、アナログ音声出力、ヘッドフォン出力も備えている。
Android Oreoと新基盤で高速動作&ハンズフリー音声操作
LAN端子とIEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetoothを備え、映像配信サービスの視聴や、アプリ「Video & TV SideView」を使ったスマートフォン連携に対応。
OSはAndroid 8.0(Oreo)で、映像/音楽配信サービスや写真やゲームアプリ、検索などに対応。ホーム画面は、左側にAppや天気などの選択ボタン、上部によく使うアプリ、画面の中央以下に各アプリの持つコンテンツが表示される。Chromecast built-inによるスマートフォンからのコンテンツ操作も行なえる。
Netflixや、ひかりTV、Hulu、Amazonビデオ、dTV、YouTube、DAZN、U-NEXT、AbemaTV、GYAO!などの映像配信サービスに対応。リモコンには、HuluとNetflix、U-NEXT、Abema TV、YouTubeの専用ボタンを備えている。
システム基盤の強化により、動作が高速化。アプリ起動は起動時間は最高1/4まで高速化した。
Googleアシスタントは、リモコンのボタンを押して話しかけて音声操作するだけでなく、ハンズフリーで「OK,Google」と呼びかけて操作可能。「〇〇を検索して」、「今日の天気は?」、「今日のスケジュールを教えて」といった質問にBRAVIAが回答する。
さらに、BRAVIAからではなく、スマートスピーカーから「テレビをつけて」と指示を出し、BRAVIAの電源を投入したり、音量の調整、チャンネル変更などの操作にも対応。また、Works with Amazon Alexaにも年内対応予定で、Amazon EchoなどのAlexa対応スマートスピーカーから、BRAVIAの操作が可能となる。
消費電力は65型が513W、55型が393W。年間消費電力量は65型が283kWh/年、55型が243kWh/年。スタンドを含む外形寸法は65型が144.9×32×83.5cm(幅×奥行き×高さ)/35.6kg、55型が122.8×32×70.9cm(同)/30kg。