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アップル、AirPods Proで“空間オーディオ”。頭を動かしてもサラウンド空間維持

iPhoneでAirPodsを使い、ポッドキャストを聞いた後、iPadを取り出してドラマを再生すると、耳に入れたAirPodsからそのままiPadのドラマの音が流れる

アップルは23日、年次開発者会議「WWDC 2020」の皮切りとして、スペシャルイベント基調講演の映像を配信。その中で、iOS 14を今秋に提供、同OSを使うことでAirPods/AirPods Proの機能も進化すると発表。iPhone/iPad/Macと、デバイスを変えてもシームレスに接続できる機能を追加するほか、AirPods Proでは「Spatial audio」と呼ぶ空間オーディオ再現技術を追加。サラウンドコンテンツを映画館のような臨場感で楽しめるようになるという。

AirPods Pro

デバイスを変えてもAirPodsがシームレスに繋がる

使用するデバイスを変えても、AirPodsを繋ぎ直す必要がなくなる。例えば、iPhoneでAirPodsを使い、ポッドキャストを聞いた後、iPadを取り出してドラマを再生すると、耳に入れたAirPodsからそのままiPadのドラマの音が流れる。

その後で、Macでビデオ会議を始めるとMacの音がAirPodsから聞ける。会議中にiPhoneに電話の着信が来たら、今度はAirPodsがiPhoneに繋がる……と、機器間をシームレスに接続できるようになる。

Macでビデオ会議を始めるとMacの音がAirPodsから聞ける
会議中にiPhoneに電話の着信が来たら、今度はAirPodsがiPhoneに繋がる

AirPods Proでは空間オーディオ再生が可能に

AirPods Proではサラウンド再生が可能になる。5.1ch、7.1ch、Dolby Atmosコンテンツの再生時に使用できるもので、音が前からだけでなく、左や右、後ろ、上からも聴こえるように再生が可能。高度な空間オーディオアルゴリズムを生成、指向性オーディオフィルタとそれぞれの耳に届く細かい周波数を調整する事で、音をあらゆる場所に配置が可能。映画館での体験を再現したとする。

また、例えばiPadで映像を見ながらサラウンドコンテンツを聴いていて、頭を左に動かすと、映像の位置は変わらないのに、サラウンドが聴こえる方向は左に移動してしまう。

頭を左に動かすと、サラウンド空間も左に動いてしまうが

それを改善するために、AirPods Proの加速度センサーとジャイロスコープを活用。音場をリマップする事で、頭が動いても、音像が聴こえる方向がぶれないようにした。これにより、例えば頭を左に動かしても、膝の上に置いて映像を表示しているiPadの方向から正面の音が聴こえるようになる。

AirPods Proの加速度センサーとジャイロスコープを活用。音場をリマップする事で、頭が動いても、音像が聴こえる方向がぶれないようにした

また、映像を表示しているiPadやiPhone自体を動かした場合にも対応。頭は正面を向いたまま、iPad/iPhoneを左に移動させると、サラウンド空間もiPad/iPhoneに追従して音が聴こえる方向が変化するようになる。

映像を表示しているiPadやiPhone自体を動かした場合にも対応も、それに合わせてサラウンド空間の向きが変わる