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最新REGZAも新旧RDもクラウド連携で生まれ変わる?
~東芝が仕掛ける家電クラウド「レグザAppsコネクト」の狙い~
東芝ビジュアルプロダクツ社・映像第一事業部 DVDマーケテイング部 参事の片岡秀夫氏 |
東芝はCEATEC前日である10月4日、今後のテレビ戦略に向け、新しい施策のいくつかを発表した。その一つは、グラスレス(裸眼)による立体視を実現するテレビ。そしてもう一つが、ここでご紹介する「レグザAppsコネクト」である。
しかもこのサービスは、新しい製品であるレグザブルーレイやCELL REGZAだけが対象ではない。一番古いものであれば、2002年に発売された機種から動く可能性があるのである。
では、東芝が「Appsコネクト」で狙う世界とは、どのようなものなのだろうか? 東芝ビジュアルプロダクツ社・映像第一事業部 DVDマーケティング部 参事の片岡秀夫氏に話を聞いた。
■ まずはiPad/iPhoneをレグザブルーレイのリモコンに。でも「それだけじゃない」Appsコネクト
まず最初に、Appsコネクトがどういうものなのかを理解していこう。
先日のIFAで、同社は主にフランス向けとして「TOSHIBA PLACES」というクラウド連携サービスを発表している。このサービスでは、ビデオ・オン・デマンドなどを中心に、様々なネットサービスを、レグザやAndroid採用のタブレット端末「FOLIO 100」などで利用できるようにする、という複合的なサービスを狙っているという。
だが、映像第一事業部 TVマーケティング部 参事の本村裕史氏は、「様々な状況が違うので、日本とフランスで同じサービスを展開できるわけではありません。日本向けに展開する第一弾、第一章が、今回発表する内容」と説明する。すなわち、Appsコネクトは「東芝のクラウド戦略の一環」であることは間違いないのだが、あくまで日本独自の展開である、ということだ。
ではなにができるのか? 我々の前に、まず見せられたのは、iPad上で動く一つのアプリ「RZコマンダー」。その画面に映っているのは、おなじみCELL REGZAのリモコンと同じ映像である。
アプリ名は「RZコマンダー」。画面上は文字数制限で「コマンダ」となっているが、RZコマンダーが正式。今後登場するAppsコネクトアプリは、すべて「RZ」から始まる予定だという | RZコマンダーの画面。CELL REGZAやレグザブルーレイのリモコンがそのまま再現され、操作に使える |
「ああ、ネット端末をリモコン代わりにするのね。それはもうめずらしくないや」そう思う人が多いのではないだろうか。我々も、事実そう思った。
だが、片岡氏は次のように続ける。
片岡氏:リモコンとして動かせることも重要ですが、それだけがこの機能の本質ではありません。テレビやレコーダとAppsコネクト、そして「クラウド」が有機的につながって、それぞれの間に「データの流れ」があることが重要なのです。
それを知るためにも、とりあえずは「RZコマンダー」でなにができるかを順に見ていこう。片岡氏の言う「データの流れ」がどういうことなのかは、その過程で見えてくる。RZコマンダーは、ごらんの通り、iPhone/iPad向けのアプリとして提供される。理由は「まずは広く普及したプラットフォームから」(片岡氏)ということであり、機器にこだわっているわけではない。
同じRZコマンダーで、画面を切り換えると操作系を変更できる。ボタンはそれぞれきちんと、テレビの機能に連動 |
10月4日に開かれた会見では、東芝VP社 大角正明社長がAndroid端末「FOLIO 100」を使ってデモを行なった。同様に、PC版も提供の予定がある。まずは広く使ってもらうために、iPhone/iPad版から、という話なのだ。アプリは10月下旬より無償提供が開始される予定で、今後随時バージョンアップしていくという。
すでに述べたように、RZコマンダーには「リモコン」の機能がある。同じ家庭内LAN内にあるCELL REGZA(最新モデルの55X2、55XE2のみ対象)や、レグザブルーレイを、リモコンの代わりとしてコントロールできる。
ボタンを単純に配置しているわけではなく、操作がしやすい「かたまり」として、いくつかの画面に分けて搭載しているのが特徴だ。各画面間は、指のスワイプ(横すべり)で移動できる。場面に応じてリモコンのUIを切り換える、と思えばわかりやすいだろうか。チャンネル切り換えや音量調節はもちろん、「3D切り換え」までできる。
CELL REGZA X2をRZコマンダーで操作し、「3D切り換え」を表示。操作ラグもほとんど感じられない。 | レグザブルーレイを操作した場合のRZコマンダーの画面。レグザブルーレイにある機能に合わせてボタンが変わるのに注目 | もちろん「編集ナビ」を呼び出し、各種編集にRZコマンダーを利用することも可能 |
アンドロイド版RZコマンダー(試作品)。東芝が参考展示したAndorid携帯電話で動作中。機能はほぼiPhone版と同じ |
面白いのは、タッチ操作を生かした独自の操作体系も持っている、ということだ。「ジェスチャーモード」にすると、指を上に動かすと音量調整、左でリプレイ(10秒戻し)、右でワンタッチスキップ(30秒送り、初回は28秒送り)、といった操作が可能になる。リモコンを見ずに操作できるので、番組視聴時には便利だろう。コンピュータで操作を抽象化できるがゆえの提案だ。
「ジャスチャーモード」。指の動きで機器を操作できる。CELL REGZAのリモコンに搭載されていた機能に近いが、こちらの方が操作は確実で快適 |
「データの流れ」を意識した、他と違うリモコンになるのは、ここからだ。
リモコンとして使えるわけだから、当然「録画番組の再生」も可能。CELL REGZAならば「録画リスト」、レグザブルーレイならば「見るナビ」を呼び出し、録画番組を選べば、すぐに再生が始まる。
だが、ここでRZコマンダーをよく見てみよう。再生中の画面に、「再生している番組の名前」が表示されているのだ。これはすなわち、CELL REGZAなりレグザブルーレイなりといった録画機器から、番組名の情報が逆に転送されている、ということである。
また、再生用のタイムバーには、再生地点が「スタートからどれくらい時間がたった場所か」が表示されている。これも、映像の長さや再生地点といった情報を、RZコマンダーと機器の間でやりとりしているからできることだ。
録画リストをRZコマンダーで呼び出し。ここでは、カーソルが合っている「スッキリ!!」を再生することにしよう | 再生中のRZコマンダー。画面上部に再生中の番組名(この場合は「スッキリ!!」)が表示されていることに注目 |
さらに、他と違うのはここからだ。RZコマンダーの番組再生画面には、番組名の下に「タグリスト」というアイコンがあるのにお気づきだろうか。このボタンが、東芝の言う「クラウド連携」の部分である。
例えば、スカパー! で放送されたサッカー番組の録画を再生したとしよう。その時に「タグリスト」をタップすると、【写真1】のような画面が現れる。
タグリストを見ると、その映像に関するコメントのようなものが並んでいる。これはなにかというと、簡単に言えば、その映像についてユーザーが作った「コメント付きプレイリスト」のようなものである。
1つの番組には複数の「タグ」が登録されていて、それぞれがユーザーが作成したものにあたる。各タグの内容は、再生をはじめる場所と、その場所に関するコメントを収録したものだ。RZコマンダーの側でタグリストを表示し、各コメントの部分をタップすると、その場所へと再生ポイントが自動的に移動する。
【写真1】RZコマンダーの最大の特徴である「タグリスト」。再生中の番組に関し、ユーザーが作った「見どころ」をコメント付きで表示し、RZコマンダーを使ってその地点へ「ジャンプ」しながら見る | タグリスト群から、「ダイジェスト」と名付けられたタグリストを表示。再生位置の名称と、それがどのくらいの位置なのかが情報として表示される。この画面から再生処理もできるし、チャプタ設定なども行なえる |
動作としてはチャプター移動に似ているが、映像そのものに加工はしておらず、あくまでリモコンであるRZコマンダーが東芝の用意するサーバーと情報をやりとりし、再生のコントロールを行なっているわけだ(図参照)。
RZコマンダーによる「タグリスト」操作の概念図。自分と他人が同じ映像を録画している、という前提のもとに、他人の「再生位置」をタグリストとして取得し、好きな位置から映像を楽しむ。 |
機器や放送地域により、若干の「時間設定のずれ」が生じ、再生位置もずれる可能性があるが、RZコマンダー側の調整でオフセット量を修正できる |
カギになるのは「番組名」。同じ放送を録画したもの、しかもCMなどをカットしていない映像であれば、誰が持っている映像であろうと、その長さは同じだ。先頭からの再生位置さえ合わせれば、他の人が注目した場所(ここでいうタグ)からの再生が可能になる。時計合わせのズレや放送地域などにより、若干の違いはあるだろうが、それはRZコマンダー側で調整を行なえるようになっている。
このような流れを見ると、「ちょっと複雑で面倒そう」と感じるかも知れない。だが実際に使う分には、そう難しいものではない。要は、番組を再生し、「タグリスト」ボタンを押して、再生してみたいタグリストを選ぶだけだ。
■ 「各個人の文脈」を映像に付加する「タグリスト」
操作は簡単とはいうものの、「タグリスト」の働きを飲み込むには、いくばくかの説明と理解が必要になる。なぜこのような機能を搭載しようと考えたのだろうか? 片岡氏は次のように語る。
片岡氏:テレビ番組を簡単に録画し、保存することは、十分にできるようになりました。それには、我々が提唱した「RD-Style」の考え方が、ある程度寄与できたものと思います。ですが、「見る」面では、まだまだ手つかずな部分が多い。Appsがやろうとしていることは、機器とクラウドをつないで、もっとテレビを楽しめるようにしよう、というものです。
録画をしたのに見る時間がない、という話は良く聞く。モバイル機器へ転送して外で見る、というのも一つの方策ではあるが、可処分時間はやはり有限だし、転送にかかる時間ももったいない。かといって、無線LAN下ならともかく、携帯電話回線などを使って映像を転送するのは、すべてのシーンで有効というわけではない。そもそも、ダビング10/コピーワンスが存在する現状では、そういった運用を自由に行なうのが難しい、という事情もある。
そこで映像を短時間に見ようとすると、各社のレコーダに用意された早見機能やダイジェスト機能を使うことになるが、特にダイジェスト機能は、必ずしも理想的に働いていない。ソフトによる自動判定には、音量などのシンプルな文脈しか利用できていないためだ。
だが、タグリストは違う。作るのはユーザー、すなわち人間だ。映像の文脈を解釈し、より意味のある場所で映像に「切れ目」を作ってくれる。
タグリストの機能は、なにも「短時間で見る」ためだけのものではない。さきほど文中で示した「タグリスト群」をもう一度見て欲しい。「ダイジェスト」という項目もあるが、「長友! 長友! 長友!」というものや、「得点シーン」というものもあるところに注目してほしい。
前者はご存じ、 セリエA・ACチェゼーナ所属の長友佑都選手のマッチアップシーンのみに着目したタグリストであり、後者は当該試合での得点シーンにのみ着目したタグリストである。これらはまさに「映像に文脈」をつけたものといっていい。
タグリスト自身の名前も意味を持つし、タグそれぞれにも意味がある。また、長い再生時間の中からどこを切り出すかも、見ているユーザーの手に委ねられているので、当然「意味性」が生まれる。
スポーツはもちろんだが、他の映像でも面白いだろう。
片岡氏:例えば、音楽番組から、特定のアーティストの登場シーンだけにタグを打つ、ということもできます。歌っているシーンだけでなく、トーク部分で絡んでいる部分などにもタグを打つことで、そのアーティストのファンにとって価値のあるタグリストになるでしょう。
同様に、映画の中で「自分が気になったシーン」につっこみを入れる感覚でタグを打ったり、好きなシーンだけをピックアップしたタグを打っていくのもいいだろう。
タグリストには、再生数や評価などを加味して「星」がつくようになっている。どのようなタグの価値が高いかが、目で見て分かるのだ。
もう一つ重要なのが「リタグ」機能だ。
片岡氏:メールやBBSの書き込みに「リプライする」と言いますが、リタグの「リ」もこれと同じです。タグに感想を書き込んでいって、対話することができます。
各タグには、感想を「リタグ」として書き込める。リタグは一種の「掲示板」として機能するので、映像についてコミュニケーション深めるのに役立つ | リタグ書き込み機能はRZコマンダー内に組みこまれている。リタグの書き込み番号を指定してコメントを追加していくことができる |
リタグによって意見を言うことで、タグを作った人にはタグを作る「やりがい」が生まれ、見ている人々同士ではコミュニケーションが生まれる。
片岡氏はタグリストを「ソーシャルチャプターと呼んでもいいでしょう」と説明する。このような「人同士のつながり」と「タグを作る人々のつながり」こそが、クラウドを介して、「データの流れ」があるからこそ生まれる。
片岡氏は、「VHSで録画第一革命が起きて、HDD録画で第二革命が起きた。Appsコネクトでサードインパクトになれば」と話す。彼らが狙う革命とは、「撮る」ことから「使う」「見る」ことに関する革命なのである。
VHSがファーストインパクト、HDD録画がセカンドインパクト | Appsコネクトがサードインパクト |
■ 放送ならばどんな番組でもOK。スカパーとの連携も検討中
PC版「RZコマンダー」。パソコンのキーボードで入力できるのは大きなメリットか。 |
すでに述べたように、タグリスト識別のカギとなるのは、番組名やチャンネル名である。通常録画時には、EPGを経由し、番組名が映像の名前として使われる。そのため、この番組名でタグリスト呼び出しができることになるわけだ。対象となるのは、EPG経由で録画される番組すべて。すなわち、地上波やBS・CSなどの番組であれば、すべてにタグリストがつけられる。また、HDDへの録画番組はもちろん、DVD-RAMやDVD-RWへ「VRモード」で録画した番組にも、番組名が書き込まれているので、タグリストがつけられる。Blu-rayへの録画分へも同様であるはずだが、現状ではまだ「検証中」だという。
タグリストは、基本的にユーザーが作るものだ。タグリストを作るには、タグリスト作成機能を追加した別アプリを利用する。「RZコマンダー」は、タグリストの閲覧と操作だけを備えた「操作用アプリ」となる。両者の差違は、タグリスト作成機能の有無だけ。タグリストの閲覧は、もちろんどちらでも行なえる。「2種類用意したのは、使い勝手の面を考慮して」と片岡氏はいう。
RZコマンダーは東芝のウェブサービスを活用するため、当然最初にユーザー登録が必要となる。Appsコネクト向けのクラウドサービスに、同社では「HDEX」と名をつけている。アカウント名とパスワードだけを登録すればいい、非常にシンプルなものだ。このアカウント名は、タグリスト作成時やリタグ書き込み時に個人識別に利用される。Twitterなどのアカウント名と同じ扱い、と考えればいいだろう。
RZコマンダー内の設定画面。ユーザー登録を行なう。ここで登録したアカウント名がタグリストやリタグの作成者名になる |
ユーザーがタグリストを作らねばならないということは、なにもない状態では「見られるタグリストもない」ということである。各番組に自動的にタグがつくようなしくみはなく、あくまで「ユーザーの作成」が基本だ。
「だから、多くのみなさんの、この仕組みを面白いと感じていただき、活発に利用していただきたいと考えています」と片岡氏は語る。だがもちろん、それだけにとどめるつもりもない。東芝のスタッフは、当面独自に、自分達が面白いと思う番組にタグリストを作っていく。
施策は他にもある。特に面白いのは、スカイパーフェクTVとの連携だ。正式に実施時期などが決定しているわけではないが、スカイパーフェクTVは主にサッカー番組にて、タグリスト機能を使っての情報発信を行なう予定だ。
片岡氏:CMがなく、時間も長いサッカー番組は、特にタグリストと相性がいいです。なかなかすべての試合を見るのは難しい、と思う人が多いのですが、タグリストがあれば、より効率的に見ていただくことができます。しかもスカパー!のような有料放送の場合、何度も同じ試合をリピート放送します。誰かがつけたタグリストを使って試合にキャッチアップし、その後のトーナメントを楽しむ、といったことも可能でしょう。
もし将来、このような「公式タグリスト」が増えれば、番組の楽しみ方はもっと多様になることだろう。もちろん、個人が作ったタグリストを楽しんでもいい。
RDシリーズとの連携という意味では、元々RDシリーズで作ったチャプタリストと、各チャプタにつけた名前を取り込み、タグリストへと変換する機能も用意される。これまで作った映像ライブラリーのチャプタをタグリストとして公開することもできるのだ。
また将来的には、タグリストからチャプタを作ることも計画しているという。
RD内のチャプタ情報をRZコマンダーで取得し、そこからタグリストを生成。これまでに作ったライブラリーの情報をネット公開する、という使い方ができる |
■ 「クラウドに触れる」タッチの良さ。実は数多くの「既存RDシリーズ」にも対応!!
もうひとつ、Appsコネクトの価値について、片岡氏は「触れること」と話す。
片岡氏:クラウドは触れませんし、テレビも(リモコンのボタンを)「押す」ことはできても触れません。ユーザーインターフェースとしては、タッチできるということが大きいのです。触れない二つのものを「触れるようにする」ということで、両者の橋渡しをするのです。クラウドやテレビがあるだけでは、「とりあえず両者をいれただけ」になってしまいます。しかも、それぞれがサクサク動くかどうかわからない。それを、いかに普段の生活の中でも使ってもらえる形にするか、ということが重要だと考えています。
すなわち、iPhoneやiPad、アンドロイド端末などの「それなりに高い能力があり、ネットと連携できる」機器をフロントエンドにすることで、家電だけではできない操作性と可能性を狙っているのである。
現状では、Appsコネクトで提供されるのは「RZコマンダー」だけだ。しかし今後は、「東芝以外のサービスとの連動も視野に」(片岡氏)、様々な「クラウドと家電デバイスをつなぐもの」が生まれてくることになるという。「第一章」というのはそのためだ。
ネットサービスとの連携、それも当初は他社の端末向けのアプリケーションからのスタートということもあってか、Appsコネクトが動き出すまでには、相当な苦労があったようだ。「片岡氏のチームがなにやら開発している」ことは耳にしていたが、それがこのようなものになるとは思わなかった。
最後にもう一つ、多くのRDユーザーに大切な話をしておきたい。Appsコネクト第一弾である「RZコマンダー」は、公式には新型CELL REGZA(X2およびXE2)および、先日発表になった「レグザブルーレイ」シリーズのみがサポート機種となっている。
だが実際には、それらの機種でしか動かないものではない。RD/VARDIAシリーズの中でも、「ネットdeナビ(Ver.2)」対応の機種、すなわち2006年以降に発売のほとんどでは利用可能で、リモコンとして使う分には2002年12月発売モデルでも動作するようになっているという。
ネットdeナビでは、パソコンからRDシリーズをコントロールできる。要はRZコマンダーは、その仕組みと、端末側アプリの処理能力、そしてクラウド側にタグ情報を蓄積する機能の組み合わせで動作している、ということになるのだ。RZコマンダーは仕様上、家庭内LANにある総計20の対応機器をコントロールできるが、その際には、ネットdeナビと同様の設定作業が必要になる。実は、CELL REGZAでの対応の方が後から出たもので、新型CELL REGZA側に、ネットdeナビに合わせた仕様を組みこむことで実現されている。
「4年近く前の製品にも、ソフトウエアで新しい機能を追加できるとなると、みなさん驚くでしょうね」。片岡氏はそう笑う。
現在は、録画対応テレビの中では新型CELL REGZAのみが対応機種となるが、「将来的には他のREGZAでも対応を検討することになる」という。
RZコマンダーは、「タグリストによるソーシャルな体験」を切り口にした、最初のトライアルである。内容を明かしてはくれないものの、片岡氏はAppsコネクトの「第二章」以降、RZコマンダーの今後の改善について、「色々とネタはある」と話す。
単独の機器で成立するのでない、新しい家電の価値がどのようになるのか、今後の展開が楽しみだ。
(2010年 10月 4日)