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TV番組を“ネット動画のように”楽しむ4K全自動ディーガ

全自動4Kディーガ「DMR-4X602」。6TB×7チューナで約19万円

パナソニックは、録画したテレビ番組をネット動画のように楽しめる機能を搭載した、全自動4Kディーガを5月27日より発売する。10TB HDDの「DMR-4X1002」と、6TBの「DMR-4X602」の2機種をラインナップ。どちらも価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、4X1002が33万円前後、4X602が19万円前後。

  • DMR-4X1002
    10TB HDD・11チューナー(4K×2、2K×9) 約33万円 5月27日発売
  • DMR-4X602
    6TB HDD・7チューナー(4K×2、2K×5) 約19万円 同上
DMR-4X1002

'20年3月に発売した、初代・全自動4Kディーガ「DMR-4X1000」「DMR-4X600」の後継機(記事参照)。4X1002と4X602は、内蔵するHDD容量とチューナー数および一部画質機能が異なるが、そのほかの基本機能は共通。

業界初の4Kチャンネル録画を実現した第1世代の基本性能はそのままに、ユーザーの嗜好や再生ランキングから番組をレコメンドする機能や、シリーズ番組再生時に自動で次回放送話を連続再生する機能などを新たに搭載。動画配信サービスのようなUIや機能を盛り込むことで、“録画した膨大な番組を、ネット動画を楽しむようにアクセス・視聴できる”事が、'22年モデルの進化ポイントになっている。

同社担当は、「限られた時間を使って豊富なコンテンツを厳選して見るというネット動画・見逃し配信の視聴スタイルは、全自動の視聴スタイルと近い部分があり、全自動はネット動画利用者とは相性が良い。『効率的に情報収集したい』『話題のシーン、見逃した』『イッキ観したい』といった要望に対しても、多チャンネルを長期間に渡って録画する全自動なら解決できるし、今後もニーズはある」と分析。

そして「新機能により、チャンネル録画した多くの番組をいつでも、どこでも、あたかもネット動画のように見ることができるようになっており、レコーダーの新しい視聴スタイルを提案していきたい」と新モデルの狙いを話す。

なお、同日発表の全自動2Kディーガにも、4X1002/4X602と同じネット動画ライクな機能が搭載されている。詳細は別記事を参照のこと。

AIが嗜好分析して番組をレコメンドする「おすすめ録画一覧」

おすすめ録画一覧

'22年発売の全自動ディーガで強化されたのが、録画した番組のレコメンド機能。

従来はリモコンの[新着番組]ボタンから、チャンネル録画した番組をジャンル別に表示するだけだったが、新モデルでは、ユーザーの再生履歴とディーガ利用者の再生ランキング(DIMORA集計のデータ)を加味し、AIが番組をレコメンドしてくれる内容へと進化。機能・リモコンボタン名も[おすすめ録画一覧]に改称された。

リモコン
前世代のリモコン(左)との比較

AIが選んだ番組は、おすすめ録画一覧内の“AIおすすめ”欄にリストアップ。ユーザーがよく見るドラマやアニメ、映画に嗜好が近いと思われる未視聴番組が一覧で表示されるようになっており、使えば使うほど精度が増し、より好みにマッチした番組が表示される仕組み。同社の無料スマホアプリ「どこでもディーガ」にも対応しており、外出先でも見たい番組が探せる。「従来よりも、見たことがなかった好みの番組に出会える」という。

ユーザーがよく見るドラマやアニメ、映画に嗜好が近いと思われる未視聴番組を一覧で表示してくれる

新機能の「次エピソード自動再生」も、ネット動画のサービスを意識したもの。週一のドラマや毎朝の連続ドラマなどのシリーズ番組を再生すると、自動で次回放送話を探し出してそのまま連続再生してくれる。

再生しているシリーズ番組のエンディングが近づくと、画面右下に次エピソードへの案内が表示される

さらに、サムネイルから選んで、見たいシーンへスキップできる「プレビューサーチ」機能も新搭載。リモコンの十字キーと決定ボタンで手軽に操作でき、またプレビューも1分単位で生成されるため、番組の見どころが探しやすいという。

プレビューサーチは十字キーで操作可能
プレビューも1分単位で生成される

2K放送8チャンネルを約28日間分まるごと録画

どちらのモデルも、指定した複数のチャンネルを録り続け、古い番組を順に自動消去していく「チャンネル録画」機能に対応。事前の録画予約・見終わった番組の消去などの面倒な作業が必要なく、効率的にテレビ番組を楽しむことができる。またチャンネル録画中であっても、4K Ultra HD Blu-rayの再生や、ネット動画再生(追加チャンネル使用時は不可)が楽しめる。

上位の4X1002は全11チューナーで、4K(地上波/BS/110度CS兼用)×2、地上波/BS/CS×4、地上波専用×5を内蔵。最大で2K放送×10ch、または2K放送×8ch+4K放送×1chのチャンネル録画ができ、内蔵10TB HDDに対し最長で、2K放送28日間(15倍録時)、4K放送13日間の番組が記録できる。

DMR-4X1002

下位の4X600は全7チューナーで、4K(同)×2・地上波/BS/CS×4・地上波専用×1という構成。最大で2K放送×6ch、または2K放送×4ch+4K放送×1chのチャンネル録画に対応し、内蔵6TB HDDに対し最長で、2K放送28日(15倍録時)、4K放送7日間の番組が記録できる。

どちらも4Kチューナーを2基備えるが、チャンネル録画に使用できるのは1つのみで、DRモード限定。4K放送をチャンネル録画している場合、もう1つの4Kチューナーを使って、4K放送の視聴・通常録画ができる。

通常録画は、最大3番組同時録画まで。3番組同時録画は、4X1002は2K放送×8ch録画時、4X602は2K放送×4ch録画時に行なえる。

チャンネル録画設定の例

ゴールデンタイムなど、好きな時間帯を選んで、該当する時間内に放送されるドラマとアニメだけを最大で約90日間残してくれる「お録りおき」機能も搭載。チャンネル録画したものの中で、消さずに残したい番組があれば、チャンネル録画用のHDD領域から、通常録画用のHDD領域や外付けUSB HDDへ保存したり、BDへダビングすることができる。

4K放送の通常録画やダビング機能に関しては、現行の4Kディーガと同等。データ容量を大幅に削減する最大12倍録の「おまかせ長時間録画」や、4K番組をMMT/TLV方式(パナ、東芝)またはTS方式(ソニー、シャープ)方式でBDダビングする機能も備える。

録画一覧のUIをリニューアル

'22年モデルでは、「チャンネル録画一覧」および通常録画の「録画一覧」がリニューアル。どちらも表示領域を拡大し、見易さを改善している。

'22年モデルのチャンネル録画一覧
従来モデルのチャンネル録画一覧

チャンネル録画一覧では、1時間枠内に表示できる番組数の表示を2→4番組に増加。録画一欄では番組数の表示を9→12番組にしたほか、録画番組情報を表示する文字数を1番組あたり20→40文字に。また最大表示タブ数を10→14にし、ユーザーが自由にジャンル設定できるタブ数を増やした。

'22年モデルの録画一覧
従来モデルの録画一覧

アプリ「どこでもディーガ」に自動転送機能追加。1080p持ち出しも

4X1002/4X602と、アプリ「どこでもディーガ」を組み合わせた場合の新機能として、「ただいま転送」と「1080p番組持ちだし」が追加された。

「ただいま転送」は、ユーザーが帰宅し、ディーガと紐付けしたスマホをBluetooth検出すると、持ち出し予約をしておいた録画番組を自動でスマホに転送してくれる機能。外出時でもパケット通信料を消費しない「番組持ち出し」は可能だったが、新モデルでは手動ではなく自動で行なえるようになった。

Bluetoothを使った「ただいま転送」に対応

番組転送以外にも、音楽転送やスマホ内の写真をディーガに一括保存させることも可能。紐付けに必要な3カ月に1度実施するペアリング期間の更新も自動で行なってくれる。

また画面が比較的大きなデバイスでも快適に楽しめるよう、持ち出し画質を高解像・高ビットレート化。従来の180p(150/400kbps)、360p(650kbps)、720p(1.5/3.5Mbps)に加え、新たに1080p(2/4Mbps)を選択できるようにアップデート。事前にスマホ転送番組の作成を行なえば、タブレットサイズの画面でも高画質に番組視聴できるという。

どこでもディーガの新再生画面。各種ボタンが大型化した

新モデルの発売に合わせ、アプリ「どこでもディーガ」のアップデートも予定。

スマホの小さな画面でもより操作がしやすいよう、再生・停止・早送り/早戻し・30秒スキップ、10秒戻しボタンなどを大型化。操作しやすいよう、シークバーの位置も画面下部へ移動した。これにより、番組再生中でも、スキップや停止ボタンなどを手早く操作できるように配慮したという。DIMORA有料会員であれば、プレビューサーチを使ったスキップ操作も行なえる。

プレビューサーチの例

画音質機能は第1世代継承。アマプラ・YouTubeは非対応に

再生可能ディスクは、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)、BD(MGVC対応)、ブルーレイ3D、DVD、音楽CDなど。HDR規格は、HDR10、HLG、HDR10+をサポートする。

第1世代の全自動4Kディーガと同様、デコードした4K(4:2:0)信号を独自の高精度マルチタップ処理で4K(4:4:4)に補間する「4Kリアルクロマプロセッサ」や、HDR映像の明るさを調整する「ダイナミックレンジ調整」、HDR→SDR変換の「ダイナミックレンジ変換調整」を搭載する。

上位の4X1002のみ、同社UHD BDプレーヤー「DP-UB9000」およびフラッグシップ4Kレコーダー「DMR-ZR1」に搭載されている、「HDRトーンマップ」「システムガンマ調整」を採用する。

「HDRトーンマップ」「システムガンマ調整」は、上位4X1002のみ搭載

対応する動画配信サービスは、Netflix、Hulu、U-NEXT、dTV、DAZN、Paravi、radiko、デジタル・コンサートホールなど。新たにABEMAをサポートしたが、YouTubeとAmazon Primeビデオは非対応になった。

インターフェイスは2機種共通。映像・音声のHDMI出力端子と、音声専用のHDMI出力を搭載。映像と音声の分配して出力することで、HDCP 2.2非対応のオーディオシステムを組み合わせたり、伝送する音声データのノイズ干渉を抑制できる。HDMI出力の他には、USB×2(通常録画用USB 3.0×1、チャンネル録画用USB 3.0×1)、LAN端子を備える。ACインレットはメガネ型。

DMR-4X1002の背面
4X1002のみインシュレーターを採用

消費電力は、4X1002が約54W、4X602が約43W。外形寸法/重量は、4X1002が430×239×66mm(幅×奥行き×高さ)/約4.3kg、4X602が430×239×60mm(同)/約4kg。