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ソニー史上最軽量のNCヘッドフォン。1000Xシリーズと同じプロセッサ

統合プロセッサー「V1」を搭載したワイヤレスヘッドフォン「WH-CH720N」(ブルー)

ソニーは、1000Xシリーズと同じ統合プロセッサー「V1」を搭載したソニー史上最軽量のノイズキャンセリング(NC)対応ワイヤレスヘッドフォン「WH-CH720N」と、アプリに対応したオンイヤータイプのワイヤレスヘッドフォン「WH-CH520」を、3月3日に発売する。どちらもオープンプライスで、店頭予想価格はWH-CH720Nが22,000円前後、WH-CH520が7,700円前後。

両モデルともアプリ「Sony| Headphones Connect」を利用できる

WH-CH720Nは発売中のNC対応ワイヤレスヘッドフォン「WH-CH710N」、WH-CH520は「WH-CH510」の後継機となる。両モデル共通の特徴として、ストリーミング再生やMP3などの圧縮音源もCD音質相当までアップスケーリングする音質向上技術「DSEE」を搭載したほか、通話性能や装着性も向上。アプリ「Sony| Headphones Connect」にも対応し、イコライザーなども利用可能となっている。

どちらも360 Reality Audioの認定ヘッドフォン。また、プラスチックフリーパッケージの採用や、本体の一部に再生材を使うなど、環境にも配慮がなされている。

WH-CH720N

カラー展開はブルー、ブラック、ホワイトの3色

ワイヤレスヘッドフォン最上位の「WH-1000XM5」や完全ワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM4」に搭載されている統合プロセッサー「V1」を搭載する。Bluetooth SoCと高音質ノイズキャンセリングプロセッサーを1つのチップに統合したもので、同チップ搭載により、NC処理を低遅延で行なうことが可能となり、低遅延処理が必要な高音域でのNC性能が向上した。

前モデル「WH-CH710N」(左)との比較

前モデルに引き続いて、フィードフォワードマイクとフィードバックマイクを使った「デュアルノイズセンサーテクノロジー」を採用する。このうちフィードフォワードマイクには、音楽再生時や通話時の風ノイズを最小限にするため、風ノイズ低減構造を新たに採用しており、風が強い中でもクリアな音楽と通話が楽しめる。

新モデル(右)ではシワのない滑らかなイヤーパッドクッションを採用。装着性を改善した

装着性については、重さを従来の約223gから約192gまで軽量化。さらにスリムで軽量なヘッドバンドや滑らかなイヤーパッドクッションを採用したことで、安定性を保ちながら側圧を弱めることで、装着快適性を向上させた。

イヤーパッドは耳周りの空間を広くすることで、耳への当たり方も改善されている。そのほか、可動部のガタつきを低減するサイレントジョイントにより、装着時のノイズも低減した。

通話品質では、従来モデルから通話用マイクを1基追加。2基のマイクを口元に向かって直線に結ぶことで、声をクリアに拾えるようになった。さらに左ハウジングのフィードフォワードマイクと通話専用マイクの2基を最適に制御し、高度な音声信号処理を行なう「高精度ボイスピックアップテクノロジー」により、高い通話品質を実現したという。

「WH-CH720N」(ホワイト)

ドライバー口径は30mm。Bluetooth 5.2準拠で、コーデックはSBCとAACをサポートする。統合プロセッサーV1を搭載するが、LDACには非対応。マルチポイント接続、音声アシスタント機能にも対応する。

「WH-CH720N」(ブラック)

連続再生時間は、NCオン時で最大35時間、オフ時で50時間。3分の充電で約1時間、10分の充電で約4.5時間の再生ができるクイック充電にも対応。

カラー展開はブルー、ブラック、ホワイトの3色。USB Type-Cケーブル(約20cm)、オーディオケーブル(約1.2m)が付属する。

WH-CH520

「WH-CH520」。カラー展開はブラック、ブルー、ホワイトに新色のベージュを加えた4種

上述のようにDSEEを搭載したことで、ストリーミング音楽や動画も高音質で視聴可能となったほか、アプリ「Sony| Headphones Connect」対応により、イコライザーを使って自分好みの音質にカスタマイズが可能となった。なお、こちらは統合プロセッサー「V1」非搭載。

前モデル(左)との比較。イヤーパッドはシワの少ない滑らかなものに変更された

装着性も改善されており、イヤーパッドはシワの少ない滑らかなものに変更。耳あたりの良い低反発ウレタンフォームを使うことで、装着快適性を向上させた。また従来モデルにはなかったヘッドクッションも追加され、頭頂部へのあたりもソフトになっている。WH-CH720N同様、可動部のガタつきを低減するサイレントジョイントを採用した。

快適な通話を実現する機能として、通話中でも自分の声や周りの声が聞こえる「サイドトーン」機能をWH-CH520向けに最適化。通話時に周囲のノイズを抑えて集音する「ノイズサプレッション」機能も搭載した。

ドライバー口径は30mm。Bluetooth 5.2準拠で、コーデックはSBCとAACをサポートする。連続再生時間は最大50時間で、3分の充電で約1.5時間、10分の充電で約5.5時間使用できるクイック充電も利用できる。そのほか、マルチポイント接続、スマートフォンの音声認識機能に対応。

重さは約147g。カラーバリエーションはブラック、ブルー、ホワイトに新色のベージュを加えた4種類。USB Type-Cケーブル(約20cm)が付属する。

従来モデルと聴き比べ

まずはWH-CH720NのNC性能をチェックしてみた。前モデルは音楽を流していないと、意識せずともエアコンの動作音や話し声が聞き取れてしまうような印象だったが、WH-CH720Nはそういったノイズがしっかりと遮断され、耳を凝らさないと聞き取れないレベルまで抑えられている。当然、音楽などを再生してしまえば、まったく気にならなかった。

なお、前モデルではヘッドフォン自体からの「サーッ」というホワイトノイズが気になったが、WH-CH720Nではそれも一切なかった。またイヤーパッドは耳周りの空間が広くなったことで、耳がイヤーカップに当たらず、装着時のストレスも少なく感じられた。

ペアリングしたスマートフォンで「新時代/Ado」や「君は薔薇より美しい/上白石萌音」などを聴いてみると、高域の伸びが一段レベルアップした印象のサウンド。低域も充分な量感が感じられ、向上したNC性能や軽い装着感も相まって、長時間でもストレスなく使用できそうな印象だった。

WH-CH520は、ヘッドバンドにクッションが追加されたことで、前モデルと比べると頭頂部に硬いモノが当たる不快感がなくなった。また頭頂部でしっかりヘッドフォンを支えられるようになったためか、側圧も弱めに感じられた。

こちらもスマートフォンで「君は薔薇より美しい/上白石萌音」や「飾りじゃないのよ涙は/中森明菜」を聴いてみる。「君は薔薇より美しい」はボーカル、特にサビ終わりの高音が、スーッと抜けていく印象で心地いい。「飾りじゃないのよ涙は」は冒頭のシンセサイザーの音色がキラキラとした聴き心地だった。

【お詫びと訂正】記事初掲時、総合プロセッサー「V1」と記載していましたが、正しくは統合プロセッサー「V1」でした。お詫びして訂正いたします。(2月28日18時)