ニュース

ソニー初、1万円台でノイキャン搭載完全ワイヤレス「WF-C700N」

ソニーとして初めて1万円台でノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレス「WF-C700N」

ソニーは、ブランドとして初めて1万円台の完全ワイヤレスイヤフォンにノイズキャンセリング(NC)機能を盛り込んだ「WF-C700N」を、4月21日に発売する。価格はオープンプライス、店頭予想価格は18,000円前後。カラーはラベンダー、セージグリーン、ホワイト、ブラックの4色。

カラーバリエーションは全4色

2021年10月に発売した完全ワイヤレス「WF-C500」の後継機。WF-C500は大ヒットモデルになったといい、購入者アンケートでも9割が満足と回答したという。

一方で、ユーザーからは「ノイキャンが付いていればなお良し」「低価格でノイキャンが付けば完ぺきだった」という意見も多く、その声を受けて登場するのが、今回のWF-C700Nとなる。

イヤフォン外側のマイク前にメッシュが配置されている

NC性能は、統合プロセッサーV1を搭載する上位モデル「WF-1000XM4」や「LinkBuds S」などに比べると抑えめなものの「他社の同価格帯ノイキャンモデルと比較すると性能は高い」という。イヤフォン外側のマイクの前にはメッシュを配置し、風ノイズを最小限に抑えている。

「WF-C700N」(左)と前モデルの「WF-C500」(右)

外音取り込み機能も利用可能。イヤフォン外側の物理ボタンを1クリックするだけでNCモードと切り替えられる。アプリ「Sony | Headphones Connect」から、外音の取り込み量を20段階で調整できるほか、ユーザーの行動や場所に連動して、事前に登録したNC/外音取り込み設定やイコライザー設定に自動で切り替わる「アダプティブサウンドコントロール」にも対応する。

ドライバーはLinkBuds Sと同じ、ソニー独自開発の5mm径ダイナミックドライバーを搭載。「小型ながらに豊かな低音を再生」するという。圧縮された音源を高音質に変換するDSEE機能も備え、アプリでイコライザー調整もできる。音作りのコンセプトは「原音に近い高音質」とのこと。

イヤフォンは従来モデルから小型・軽量化された

イヤフォンは、前モデルと同じく「エルゴノミック・サーフェース・デザイン」を採用しつつ、バッテリー位置の見直しや、ボタンとアンテナの一体化などにより小型・軽量化を実現。前モデルは片耳5.4gだったのに対し、WF-C700Nでは片耳4.6gを実現した。イヤフォンの体積も15%削減されている。イヤフォンはIPX4の防滴仕様。

「WF-C500」(上)のケースはクリア素材を使っていたが、「WF-C700N」(下)はマットデザインに

充電ケースも体積を10%削減。ケースのみの重さを前モデルの約35gから、約31gへと軽量化した。前モデルのユーザーからは「ケースのクリア素材がポップすぎる」という声もあったといい、WF-C700Nでは高級感のあるマットデザインを採用している。カラーリングは、ジェンダーを問わないトレンドのくすみカラーを採用。

対応コーデックはSBCとAAC。360 Reality Audioにも対応する。バッテリー持続時間は、NCオン時でイヤフォン単体7.5時間、ケース併用で合計15時間。片耳使用や、急速充電にも対応する。

ラベンダー
セージグリーン

さらに2023年夏予定のアップデートにより、マルチポイント接続と、ユーザーから要望が多かったという本体での音量調整に専用操作(イヤフォンのボタンを4回クリック)が割り当てられる。

イヤフォンからの音量調整自体は発売時点でも利用可能だが、ボタンを1回クリックする操作にしか割り当てができず、NCモードの切り替え、楽曲再生/停止の操作と排他仕様になっているため、例えば右側イヤフォンにNC/外音取り込みのモード切り替え、左側イヤフォンに再生/停止を割り当ててしまうと、音量調整を割り当てることができない。

今夏予定のアップデートを適用すると、音量調整専用に4回クリックの操作が追加されるため、NCモード切り替えや、再生/停止との併用が可能になる。

なお4回クリックでの音量調整は、段階的に音量を上げ下げできる。また、アップデートを適用すると音量調整操作はデフォルトで4回クリックにアサインされ、ボタン操作を無効にするか、左右どちらかのボタン1回クリックに音量コントロールが割り当てられた場合のみ、4回クリックでの音量調整は無効になる。

ホワイト
ブラック

そのほかFast Pair 3.1やSwift Pair、スマホの音声アシスタント起動にも対応する。

通話性能では、周囲のノイズを抑えて集音するノイズサプレッションを搭載。上述のマイク前にメッシュを配置した風切り音低減構造により、風の強い状況でも快適に通話できる。

付属品はハイブリットイヤーピース(SS/M/LL)、USB Type-Cケーブル(USB-A to C/約20cm)など。

NC性能は上々。音質はクセがなくバランス良し

実際に音を聴く前に、本モデル最大の特徴であるNC性能をチェック。スピーカーで「ザーッ」というノイズ音を流しながらイヤフォンを装着してNCをオンにすると、遠くでかすかに「サーッ」と聴こえるレベルまでノイズが低減される。音楽を流してしまえば、ノイズは一切気にならなくなった。

「WF-C700N」のケース
「WF-C700」のケース(上)とAirPods Pro(第2世代/下)のケースを比べたところ

WF-C700Nよりも高価格帯のモデルだが、筆者所有のAirPods Pro(第2世代)を同じ環境で使ってみると、音楽を流していない状態でスピーカーからのノイズが一切聴こえないレベルまで低減されたので、AirPods Pro(第2世代)と比べると、NC性能は控えめな印象だが、WF-C700Nが1万円台、AirPods Pro(第2世代)が4万円近い(39,800円)イヤフォンであることを踏まえれば、十分なNC性能だと感じた。

外音取り込み機能は、すこし「サーッ」というホワイトノイズが気になる部分もあるが、周囲の会話などの聴こえ方はかなり自然な印象だった。

音質は「原音に近い高音質」というコンセプトのとおり、クセがなく、バランスの取れたサウンド。「上白石萌音/君は薔薇より美しい」ではクリアに伸びるボーカルやコーラスを楽しめた。低域も派手に誇張はされておらず、しっかりと沈み込みつつ、タイトさも感じられた。

ラベンダーモデルのイヤフォン。“ラベンダー=紫”というより、青味の強い落ち着いたカラーに感じられた

ケースは、前モデルと同じく丸みを帯びたデザインで手のひらに収まるサイズ感。くすみカラーとなった本体色もマットな仕上げで高級感がある。特にラベンダーは、名前でイメージするような“キツい紫”ではなく、青味が強い。またくすみカラーなので落ち着いた印象に感じられた。

さらに小型・軽量になったイヤフォンは、耳への収まりもよく、多少頭を振ったくらいでは耳から落ちず、安定感もある。NCモードの切り替えなどはタッチ操作ではなく、ボタンを押し込んで操作するので、誤操作も少なそうな印象だった。

「WF-C700N」(左)と「WF-C500」(右)のパッケージ