レビュー

“HDMI付きミキサー”ヤマハ「ZG01」。スプラ3の通話プレイにも

ZG01

ヤマハから登場した、ゲームに特化したオーディオミキサー「ZG01」(実売30,800円前後)。オーディオミキサーと聞くと、配信に使うイメージが強いかもしれないが、ZG01はHDMI端子を備えているのが特徴で、Nintendo SwitchやPS5などの据え置きのゲーム機でプレイしながら、友人とPCやスマホでボイスチャットしたい……という人にも便利な製品になっている。発売されたばかりの話題作、Nintendo Switch用ゲーム「スプラトゥーン3」を友人と楽しみたいという人にもオススメの1台だ。

新しいコンセプトの製品なので、まずは“できる事”を整理しよう。HDMIの入力を2系統備え、その映像をテレビのパススルーするHDMI出力を1系統備えている。つまり、2つのゲーム機を接続できる。

さらにUSB端子を備え、パソコンと接続。HDMIから入力されたゲーム機の音を、パソコンで配信や録音で活用したり、前述のように、DiscordなどのPCで使っているボイスチャットソフトの音と、ゲーム音をミックスして、ゲームを遊びながらボイスチャットができるミキサーだ。ただ、HDMI入力を備えているが、取り込むのは音声だけで、ゲーム映像を録画・配信する“キャプチャデバイス”ではない。映像もPCで活用したい時は、別途キャプチャデバイスが必要だ。

配信用の定番機材として、ヤマハから発売されている「AGシリーズ」という製品もある。有名配信者のデスクにたまに写っている白いミキサーを目にした人も多いだろう。「AGシリーズとZG01どっちがいいかな?」と迷っている場合は、ゲーム機を組み合わせて使うのがメインならZG01が良さそう。なお、これから機材を揃えるのであればヘッドセット「YH-G01」がセットになった「ZG01 PACK」(実売45,100円前後)も用意されている。

「YH-G01」

ZG01でできること

おさらいになるが、ZG01はゲーム配信者をターゲットとした機材。PCやスマホにマイクの音やゲームの音を取り込める、マイク音声にはエコーをかけたり、規制音(ピー音)をかぶせる事も可能。ゲーム音にはイコライザーをかけられる、そして主に配信で使うための機能だが、それらの音をミックスした上でHDMIやUSB-Cで出力できる。

前述の通り、HDMI接続では音を取り込むだけなので、SwitchやPS5などのゲーム画面を載せた配信をしたい場合は、別途キャプチャデバイスが必要。逆に言えば、ボイスチャットしながらゲームしたいだけであれば、キャプチャデバイスは不要だ。

HDMI端子は背面側に装備。XLR端子のマイクも使える
前面には3.5mmのマイク入力とイヤフォン出力
スマホとは3.5mm4極ケーブルで接続する

キャプチャーボードを使ってゲーム配信する時に困る要素の1つとして、PCに取り込んだ映像や音の遅延問題がある。映像はパススルー出力付きのキャプチャーボードとディスプレイを用意すれば解決するのだが、音の扱いが厄介で、ボイスチャットなどPC側の音も聞きつつ、ゲームの音も無遅延で聞きたい場合、パススルーで出力された音をなんとかしてPCに取り込む必要がある(一応PCのサウンド設定から遅延を減らす方法もあるが、こちらも少しややこしい)。

HDMI端子の付いていない従来のオーディオインターフェイスの場合だと、3.5mm入力やRCA、光デジタルを使って取り込むことになるのだが、配線が複雑になってしまい、ノイズが出るなどのトラブルが発生することも少なくない。こういったトラブルを解決、配線もシンプルにしようと開発されたのがZG01というわけだ。

そして、このHDMIでゲームの音を取り込む機能は、ボイスチャットをしながらゲームをしたいという人にもオススメの機能だ。

据え置きのゲーム機を使いながら、ボイスチャットをしたいというとき、どのような方法をとっているだろうか。Switchには専用スマホアプリ、PS4/PS5にはパーティー機能があるものの、筆者は相手方に「ボイスチャットは“Discord”を使いたい」と言われるケースが多い。そうなると、PCやスマホの音声とゲームの音声の両方を同じヘッドセットから聴けるようにする必要がある。

ミキサーなどを使わない場合では、ゲーム機の音をスピーカーから出しながら、片耳イヤフォンでスマホに繋ぐなどの方法だと、マイクがゲームの音を拾ってしまい、相手に迷惑が掛かってしまうし、だからといってゲームの音を小さくしたり、無音にするとゲームが十分に楽しめなくなってしまう。

接続した様子を図にしてみた。この状態ではヘッドセットがPCやスマホに繋がっていないので、ボイスチャットができない
かといってPCやスマホに繋ぐとゲームを無音でプレイすることになる

それを解決するものとして、オーディオケーブルで繋ぐだけで使える小型のオーディオミキサーがゲームデバイス系のメーカー販売されていたり、アイ・オーからもBluetoothゲーミングミキサーが登場したりしている。

アイ・オー、SwitchとスマホのDiscordを両方聞ける「Bluetoothゲーミングミキサー」

一方で、オーディオケーブルを使う方法の場合、PS5はコントローラーの端子を使うのだが、USB接続した状態でオーディオケーブルから音を取るとノイズが乗ってしまうという問題があったりもする。

「いや、充電しながらやるほど長時間やらんし」と、ここで満足していればお財布的にも優しくて良いのだが、「もっと音が良くて快適になる方法があるんじゃないか?」とか「やっぱ充電しながら使いたいわ」とか、さらに「最近流行ってるし、配信も試してみたいな」とか、思っている場合はZG01を使えば満足できると思う。

HDMIから音声を取り込めるようになったのはこの辺の問題を解決するためで、必要なHDMIケーブルが増えてしまうが、ゲーム機とモニターの間にZG01を挟むように接続して、PCの場合はUSB-C、スマホの場合は3.5mm4極ケーブルを使って接続。あとはヘッドセットをZG01の端子に繋げばPC/スマホとゲームの音が同じヘッドセットから聴こえ、ボイスチャットもそのまま使えるようになる。

ヤマハのオーディオミキサーでは、ライブ配信向けのAGシリーズ「AG03 MK2」「AG06 MK2」があるので購入を迷うかもしれない。こちらはマイクやエレキギター、シンセサイザーなどの電子楽器、ほかのオーディオ機器などとの接続ができ、ゲーム以外の様々なこともやっていきたいという場合はオススメだ。

左が「AG06 MK2」。HDMI端子は非搭載だが、電子楽器やほかのオーディオ機器と繋げる端子が備わっている

一方で、様々な機能を備えているため、“ライブ配信向け”とはなっているが、実際に使いこなすには少々機材を理解する必要があったり、別のソフトなどと組み合わせた際に必要な設定が複雑だったりと、こういった機材を初めて手に取った場合に直感で使えるかといわれるとそうではない。

実際に、筆者は初めてのオーディオミキサーに「AG03」を購入してしばらく使い、その後乗り換える形で現在「AG06MK2」を使っているが、未だに色々なツマミを触って試して「あ~なんとなく理解できたわ」と思った後に、設定を変えると想定外な動作をして「全然わかってなかったわ……」となり、そしてググるの繰り返し。

そうしながら徐々に理解していきつつも、普段使っている機能以外は怪しい部分の方が多い。そして、ゲームの音を取り込もうとすると、別の機材を使ったり、配線の問題でノイズが出てしまったりと少々厄介だ。

ZG01はゲームに特化することで、こういったオーディオミキサーのちょっとややこしくてとっつきにくい部分を解消している。

専用アプリ「ZG Controler」も用意しており、チャットや配信に必要な設定などもこのアプリ上から行なえるようになっている。ドライバーのインストールや、サウンド設定などが変更できる程度のPCの知識さえあれば、簡潔に準備できるだろう。

ヤマハ推奨の方法でゲーム機と接続

早速ZG01とPC、ゲーム機(今回はPS5)を接続して、ゲームの音を聴きながら、PCのDiscordで通話できる状態にしてみる。これは簡単だ。

ZG01とPCはUSB-Cケーブルで接続。PS5はHDMIで接続しているテレビやモニタの間にZG01を挟めば良いだけだ。Switchも全く同じ方法で接続できる。必要なHDMIケーブルが増えてしまう……というより、ケーブル1本増えるだけでこの環境ができてしまうので正直楽だ。

接続した様子を図にするとこんな感じ

ZG01をPCと初めて接続するときは、まずドライバーのダウンロードが必要だ。それが済めば、サウンド(音声出力)設定にWindowsの場合は「スピーカー(Yamaha ZG01)」と「Voice(Yamaha ZG01)」、Macの場合は「Yamaha ZG01 Game」と「Yamaha ZG01 Voice」が表示されるようになる。

同じようにマイク(音声入力)設定にも項目が追加され、Windowsの場合は「Streaming(Yamaha ZG01)」と「Voice(Yamaha ZG01)」、Macの場合は「Yamaha ZG01 Game」と「Yamaha ZG01 Voice」が表示されるようになる。

スマホの場合は、3.5mm 4極ケーブルを使って接続する。PCとは違って、ドライバーの設定などもとくに必要なく、そのまま接続したヘッドセットで通話できるようになるので、PCよりも難易度が低い。

この方法では、ゲームの音はZG01にヘッドセットを接続していれば自動的に聴こえるようになっているが、PCから出る音声は設定しないと聴こえてこない。まずPCのデフォルトの音は「スピーカー(Yamaha ZG01)/Yamaha ZG01 Game」に設定する。これでPCから出る音もZG01に接続したヘッドセットで聴けるようになる。

ボイスチャットの方も設定しよう。Discordを例に挙げると、設定>サウンドから、スピーカーの部分を「Voice(Yamaha ZG01)/Yamaha ZG01 Voice」に設定。これで、通話相手の声がZG01から聴こえるようになる。次にマイク側も「Voice(Yamaha ZG01)/Yamaha ZG01 Voice」に設定する。これでZG01に繋いだヘッドセット/マイクで喋った声が相手に聴こえるようになる。

Discordの設定例(Windows)
赤枠のところ

ここで気をつけたい部分が、マイクの設定項目に「Streaming(Yamaha ZG01)/Yamaha ZG01 Game」というのも追加されているが、マイク(音声入力)設定側に表示されるこの項目は“ミックスした音の出口”になっている。つまりこれをマイクに設定してしまうと、配信などで使用する“プレイ中のゲームの音と自分の声が混ざった音”がボイスチャットの相手に聴こるようになってしまう。意図的にそうしたい場合でなければ迷惑になってしまうので気をつけよう。

これでゲーム機の音を聴きながらボイスチャットができる状態は完成。あとはマイクのツマミとスライダーを調整すれば、自分のマイク音量を調整できるし、自分が聴いているゲーム音量とチャット音声のバランスもZG01のツマミを触って調整できる。

自分のマイクの音量はマイクのマークがある左上のツマミでメインの音量を設定して、スライダーを使って状況に合わせて調整できる。筆者の場合、この写真の位置でノイズがなく音量を確保できた。左下にはミュートボタンも
下の大きいツマミがメインボリューム、左上の吹き出しマークとコントローラーのマークのツマミがそれぞれチャット音量とゲーム音量のツマミになっており、音量バランスを調整できる。ここの部分は自分が聴く音だけなので、快適に聴こえる位置に合わせればOK

キャプチャーボードも繋いでみる

次にキャプチャーボードを使って配信ができる環境を作ってみる。今回もヤマハ推奨の方法で接続するが、上記のボイスチャットができる状態の配線のZG01とテレビの間にキャプチャーボードを追加するだけだ。今回は4K/60p HDRまでパススルーできるAVerMediaの外付けキャプチャーボード「GC553」を繋いでみた。

AVerMediaの外付けキャプチャーボード「GC553」

HDMIケーブルが更に1本追加で必要になるが、ZG01のHDMI出力からキャプチャーボードのHDMI入力に、キャプチャーボードのHDMI出力からテレビのHDMI入力にそれぞれ繋ぎ、キャプチャーボードの専用アプリやOBS Studioなどで画面が取り込めているか確認できれば配線は完了だ。

ZG01のHDMI出力側からGC553の入力側に、GC553の出力とテレビ/ディスプレイの入力を繋ぐ
接続した様子
PS5の設定画面をキャプチャーした画像。テレビ側には4K/60p HDRで出力されている

次に専用アプリ「ZG Controler」を起動し、「STREAMING OUTPUT MIXER」>「OUTPUT」項目のHDMIの部分をONにする。これで、マイクから入る自分の声、チャットの友人の声、ゲームの音がミックスされた状態でZG01のHDMI出力から出る状態になり、キャプチャーボードが映像と一緒にそのミックスされた音をPCに取り込んでくれるようになる。

赤枠の部分をONにすると、ミックスされた音声がキャプチャーボードで収録できるようになる

これで、OBS Studioなどの配信ソフトにキャプチャーボードの映像と音さえ入る環境を作ってしまえば、あとはZG01のアプリから音声バランス調整を行なうだけで配信ができてしまう。

赤枠内のLEVELのバーで、配信に流す方の音声バランスを調整できる

ちなみにこの設定の場合、HDMI出力からミックスされた音声が出るため、テレビから音が出る状態にしてみると、ゲーム音声だけでなく、自分の声やチャットからの友人の声も一緒にテレビから聴こえるようになる。ゲームの音声はZG01につないだヘッドセットで聴くため、テレビは消音にしておけばとくに問題ない。

音声バランスは先ほどと同じ「STREAMING OUTPUT MIXER」の画面で行なえる。画面を確認してみると、「INPUT」の項目のMIC、VOICE、GAMEのそれぞれのLEVELのバーを調整すればOK。自分に聞える音は前述の通り本体のツマミ、配信側の音声バランスはこのスライドを使って調整できるので、配信する場合は最初にアプリ側のバランスだけ設定して、あとはイジらないようにしておくだけで音声トラブルを防げる。

PCゲームをしながら通話/配信する設定

PCゲームをしながらのボイスチャットや配信の場合は、キャプチャーボードが必要ないほか、オーディオミキサーを使わなくても、ヘッドセットやUSBマイクなどを使えば簡単に行なえる。だが、ZG01を使うことで、よりノイズの少ないゲーム音声が楽しめるほか、マイクから入力した自分の声も相手にクリアに伝えられるだけでなく、マイクのゲイン調整も手元で簡単にできるため、自分の声が小さくて相手が聴き取れていない、PCの設定を開いて音量を上げてみたのに何故か解決しない、といったPCにありがちなトラブルも防げる。

設定は前述のゲーム機との接続時の設定とほぼ同じ。PCのデフォルトのサウンド出力設定を「スピーカー(Yamaha ZG01)/Yamaha ZG01 Game」にしておけば、PCゲームの音もZG01に接続したヘッドセットで聴けるようになる。

配信する場合は、OBS Studioの場合、ゲームの画面をキャプチャすれば、ゲームの音声も一緒に入るため、マイクの設定に配信ソフト側と同じ「Voice(Yamaha ZG01)/Yamaha ZG01 Voice」を設定すれば、ゲームの音と自分の声を一緒に配信できる。この設定の場合は、音声バランスの調整はOBS Studioで行なうことになる。

ゲーム機の時と同じように、「ZG Controler」から音声バランスの調整したい場合は、OBSのキャプチャでゲーム画面の音をミュートにして、OBSのマイク設定を「Streaming(Yamaha ZG01)/Yamaha ZG01 Game」を設定することで、ミックスされた音をOBSに入力できる。ちなみに、この場合はアプリの「STREAMING OUTPUT MIXER」>「OUTPUT」項目のUSBをONにしておく必要がある。

設定例。赤枠内上から通話相手の声が入る「Voice(Yamaha ZG01)」、ゲームの音が入る「スピーカー(Yamaha ZG01)」、自分の声が入る「Voice(Yamaha ZG01)」。この場合はOBS側で音声バランスを調整する

専用アプリから設定できること

専用アプリ「ZG Controler」からは、音量バランスの調整以外にも、様々な項目が用意されており、「EDIT」のボタンのある項目は細かい調整も行なえる。ボイスチェンジャー、警告音(ピー音)、エコーといったマイクエフェクトボタンの割り当てや、3つのゲーム音声エフェクトボタンの割り当ても設定できる。

アプリを開くとまずホーム画面が表示され、右側にはゲーム音声エフェクトボタンの割り振りやマイクの入力レベル、モニター用の音量が簡易的に表示されている。

「ZG Controler」のホーム画面

項目は左側に並んでおり、ホームの下にゲートやコンプレッサーなどを設定できる「MIC SETTINGS」、マイクエフェクトボタンのカスタマイズができる「MIC EFFECT」、ゲーム音声エフェクトボタンをカスタマイズできる「GAME EFFECT」、ヘッドフォンの音の聞え方をカスタマイズできる「HEADPHONE MONITOR SETTING」、そして、音声バランスや出力先を設定できる「STREAMING OUTPUT MIXER」、そのほかのアプリや本体の設定ができる「SETTING」、少し離れて一番下に「サウンドチェック」の項目が表示されている。

マイクエフェクトの設定画面
サラウンドの聴こえ方を調整することもできる

設定しておくのがお勧めの項目は、「MIC SETTINGS」のEQ項目と「HEADPHONE MONITOR SETTING」のEQ項目。ともに手動で設定することもできるが、プリセットが用意されているので自分の環境に合わせておくと、快適にプレイできるほか、ボイスチャット相手にも快適な通話環境にできるだろう。

まず「MIC SETTINGS」のEQには、Dynamic Mic.、Condenser Mic.、Headset Mic.の3項目が用意されている。「HEADPHONE MONITOR SETTING」の方は、Gaming Headphones、Headphones、Earphonesと、YH-G01の専用プリセットも用意されている。YH-G01を使用する場合は、「MIC SETTINGS」をHeadset Mic.、「HEADPHONE MONITOR SETTING」をYH-G01にしておけばOKだ。

「MIC SETTINGS」のEQのプリセット。
「HEADPHONE MONITOR SETTING」の画面。EQをONにしてPRESETSの項目を合ったものにしておこう

YH-G01の使用感についても触れておこう。長時間の使用を想定して作られていることもあって、本体が軽く、側圧もそこまで強くないため頭痛が誘発されることもなさそう。上記のEQ設定でELDEN RINGを3時間程度プレイしたみたが、ゲーム音声は控えめにしても聞き取りやすく、高音が響くような音や爆発音の低い部分の響きなどがほどよく抑えられているので、耳の近くで音が鳴っていることによる疲れはそこまで感じられない。

YH-G01の装着イメージ

マイクはコンデンサーマイクが搭載されており、アーム部は柔軟に動かせるため、モニター機能で聴きながら自分の声を拾いやすい位置に調整できる。コンデンサーマイクなので、ため息や鼻息も拾ってしまうこともあるため、そういった面も考慮して配置したい。タイピング音やマウスのクリック音もしっかり拾ってしまうので、このあたりは「MIC SETTINGS」のGATEを調整して、発音していない時は拾わないようにしておくのもオススメ。

ボイスチャットのみで配信しない場合は、Discordを使えばソフト側でタイプ音やクリック音をカットしてくれる機能があるので、難しく考えなくても大丈夫だ。

接続/設定はシンプル。ボイスチャットもこだわった配信もこなせる1台

アプリからは簡単なプリセットによる設定から、手動での細かい設定まで行なえ、初心者から徐々に調べていって設定を触ってみつつ、失敗したらプリセットに戻すといったことが行なえるので、これから触ってみるという人にも使いやすい仕様だ。一方で、ある程度こういった機材に触れてきた人たちも、細かく設定できる項目が多く用意されているので、こだわって調整できる。

今回はあまり触れていないが、OBS側のノイズキャンセイルやコンプレッサーを使いたい場合は、ミックスした出力音声を使わずに、ゲームの音声と、チャット用のマイク音声をOBSに入力するといった設定にするといった使い方もできるので、ZG01は配線をシンプルにしつつ快適にゲームをプレイしながらのボイスチャット、配信に貢献してくれるだろう。

野澤佳悟