(C)カラー |
ヱヴァ新劇場版のテレビ放送は初めてだが、気になるのは「どのバージョンの本編が放送されるのか?」ということ。2008年4月に発売されたDVD版は、劇場公開版から調整が進められた「1.01」で、フィルムの質感を活かし、35mmニュープリントからのHDテレシネ方式を採用。新たに発売されたBD/DVD版は、さらに調整された「1.11」で、デジタルデータをマスターとしたクリアな映像を特徴としている。
日本テレビによると、今回放送されるテレビ放送版は「1.01のテレシネマスターをベースに、テレビ版への再調整を行なったバージョンで行ないます。公式の呼称は“ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 TV版”となります」とのこと。1.11のBD/DVD版しか持っていない人は、放送との映像の味わいの違いを比べてみるのも面白いだろう。
なお、総監督の庵野秀明氏にとって、金曜ロードショーでの放送は特別な意味を持つという。'85年以来、庵野総監督がアニメーターとして制作に携わった「風の谷のナウシカ」、「火垂るの墓」が金曜ロードショーで放送されているが、庵野氏にとってはその作品以来の金曜ロードショーであり、監督としてはテレビゴールデンタイムデビューにもなるという。
そんな今回の放送にあたり、庵野総監督から以下のようなコメントが発表されている。
「金曜ロードショー、古くは水曜ロードショーは子供の頃から僕の憧れでした。
その枠での放映は大人になってからの僕の夢でした。
今回、それがようやく叶います。
ありがとうございます。
庵野秀明」
さらに、「破」の公開を記念した各種キャンペーンも続々とスタートする。
パナソニックでは、5月27日~7月31日の期間中に同社BDレコーダ「ブルーレイディーガ」を購入・応募すると、抽選で1,100人に「ヱヴァ新劇場版:序」のBlu-ray版をプレゼントするキャンペーンがスタート。専用サイトではキャンペーンの詳細とともに、スクリーンセーバーの配布なども行なわれている。
□DIGAの「ヱヴァBD」プレゼントページ
http://panasonic.jp/diga/campaign/0905eva/index.html
また、東京・池袋のサンシャイン60展望台にて、「ヱヴァンゲリヲン in サンシャイン」と名付けられた展示イベントが6月11日~7月14日までの期間限定で開催。「序」の貴重な資料が展示されるほか、「破」の劇場告知映像も上映されるという。
ほかにも、ローソンではオリジナルグッズ等の販売をスタート。綾波が好きな「にんにくラーメンチャーシューぬき」などのタイアップ商品が店頭に並ぶほか、クリアファイルがもらえるキャンペーンや、綾波フィギュアが当たるキャンペーンもスタートする。
□ローソンのヱヴァキャンペーンページ
http://www.lawson.co.jp/eva/index.html
UCC上島珈琲の「人類補缶計画」も再始動。Yahoo! JAPANでも、恒例のヱヴァ特集2009 特別ページが開設。よしもと芸人参加のオリジナル動画や番組、限定商品なども用意されている。
□人類補缶計画
http://ucc-evacan.jp/
□Yahoo! JAPAN ヱヴァ特集2009 (公開予定)
http://event.yahoo.co.jp/eva2009/
そんな「ヱヴァ」の舞台となっている「第3新東京市」のモデルになっている箱根町が、ヱヴァとタイアップ。ロケ地の観光パンフレット「ヱヴァンゲリヲン 箱根補完マップ」が6月11日から配布される。
ヱヴァンゲリヲン 箱根補完マップ |
芦ノ湖エリアから箱根湯本エリアまで、地図を手にヱヴァの世界を想像しながら、現実世界の箱根町仙石原を散策できる。観光パンフレットにはこれら19カ所を効率良く回れるコースも紹介されているという。BDドライブ搭載ノートPCやポータブルBDプレーヤーで、ヱヴァのBD版を再生しながら観光すれば、解像度の高さも相まって、“より正確な聖地(舞台地)特定”もできそうだ。
パンフは6月11日から、箱根主要施設で1万枚(先行配布分含む)を配布予定。それに先立ち、箱根町湿生花園駐車場では6月4日~6月6日に先行配布も実施するという。
アニメの景色と現実の景色の比較やモデルコースも紹介 |
そんな箱根町観光協会では「アニメロケ地観光は全国でもあまり例がない」とし、実写作品の「世界の中心で、愛をさけぶ」のロケ地の香川県や、「おくりびと」の山形県酒田市などを、映像作品とコラボした町おこしの成功例として挙げている。
しかし、アニメファンの筆者(山崎)に言わせていただくと、木崎湖(おねがい☆ティーチャー/ツインズ)、鷲宮町(らき☆すた)、白川郷(ひぐらしのなく頃に)、AIR(和歌山県日高郡美浜町/国立市ほか)、朝霧の巫女(広島県三次市)など、聖地はいっぱいあります。現実との対比ではなく、むしろアニメという現実への帰還です。町おこしが成功しているかは知りませんが、AV Watchの記事や作例(海ノ口)などにこっそり活用させていただいております。