レビュー

水曜どうでしょうスピーカーを首にかけ“軍団”気分を味わってみた

「AQUOSサウンドパートナー 『水曜どうでしょう』コラボレーションモデル(AN-SS2-SD)」

HTBの人気番組「水曜どうでしょう」ファン、通称“どうでしょう藩士”にとって見逃せないアイテムが登場した。シャープ×水曜どうでしょうの「AQUOSサウンドパートナー 『水曜どうでしょう』コラボレーションモデル(AN-SS2-SD/直販22,000円)」だ。発売に先駆け実際の製品を試したが、結論から言えば、藩士であればたまらず笑みがこぼれてしまうほど“うるさい”ネックスピーカーだった。

番組ディレクターが、ただただ喋りまくる

パッケージもオリジナルデザイン

シャープのAQUOSサウンドパートナー「AN-SS2」をベースに、音声ガイドとして番組の藤村忠寿ディレクター、嬉野雅道ディレクターの音声を収録。電源オン/オフなどの操作に合わせて両ディレクターの声が流れるため、「どうでしょう軍団の一員になったかのようにD陣ふたりの声が耳元で聞こえる」という製品。

シャープ、「水曜どうでしょう」ディレクターが喋るネックスピーカー

最近は音声ガイダンスに人気声優を起用したBluetoothイヤフォンがあるが、このコラボモデルは声優やタレントではなく、番組ディレクター、極端に言えば“ただのおじさん”の声を収録しているのが最大の特徴となる。

ちなみにコラボレーションのきっかけは、シャープの公式Twitterと番組ディレクター陣がつながったこと。開発を率いた同社スマートディスプレイシステム事業本部オーディオ事業部商品企画部係長の永沼広行氏も“どうでしょう藩士”で、その番組愛も盛り込まれた。

AQUOSサウンドパートナー本体。向かって右側に番組ロゴが
付属のBluetooth送信機。大きく番組ロゴがあしらわれる

ベースのAN-SS2は、首に掛けて装着し、周囲の音を遮ることなくワイヤレスでテレビの音声やスマートフォンの音楽を耳元で聴くことができるネックスピーカー。マイクも搭載しており、ハンズフリー通話やビデオ会議にも利用できる。付属のBluetooth送信機を使えば、テレビの音をネックスピーカーから再生できる。

筆者所有の「JBL SOUNDGEAR」(右)と並べたところ
実際に装着したところ

88gという軽量さも特徴。筆者は犬の散歩など、ちょっとした外出時にJBLのネックスピーカー「JBL SOUNDGEAR」を愛用しているのだが、JBLは重さ370gで、しっかりとした重さを感じる。しかし、このAQUOSサウンドパートナーは、タオルを首に巻いているような装着感で、より気軽に使用できた。

内容物一式

コラボモデルの筐体はブラックで、サウンドパートナー本体向かって右側と付属のBluetooth送信機に「水曜どうでしょう」の番組ロゴがあしらわれるほか、製品パッケージもオリジナル仕様で所有欲を満たしてくれる。

本体のほか、かんたん接続ガイド、限定ポストカード(下段右)なども同梱

製品には限定ポストカードも付属。絵柄は公開されていないため、ここでは紹介しないものの、どうでしょうファンは思わず唸ってしまうデザインだった。

肝心の音声ガイドは、とにかくよく喋る。例えば電源を投入すると、「ささっ!電源が入りましたよ!」、続いて電池残量を「大丈夫ですよ。電池、十分ありますから」などと知らせる。さらにペアリング済み機器と接続されると「はい接続しましたー。おっけー!」と、ここまで一気に藤村ディレクターがまくし立てる。

この時点で、どうでしょうファンならば笑いがこみ上げてくること間違いなしだが、ニュースやドラマなどで流れる人の声をくっきりさせる「クリアボイス機能」のオン/オフ時や、音量最大/最小時にもディレクター陣の声でアナウンスされる。Bluetooth接続が切れた場合や、接続待機中といった状況では、番組ファンならニヤリとしてしまうフレーズで案内してくれるので、初めて聴いたときは思わず大笑いしてしまった。

特定操作時は、音声ガイダンスがランダムで流れるのも特徴で、電源をオフにする際は藤村ディレクターの声で「よし! 電源切りまーす」、もしくは嬉野ディレクターの声で「電源を切ります!」と喋る。どのシチュエーションで、どちらのディレクターが喋ってくれるのかと探究心をくすぐられ、思わず音楽などを聴かずにさまざまな操作を試してしまった。

SHARP×水曜どうでしょう AQUOSサウンドパートナーの音声ガイドを聴いてみた
このAQUOSサウンドパートナーには、やはり番組テーマソングの樋口了一「1/6の夢旅人 2002」が似合う

ネックスピーカーとしてのサウンドは、JBLと比べると低域が少し抜けるような印象だが、それゆえ聴き疲れしにくい印象。本体の軽さと相まって、作業中のながら視聴など長時間の使用にはぴったりだった。IPX4の生活防水仕様なので濡れた手での操作、ウォーキングなど軽く汗をかくようなアクティビティでも安心して使用できる。

特に、今は夜遅い時間帯でも蒸し暑さを感じる時期。近くのコンビニへデザートを買いに行くだけでもじっとりと汗をかいてしまうが、生活防水仕様のAQUOSサウンドパートナーなら汗濡れもあまり気にすることなく利用できた。

せっかくならカブで“どうでしょう軍団”気分を味わいたい

せっかくならとホンダのスーパーカブを用意

「水曜どうでしょう」といえば、レギュラー放送最後の企画でも使われた原動機付自転車「スーパーカブ」。耳を塞がずに使えるネックスピーカーは、バイクでのツーリング中でもナビゲーション音声などを聴く際に活用できるアイテムなので、今回はホンダのスーパーカブを用意して、どうでしょう気分を味わいながらプチツーリングも楽しんでみた。

と、まずは走り出す前にカブにまたがって、AQUOSサウンドパートナーのスイッチをオン。すると“藤やん”こと藤村ディレクターの声が耳元で響き渡る。もはや気分は銀座から札幌を目指す企画「72時間! 原付東日本縦断ラリー」に挑む大泉さんと同じ。駐車場で思わずエンジンもかけず、バイクに跨ったままNetflixで配信されている「原付日本列島制覇」第1話を観てしまった。

気分はすっかり“どうでしょう軍団”の一員

気を取り直して、エンジンをかけてプチツーリングへ。なお、ネックスピーカーは耳を塞がないが、周囲の交通状況を確認できないほどの大音量で音楽などを聴きながらの運転はNGだ。今回は小さめの音量で、ナビアプリの音声案内を聞いてみた。

実際に使ってみると、ネックスピーカーでナビの方向指示を聴くのはかなり快適。当然、アプリの音声は藤村ディレクターや、嬉野ディレクターのものではないが、出発前にネックスピーカーを起動して藤やんの声を聴き、目的地到着後、ネックスピーカーの電源を切る際に藤やん、もしくは嬉野ディレクターの声が聴こえるだけで、“どうでしょう軍団”に加わったような気分を味わえた。

声優やタレントではなく、いち番組のディレクターの声が収録された今回のコラボモデル。使用中も、野太いおじさんの声が耳元で響き渡るわけだが、どうでしょう藩士にとっては、なぜか自然と笑みこぼれ、「きっと番組に出ている大泉さんは、こんな気持ちだったのかな」という心地良ささえ感じてしまうアイテムだった。

残念ながら記事掲載時点では、HTBオンラインショップでは上限数に達したため予約受付は終了。当初の予定販売台数を超える申し込みがあり、「ご予約いただいたお客様に商品をお届けすることを優先するため」として8月18日の一般販売も延期された。

ただ、どうでしょう藩士ならば、ぜひ入手しておきたい製品だけに続報を待ちたい。今後の販売予定については、HTBオンラインショップの「お店からのお知らせ」ページや、HTBグッズ公式Instagramなどで告知される。

酒井隆文